2020年東京(+全国)五輪」を開催しよう!
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【「五輪は人質」と、歯噛みする友人】
2020年オリンピックとパラリンピックの東京開催決定は、
何とも晴れがましい気分にさせてくれるニュースだった。
だが、ある友人がこんなことを言っていた。
「五輪は人質だ」と。
なるほど、うまいことを言う。
おえらいさんたちの仕掛けになど、乗りたくもない。
だが、きっちり開催しなければ、世界に対する日本の恥になる……。
結局、誠実な人は、人質を見捨てることなどできない。
【それでも五輪は人を動かすチャンスである】
実際、内閣官房参与を務める藤井聡氏は、
『世界中が注目を差し向けるオリンピックという場では、日本国民は皆、
恥をかくわけには行かぬという意識を多かれ少なかれ持つのであり、
それを通して、是が非でも成功させねばならぬ、そのための準備に向けては、
兎にも角にも、最低限の「協力」はせねば、
という意識が国民全体に共有されることとなるわけです』
と、メールマガジンの中で書いている。
国民全体で共有するためには、是が非でもやるべきことがあると思うが、
その方法については、コラムの後半で提案する。
とにかく、知人の弁を借りれば、「人質を取ったぞ」宣言である。
でも、それでいいのだと私は思う。
嫌われようが、卑怯と言われようが、目的に向かって国民を動かすなら、
それは、まさに政治の本道である。
【五輪経済効果が海外流出する可能性】
ただし、五輪開催を錦の御旗に見立て、
何でもかんでも、押し通すようなやり口は考えものだ。
「五輪東京開催決定により、消費税率を8%に引き上げる環境が整った」。
こんな感じのニュースも流れている。
すでに、「ゴリ押し」ならぬ「五輪押し」が始まっている。
こうした論調に触れていると、
増税分が五輪開催に向けた公共投資に向けられるような気がするが、
そんな話は誰もしていない。
それどころか、東京を「国家戦略特区」にして、
民間投資でインフラを整備する可能性が高くなっている。
ここに、TPPによって参加機会を得た外資系企業が、
「オレも入れろ」とばかり、「五輪押し」してくることも容易に想像がつく。
【全国の自治体が一体となって、五輪全国開催を!】
五輪経済効果が、外資のものになっていく……。
そんな展開を座視していて、いいわけがない。
なら、どうする?
どうせ五輪をネタに強引なことをするのであれば、
政府と全国の地方自治体が結託して、
「東京って言ったけど、実際には全国でやっちゃうよ」作戦を発動すべきだ。
五輪経済効果が、目に見える形で地方にまで及んだときに、
本当に、五輪が日本経済再生の起爆剤となるのである。
我が県に、我が町に、オリンピックがやってくる!
こうなれば、もう五輪は「人質」などではなくなる。
本当に、日本国民は全力で協力し、否が応にも経済は成長する。
【東京一極集中打破は、日本経済再生の要、】
そうならず、東京ばかりに準備事業が集中すれば、
当然、人手不足が発生する。
ゆえに、2020年までの有期雇用が大量に発生する。
仕事を求めて、地方から多くの人が東京へやってくる。
その結果、地方は働き手をさらに失う。
やがて、五輪特需が過ぎ、雇われていた人たちは仕事を失う……。
こういう展開を、いい加減、日本は返上すべきだ!
東京オリンピックとパラリンピックを成功させるのなら、
日本の隅々にまで、喜びとメリットを分配すべきである。
みなさん、「2020年東京(+全国)五輪」実現に向けて、動きだそう。
あと7年。時間あるようで意外とないが、ないようで意外とある。
<一般社団法人起業支援ネットワークNICe 代表理事 増田紀彦>
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「つながり力で起業・新規事業!」 メールマガジンVol.10(2013.0924配信)
より抜粋して転載しました。
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