pickup! NICe日記 第49回 服部正雄さんの『売上高にこだわる経営者』
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全国各地の異なる業種・地域・世代の人々が出会い学び合う
NICeのSNSの中から、ご本人の承諾を得て投稿記事を転載。
今回は、増田代表が選んだ2017年3月 月間最優秀日記をご紹介。
なお、毎月の最優秀日記を候補にした年間グランプリを年末に決定します。
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中小建設業の経営者とお話をしていて、
自社の売上高を知らない経営者は殆どいません。
しかし粗利益率や営業利益や経常利益又固定費が幾ら掛かるか?
の質問には殆どの経営者が解っていません。
実は固定費と粗利益額の関係が重要な事は、
お客様の経営者にいつもお話する事です。“粗利益>固定費”
この話は又の機会にしますが、
何故建設業の経営者が売上高にこだわるのか?について考えてみました。
まず公共工事の経営事項審査の評点項目に、
工事種類別年間平均完成工事高が評点の対象になり、
公共工事の入札におけるランク付けの問題があります。
(売上高が下がって利益が増えてもこの項目の評点は下がる)
二つ目は仕事量の確保で先行きが不安になれば、
協力会社の職人さんや自社の職人さんを遊ばせたくない気持ちが優先して、
厳しい金額でも仕事の量を優先してしまう事です。
中には材料費や外注費等で請金を超える完全赤字の、
”遊んでいた方がまし”の工事もあるのですが・・・・・・・
三つ目は経営者の妙なプライドだと思います。
同業他社との比較等で負けたくない事が売上高にこだわる理由だと思います。
業界紙や信用調査機関の冊子等に会社名と売上高の掲載等、
比較的公表され易い事もあるのですが、経常利益額や自己資本比率、
借入金の金額等も調べれば分るのですが公表されません。
最後に、資金繰りが厳しい会社では、
お金を廻さないと会社が危機を迎えてしまう事です。
これも利益度外視で資金繰り重視の会社もある理由です。
ただ緻密に資金繰り表等で管理している会社は少ないのですが、
アバウトな経営者の頭の中で、目の前の資金繰りがちらつくのでしょうか?
これは延命治療のような気がします。
でも10年この仕事をやって来て自信を持って言えます。
売上高重視ではなく、粗利益額重視の経営姿勢が、
今後生き残る為には絶対必要です。
多くの経営者に言い続ける事が私の仕事です。
※2017年3月7日投稿
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愛知県名古屋市/NICe協力会員・服部正雄(はっとり・まさお)さん
株式会社アイユート 代表取締役
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