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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ〜ん なるほどねえ」162 良い後悔なんて、あるわけないよね



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<最近の思慮> 「良い後悔なんて、あるわけないよね」
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「やらないで後悔するより、やって後悔したほうが良い」。

こんなセリフを時々見聞きする。
実にツッコミどころ満載のフレーズである。
とにかく「どっちにせよ後悔しているのなら、ダメでしょ」と言いたい。

それでも、やらずに後悔する気持ちは、わからないでもない。
だが、やって後悔するというのは、一体どういうことなのだろう?
恐らく、やったことによる経験値を得ていない、ということだろう。

やったことの結果と、そこに至るプロセスを検証し、
成果を分析し、評価と課題を分類し、
有効なポイントと問題のあるポイントを抽出できれば、
もう、万々歳ではないだろうか。
実践による貴重な学習機会を得たとすれば、普通は後悔などしない。
辛かった、苦しかったという記憶すら、次への財産になっていく。

つまり、やって後悔するということは、
やったことから何一つ学んでいないということだ。これは残念だ。

では、なぜ、そんな不幸が起きてしまうのか?
恐らくは、何かを「やる」と決めた時点で、
それによって得られるもの、失われもの、増えるもの、減るもの、
育まれるもの、衰えるものなど、といった多角的な視点で、
その「やる」を検証せず、ごくごく単一的な結果だけを頭に描いて、
行動を急いだことが根本にあるのではないかと思う。

例えば、起業すると決める。なぜ? サラリーマンより金持ちになれるから。
それだけの理由で実際に起業する。
結果、経験不足と思慮不足と努力不足の三位一体で事業が続かなくなる。
私財を注ぎ込んでも足りない。借金もできない。もうダメ。ついに自己破産。
そして、「起業なんかするんじゃなかった」と、死ぬほど後悔する……。

こんなケースを指して、それでも、
「やらないで後悔するより、やって後悔したほうが良い」などと言えるのか?

言えるわけがない。
誰がどう見ても、いたたまれない展開だ。
そもそも、「良かったと思える後悔」なんていう概念自体、成り立たない。
とにかく後悔なんてしたくない。だから、やる前も、やってからも力を尽くす。

もっとも、どれだけ周到に用意をして事に臨んだところで、いずれは転ぶ。
人生を重ねていれば、何にせよ転ぶことは避けられない。

ただ、転んでみるとわかるが、地面には宝物が結構落ちているものだ。
それを一つでも二つでも掴んで、立ち上がる。その繰り返し……。
そうやって、人は成長していく。そう、成長。
自己の成長の手応えこそ、人間が得られる最大の喜びだと私は思う。
そう思えれば、「やること」=成長機会だから、後悔など決して生じない。

結論。
やらないで後悔するより、やって苦労して成長したほうが良い。

2019年、民営化10年を迎えるNICeの活動に、
全身全霊で取り組んできた私の偽らざる思いでもある。


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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)
に、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さん
へ、感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜ん
なるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第162号(2018/1214発行)より一部抜粋して掲載しました。
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