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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」92 「コスト削減の罠」



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<最近の進言> コスト削減の罠
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「本州内での移動の場合、飛行機は使えませんよ」。
昔、国の仕事を受託していたとき、事務局からそう言われて驚いた事がある。
確か、東京から山口県へ出張する計画だったと思う。
「先得を使えば飛行機のほうが安いですよ」と言っても、ダメなものはダメ。
しかも、費やす時間を考えたら、山口まで電車で行くのはあまりに無駄だ。
昨今の政府関係の規定がどうなっているのかは知らないが、当時はそうだった。

「役場は、ビジネスを営んでいるわけではないからな」と、譲ったが、
(譲ったと言っても、電車に乗ったわけではなく、自費で飛行機に乗った)
私たち経営者は、間違ってもこんな杓子定規な考え方を取り入れてはいけない。
タイム・イズ・マネーを持ち出すまでもなく、仕事に要する時間もコストだ。

大事なことをひとつ。コストという概念は、単独では存在しない。
コストは、パフォーマンスとセットで存在する。
つまり、どれだけの成果に対して、どれだけの費用を要したか、である。

したがって、コストは、より良い結果を生み出すための手段であり、
逆に、より良い手段を講じる事が、結果を良くするとも言える。

では、こういう話はどうだろう? 「コストを削減する」と言って、
他に任せればスムーズにいくことを無理して自分(自社)でやり、
挙げ句に、時間はかかるわ、担当者は疲弊するわ、しかも出来は悪いわで、
結果、取引先を失い、社内にも不満が充満してしまうような事態。

言うまでもないが、上記のような展開は、
良い結果を生めない事が十分に想定されているのだから、
もはやコストでも何でもなく、損失を招くための、
間違った時間と手間と資金の使用としか言いようがない。
言い換えれば、「コスト削減」ではなく、「コスト放棄」である。
こんなことを繰り返している企業があれば、早晩立ち行かなくなるだろう。

私も零細企業の経営者だから、支出を抑制したい気持ちはよくわかる。
が、支出の抑制の判断基準は、抑制しても、抑制する前と同じ結果が出せる、
ないしは、それ以上の結果が出せると思えるかどうかだ。
私たち起業家は、価値を生み、価値を提供してナンボの存在である。
くれぐれも、経営者のみなさんには気をつけてほしいと願う。

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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)
に、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さん
へ、感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜ん
なるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第92号(2016/1/14発行)より一部抜粋して掲載しました。
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