第5回 1年は何カ月?
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増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」 第5回
1年は何カ月?
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私の会社の帳簿に「清掃費」という費目がある。
要は玄関マットのレンタル費用で、
大阪府に本社がある有名なD社に毎月500円を支払っている。
(正確にはその代理店に支払っている)
「ということは1年で6000円だな」と思い帳簿の合計を見たら……、
あれれ? なぜかトータルが6500円に。
計算ミスではないようだから、
「こりゃ、どこかで二重に取られたに違いない」と思い、
目を皿のようにして帳簿を追っていったのだが、
見れば見るほど訳がわからなくなってしまった。
仕方なく経理担当者に確認したところ、理由はすぐに判明した。
D社のレンタルシステムは「4週間に1回のお取り替え」である。
4週間と聞くと、何となく1カ月と同じように感じるが
1年(365日)÷4週間(28日)=13.0357回となり、
月決めの契約より1年に1回多く、支払い日がやってくるのだった。
12回と13回では約1.08倍違う。
ちなみにD社の清掃関連売上高は約1100億円(すごい!)。
もしも集金回数が13回ではなく12回だったら、
この1100億円は1015億円となり、一気に85億円も減少してしまう。
似て非なるとは、まさに「4週間」と「1カ月」である。
なんて話を旧知の学習塾経営者とおしゃべりをしていたら、
こんな話が飛び出してきた。
「塾業界は1年を16カ月で考えているんですよ」。
えっ、どういうこと?
「1月から12月。あとは春期講習、夏期講習、冬期講習、諸経費」。
なるほど。平均月商の16倍を1年間で稼ぐということか。
月刊の雑誌が年に数回別冊を出して稼ぐ仕組みとちょっと似ている。
D社しかり、塾しかり、月刊誌しかり。
この「サイクルマジック」とでも言うべき発想は、
様々な業種でも導入できるのではないだろうか。
というより、例えば「よし、今年は15カ月分稼ぐぞ」と決意して、
3カ月分の月商をどう上積みするか、あれこれ考えてみればいいのだ。
存外、いろいろな作戦が思い付くような気がする。
月締めではない業種でも、年商を12で割って、その数字(平均月商)を、
あと数カ月分増やすには、どんな視点があるのかと考えればいい。
まずは、それをやる! それはできる! と思うところから出発だ。
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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.76
(2018.11.12配信)より抜粋して転載しました。
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