一般社団法人起業支援ネットワークNICe

ユーザーログイン
最新イベント


NICeなビジネスプランコンテスト


Business plan Contests
NICeなビジネスプランコンテスト入賞者に協力いただき、プラ ン発想の起点・動機、受賞後の進展、事業実現過程での頑張り どころなどをご紹介。起業・新規事業のヒントに。
「NICeなビジネスプラン誕生秘話」第6回 鈴木尚登さん(秋田県横手市) 



■□■───────────────────────────■□■
   「NICeなビジネスプラン誕生秘話」 第6回

 第3回NICeなビジネスプランコンテスト ファイナル進出・準グランプリ
 鈴木尚登さん(秋田県横手市) Be linked 代表
 
 受賞プラン名称
 「移住・定住酒米栽培、地酒造りコーディネート事業」

■□■───────────────────────────■□■


◆日本酒好きの秋田定住&就農で、酒蔵・農家を応援!

地元・秋田にUターンし長年に渡り、地域の雇用創出、起業・創業支援、
6次産業化、販路開拓などに尽力している鈴木尚登さん。
2015年12月開催の第3回NICeなビジネスプランコンテストでは、
「移住・定住酒米栽培、地酒造りコーディネート事業」プランを提出した。

農業や田舎暮らしに興味がある日本酒好きな人が、
秋田へ移住・定住して酒米づくりに就農することで、
安定収入を得ると同時に、
後継者問題や耕作放棄地を抱える農家と、
人口減少・空き家対策をしている自治体、
さらに杜氏の高齢化や後継者問題、酒米の安定確保を望む酒造会社、
それぞれの課題を包括的に解決できるという内容だ。

背景にあるのは、故郷・秋田県への思い。
かつて185あった酒蔵が、39にまで減少(現在は37)。
酒蔵が1つ減れば、それだけ米農家にも地域経済にも痛手となる。
危機感を持った鈴木さんは、ビジコン前年の2014年春から、
首都圏の飲食店の協力を得て、
『す~さん(鈴木さんの愛称)が持ってくる日本酒の会』を主催。
その会を通じて手応えを感じ、応募プランを思い立つ。

鈴木さんによると、日本酒ブームが再燃しているという。
美味しい日本酒、特に純米酒系が見直されているのだ。
一方で、全国の米生産量は減少しているものの、酒米需要は横ばい、
中でも日本酒製造に適している酒造好適米(酒米)は品薄とのこと。

ビジコン本選では、1升瓶を手に、
「成人した日本人が1日1合の純米酒を呑めば、
米の生産調整をしなくても良い計算になる!」と、
旧知の酒食ジャーナリスト・山本洋子さん提唱の言葉を語り、第2位に輝いた。


◆地産を活かして酒米から酒造りを!だが課題山積で方向修正

ビジコン入賞後、鈴木さんは、酒造好適米・美郷錦と同名の美郷町へ。
人口2万人の町ながら、秋田を代表する酒蔵が3つもあり、
美郷町でつくった美郷錦で、美郷の酒蔵ならではのテロワール
(ワイン用語で 大地・土地の個性の意)を打ち出せる、
それが大きな競争力になる!と町役場へプレゼン。

しかし結果は、現実的な課題の多さを知ることに……。
「美郷町で美郷錦をつる米農家さんは前年1軒だけでしたが、
出向いた時にはもう2軒増えていました。
酒蔵でつくれる酒の量は決まっていますから、
当然、農家との取引量も決まってきます。
移住者を増やし、酒米量を増やすのなら、
米から酒まで一貫して事業化するくらいの規模でないと難しい。
実際に動いてみて、いい勉強になりました」

鈴木さんは気を取り直し、まずは売れる場づくりを行い、
「売れるのだから、つくりましょう!」と、
農家や酒蔵、移住希望者へアプローチすることを決意した。


◆日本酒の会と販売会をセット開催、売れる土台づくりを強化

そこで鈴木さんは、『す~さんが持ってくる日本酒の会』開催数を増やし、
同時に、す~さんが厳選した秋田産品の販売会も兼ねることにした。
声がかかれば各地の催事へも出向き、秋田ファンを増やしているところだ。

さらに、外からの移住・定住促進だけでなく、
若者の定住を図ろうと、起業・独立支援も強化。

(財)あきた企業活性化センターと、中小企業庁ミラサポの
専門相談員を務めているほか、2017年には女性労働協会の認定講師、
秋田県農業公社6次産業化プランナーにも就任した。

「人と人、人と情報、人と資金を引き合せることが自分の天職。
今は種まき、橋渡しをしながら、売れる場づくりをして、
その延長線上で、移住・定住・起業、地域活性を実現したい。
売れるとわかれば、農家も酒蔵も生きがいになる、希望にもなります。
安定した収入が見込めれば、移住・定住という道も開ける」


次回の『す~さんが持ってくる日本酒の会』は6月25日横浜で開催。
興味のある方は、「メルマガを見た」と下記へ連絡を。
故郷を背負う鈴木さんの心意気を感じられるはずだ。
 

┌───────────────────────────────┐
 鈴木尚登(すずき・ひさと)さん/秋田県横手市
 Be linked 代表
 http://www.be-linked.jp/
 
 ○プロフィール 1958年10月15日、秋田県秋田市出身。
 大学卒業後、金融会社を経てUターン。横手市雇用創出協議会に9年間勤務。
 JBIA認定シニアインキュベーション・マネージャー、JCDA認定キャリア・デ
 ベロップメント・アドバイザーの資格を有し、起業・創業・6次産業化・商品
 開発・キャリアステップ、販路開拓、セミナー開催など多方面で活躍。2015
 年に独立し、「Be linked」を創業。経験と実績、人脈を活かし、伴走型支援
 コンサルタントとして活動中。日本酒ナビゲーター・焼酎ナビゲーターでもあ
 り、首都圏での秋田ファン拡大にも貢献。「す~さんが持ってくる日本酒の会」
 は毎回ほぼ満員御礼。現在は東京・横浜で開催しているが、さらに協力店を募
 り、全国各地へ広げていく方針だ。
└───────────────────────────────┘

2017.6.21 配信
「つながり力で起業・新規事業!」 メールマガジンVol.55



NICeとは? NICeの合言葉は「つながり力で、日本経済と地域社会の未来を拓く!」。全国のみなさんがつながる場として、登録&利用無料 のSNSを提供しているほか、全国各地で交流会や勉強会などリアル活動を開催しています。どなたでも参加歓迎です。
SNSは登録もご利用も無料ですのでどうぞお気軽にご参加ください。登録ご希望の方はこちら「初めての方へ」をご覧のうえ ご登録をお願いします。
Contents
2024-11-20 | メルマガ

プライバシーポリシー
お問い合わせ