増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」45 「流れとしては自然だが、日常的には体験しにくい事柄」
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「釣船茶屋ざうお」という飲食チェーン店がある。
福岡県で誕生し、今や全国に店舗網を広げる、イケイケブランドだ。
つい最近、私の自宅近くにも新店舗がオープンし、一気に興味が高まった。
私が「ざうお」を知ったのは、昨年5月。
このお店が「NICe全国定例会in福岡」の懇親会会場だった。
土曜日の夜のせいか、とにかく、よく客が入っていた。
そのお客さんたちの中から、突如、歓声が聞こえてきて驚いたものだ。
何事かと思ったら、店内にある「釣り堀」で、
竿を手にしたカップルが、魚を釣り上げて大騒ぎしているところだった。
餌代を払い、釣り堀に放たれたタイやヒラメを狙う。
釣れた魚は、通常の3分の2程度の料金で、好みの料理に仕上げてくれる。
そういう仕組みだ。もちろん、釣りをしたくない人はしなくていい。
さて、この「ざうお」、一体誰に狙いをつけているのだろう?
「流れとしては自然だが、日常的には体験しにくい事柄」を、
ちょいと体験してみたいと思うような人たちを狙っている。
もっとも、「釣る」→「食べる」という流れを、
実際に体験するかどうかは、どうでもいい。
「体験できる可能性のある場にいることに価値を認める人たち」
それが真のセグメントだ。そんな人がこの国にはいっぱいいると思う。
ちなみに以下の商売にも、似たようなベネフィットが感じられる。
●観光農園(果実をもぐ→食べる)
●水族館のタッチプール(生物を見る→触る)
●男の料理教室(料理をつくる→食べる)、
みなさんのサービスにも、取り入れ可能な視点かもしれない。
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増田紀彦NICe代表理事が、
毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)にお送りしている
【NICe会員限定レター/「ふ〜ん なるほどねえ」スモールマガジン!】
増田通信・第45号(2014/2/7発行)より、抜粋してお届けしました。
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