「NICeなビジネスプラン誕生秘話」第4回 白川正志さん(新潟県柏崎市)
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「NICeなビジネスプラン誕生秘話」 第4回
第2回NICeなビジネスプランコンテスト ファイナル進出・上位入賞
白川正志さん(新潟県柏崎市) 株式会社 笑足ねっと 代表取締役
ばらんすもう協会 代表
受賞プラン名称
「ばらんすもう協会設立」
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◆体力・笑顔・仲間づくりに貢献する、ロボット工学発想の『ばらんすてっぷ』
精密機器メーカーの3代目であると同時に、遊びの伝道師として、
運動あそび塾を運営する白川さん。
自らコーディネーショントレーニングのインストラクターを務め、
社会性を育みながら運動神経を向上させるオリジナルの
手足遊び運動や独自開発ツールも考案してきた。
そのひとつが、グラグラむにゅむにゅとしたアンバランスな足下の状態で、
チーム戦を行う遊具『ばらんすてっぷ』だ。
2014年12月開催の第2回NICeなビジネスプランコンテストでは、
この『ばらんすてっぷ』を使って、3人1組のチーム対抗で遊ぶ
『ばらんすもうR』を普及させるための協会設立プランを提出。
結果、ファイナル出場を果たし、上位に入賞した。
応募当時、白川さんは、親子をメインターゲットにしていたが、
そもそも『ばらんすてっぷ』の開発は、
シニアの健康と生きがいづくりへの想いが出発点だった。
◆生活を豊かにするものづくり。「シニアのため」から世代を超えて
子どもの頃からロボットづくりが夢だった白川さんは、
経営者勉強会にも積極的に参加し、商品開発に取り組んできた。
市や商工会のものづくり研究会では老人ホームを訪問して
現場ニーズを聴き取り、介護用品や車イス開発にも携わった。
この時に、笑顔がないお年寄りの姿に衝撃を受けたという。
その4年後の2006年に完成したのが『ばらんすてっぷ』だ。
その後も、素材や空気圧、ルールやサポート体制など、改良・改善を重ね、
様々な場所へ持参し、体験者から声を聴いた。その中で、シニアだけでなく、
子どもや大人にも効果があることに気づく。
カラダを使って触れ合いながら遊ぶことが希薄になっている子どもたちへ、
運動機能だけではなく、コミュニケーション能力向上が図れること。
また、チーム対抗のルールにすることで、作戦を立て、実行し、ふりかえり、
次に活かすという、遊びのPDCAサイクルも引き出せることに着目。
◆BtoBへの展開で、人材育成・社員教育・笑顔あふれる職場環境に
さらに「大人にもウケる!」と確信した出来事があったという。。
2015年5月に柏崎市で開催したNICe頭脳交換会だ。
「頭脳交換Part2」として、NICeのメンバーが運動あそび塾を訪れ、
白川さんの地元仲間と『ばらんすてっぷ』で対戦。
両チームとも笑顔で盛り上がり、その後、どう普及させたらいいか、
自由な意見を述べ合ったのだった。
※参考レポート
http://www.nice.or.jp/archives/29704
「大人がこんなにも盛り上がるとは(笑)。
中高年にこそお勧めとの意見を伺い、人材育成や社員教育、
メンタルヘルスケアにも貢献できると自信が持てました」
白川さんはチームビルディングを本格的に学び、
2016年12月から企業向けに『ばらんすてっぷ』研修サービスを開始。
カラダを使って楽しみながらチームビルディングができると同時に、
アイデアが発想しやすい温かな職場づくりに貢献している。
◆夢中になるからこそ、創意工夫が生まれ、さらに発展進化していく
最近では飲食店でのほろ酔い対抗や、企業の歓送迎会、朝会での使用など、
様々な場面で『ばらんすてっぷ』が活躍。
日本レクリエーション協会『あそびのカタログ』にも掲載される予定だ。
「市内のイベント会場に、自由に楽しんでと『ばらんすてっぷ』を置いたら、
女子学生が手押しではなく、タオルを使ったり、2対2で遊んだりと、
それはもういろんな楽しみ方で笑い転げていたのです。
こちらが思っていた3人1組のルールはあくまでも基本形として、
自由に創意工夫して楽しんでほしいと今は思っています」
運動遊び塾・しらさんちでは、進学とともに塾を卒業する子どももいる。
先月行われた修了式で、代表の白川さんがこうあいさつした。
「夢中になることそのものに、価値があるのです」
開発着手から15年、白川さんはまだまだ『ばらんすてっぷ』に夢中だ。
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白川正志(しらかわ・まさし)さん/新潟県柏崎市
株式会社 笑足ねっと 代表取締役
http://www.warakashi.net/
ジュニアとシニアの運動あそび塾・しらさん家(ち)
ばらんすもう協会 代表
http://www.balance-sumo.org/
○プロフィール 1969年3月15日、新潟県柏崎市出身。
中学・高校・大学とバスケットボール部に所属。中学時代は身長が一番低く、
応援メンバーとして貢献。その後、身長が伸びるに合わせて各ポジションを
経験する。この応援・実践の両体験が、チーム力の大切さを学ぶベースに。
2002年に白川製作所を継ぎ、2007年に第2創業で笑足ねっとを設立、元映
画館にてジュニアとシニアの運動あそび塾・しらさん家(ち)を開業。直後
に新潟県中越沖地震が発生、被災して遊び場がなくなった子どもたちに無料
開放したほか、仮設住宅への出張レクリエーションも始める。2014年、ば
らんすもう協会設立。
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2017.4.21 配信
「つながり力で起業・新規事業!」 メールマガジンVol.53