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NICeプロデュース ふくしま“食”プロジェクト 白河・北條農園さん&棚倉町視察報告







2015年8月8日(土)、「NICeプロデュース ふくしま“食”プロジェクト」推進のため、福島県白河市を訪問した。このプロジェクトは2014年9月から始動(※参考 開催レポート下記)し、組織や地域の異なりを越えて、連携による新たな6次化商品開発を目指して、資源のコラボ、情報交換、ノウハウ・素材提供、知恵の共有などを継続的に行っている。
そのスタートは、NICe増田紀彦代表理事が福島県農林水産部が実施する「福島県6次化事業体サポート事業」のコーディネーター職に就任し、また同部が実施する「福島県地域産業6次化イノベーター事業」のビジネスプランナーにも就任したことが起点。増田代表は、同県各地に配置されている支援員らとともに、生産者や食品メーカー、食品加工会社のもとへ頻繁に赴き、福島県の6次化事業発展と、県内の農林水産業復興に注力している。その取り組みを通じて出会った生産者・農作物・加工品・生産工程・知恵・技術と、これまでNICeの活動や交流を通じて育んできた資源を組み合わせ、つながり力の連携により新製品をつくり出そうという取り組みが、この「NICeプロデュース ふくしま“食”プロジェクト」だ。今回もその活動の一環として、福島県白河市東地区と棚倉町を訪問した。

最初に訪れたのは、白河市東地区(旧東村)で100年以上続く北條農園さん。3代目の園主・北條雄三さんは、桃や梨、りんご、ぶどう、キウイなどの50種類以上の品種の果物と米などを、有機肥料・低農薬で栽培する福島県「エコファーマー認定農業者」。さらにその美味しい果実を生かして加工品を開発しているのが、奥さまの睦子さんだ。『ビートルズ』のアルバムジャケットでもおなじみの青リンゴ「グラニースミス」を使用した『しあわせりんごケーキ』、ふじ、ジョナゴールド、シナノゴールドそれぞれの3種のりんごジュース、りんご飴、もも飴など様々の6次化商品の開発にも取り組んでいる。



さらに2015年7月18日からは、新幹線新白河駅から車で20分ほどの場所に直売所をオープンさせた。北條農園さんの果実はもちろん、地域の農家さんにも協力してもらい、花や野菜なども豊富に取り揃えている。




▲▼新白河駅から車で20分ほど。国道11号(御斉所街道)を右折してすぐの小高い丘の上にオープンした北條農園さんの直売所。国道からも、水田越しに色とりどりのノボリが目立つ。今が旬の桃『白鳳』『あかつき』、大粒ぶどう『あずましずく』をはじめ、お米、新鮮な夏野菜、花苗などもあり、観光客はもちろん地元住民のコミュニティの場としても親しまれている。




直売所 住所:福島県白河市双石(くぐりいし)下根岸84 
営業期間:7月~12月まで。8時30分~17時くらい
火曜定休(ただしお盆、お彼岸は休みなしで営業)
宅配も可能

続いて、睦子さんに案内いただいたのが、双石の直売所から約10kmの場所にある北條農園さんの“桃の木陰の直売所”。まさに桃がたわわに生っている果樹園の中にあり、車を降りた途端、木陰の涼やかな風とともに、なんとも美味しそうな桃の香りに包まれた。


▲▼北條農園の敷地内に期間限定でオープンする“桃の木陰の直売所”。こちらも「もも・直売」のノボリが目印。園主の北條雄三さん、長女の梨恵さん・ひとしさん夫妻も北條ファミリー総出で対応。この時期はちょうど、『白鳳』と『あかつき』の最盛期。手間ひまを惜しまず丁寧に育てられ、高糖度で香りも高い自慢の桃がずらり! 雄三さんによると、首都圏からのお客さまは柔らかい桃を好まれる方が多く、逆に県内の方は「桃はバリバリっと固いものだ!」と好みが異なるとのこと。販売の際には好みを聞き、固めの桃がお好きな方には『あかつき』を、やわらかめの桃がお好きな方は『白鳳』をとお勧めしているほか、バラ売りから20個入りまで、好みとニーズに合わせて個数も幅広く選べ、食べ比べて食感の違いを味わえるミックスもOK




桃の木陰の直売所 住所:福島県白河市東上野出島字源兵池3
営業期間:8月1日~18日まで、朝6時~19時
以降は自宅にて年中無休で販売(9時~17時まで対応)
宅配も可能。

北條農園 〒961-0302 福島県白河市東上野出島字源兵池3
Fax:0248-34-3119
電話:0248-34-2825
twitter:https://twitter.com/momonasiringo


※北條睦子さんをゲストに迎え、増田代表が聞き手となる
「ウイークエンド交流会 しらかわ“食”ビジネス創造!」
11月6日(金) 18:30〜 産業サポート白河・白河市立図書館内にて開催
詳細・参加申込みについてはこちら http://www.nice.or.jp/archives/29967




次に向かったのは、東白川郡棚倉町、東日本薬草研究所代表の小田八州雄さんのキクイモ畑。
小田さんは、NICeプロデュース ふくしま“食”プロジェクト「砂糖不使用のキクイモパン」のメンバーのひとり。増田代表が、キクイモのエキス化に取り組み糖度76%の甘さを完成させた小田さんと、須賀川市の料理研究家・パン工房MANA代表の柳沼美千子さんとをつなげて、試作を繰り返し、さらにパッケージデザインにトラックスアンドストアーズ株式会社代表取締役・西尾 望さんも加わり、2014年末に「砂糖を使わない、生活習慣病の方にも喜んでもらえるキクイモパン」を商品化させた(参考:NICeプロデュース ふくしま“食”プロジェクト 報告  )。現在この砂糖不使用のキクイモパンは、予約販売のほか、郡山市の星総合病院・青空市場での販売、ファーマーズマーケットやイベントでの販売、郡山で一番大きなデパートうすい百貨店でも販売されている。




▲茎が2mほどに成長している小田さんのキクイモ畑。収穫は秋。イモという名称ながら、ジャガイモやさつまいものような芋類とは異なり、でんぷんをほとんど含まないのが特徴で、天然のインシュリンと言われているイヌリンを多く含むことで近年注目されている。小田さんは、キクイモのお茶やチップなどの加工品も開発し販売しているが、さらに搾汁液を煮詰めることで糖度76%という甘い糖化エキスを完成させた。キクイモのほかヤーコン、ウコン、桃、りんご、ぶどう、また今年からホーリーバジルの栽培も開始

小田さんの畑と研究所を見学させていただき、現在開発中の新商品について進捗状況と課題を話し合い、今後も情報交換を重ねていくことを確認して白河・棚倉視察を終えた。



※参考レポート
【東北応援スペシャル】食ビジネス 14組連続プレゼン&みんなで大討論!
 NICe頭脳交換会 in 福島

NICeプロデュース ふくしま“食”プロジェクト いわき視察&ミーティング報告
会津地域視察&ミーティング報告
ABE農園の取り組み 情報共有ミーティング報告 
NICeつながり祭り2014 第2部 頭脳交換会
マコモ田 視察報告 
NICeプロデュース ふくしま“食”プロジェクト 第1回会議報告



取材・文、撮影/岡部 恵

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