第8回 NICe関西 頭脳交換会@大阪レポート
2011年9月17日(土)、「NICe関西」主催の第8回勉強会(頭脳交換会)が天満インキュベーションラボにて開催された。
参加者は大阪府を中心に、滋賀県、京都府、兵庫県、和歌山県、そして遠くは東京都、神奈川県からも駆け付け総勢20名に。さらに今回はUSTREAMも配信され、各地のNICeユーザーもWebで参加。リアル・Webともに初参加者が多く、有意義な頭脳交換会となった。
NICe関西コミュティは
こちら
■オープニング
NICe関西の頭脳交換会に初参加したメンバーへの歓迎の意味も込め、
永山仁氏がNICeについて、および頭脳交換会について説明を行った。頭脳交換会とは、毎回参加者が意見をブレストすることで、プレゼンテーターだけでなく参加者自身もそこからヒントを得ることができ、みんなのビジネスプランに気付きがあることを説明した。そして、初めて顔を合わすメンバーも多いため、まずは自己紹介を行なってから、頭脳交換会をスタートさせた。
■プレゼンテーション
キタデザイン代表・北出佳和氏 テーマ「まんがデザイナー・次の展開は?」
▲プレゼンテーターを務めた北出佳和氏
独自のまんがチラシを展開中!
もっとリピーターを増やすには?
キャパを広げるにはどことコラボする?
プレゼンテーターの北出佳和氏は、まずこれまでのキャリアについて紹介した。デザイナーとして活動し、3年間セールスプロ―ションの営業にも携わり独立。得意のまんがを商品にして1年が経過したという。2010年末にNICe仲間でもある永山氏の会社(株)日鐘の基金訓練のチラシを漫画で描いたことをきっかけに、「まんがチラシ」という独自の表現を使った媒体を展開し、今では様々な業種のチラシを制作している。その中にはNICeのメンバーからの依頼も数多くあるという。
今回、今後の展開を考えるにあたって、参考資料としてこれまで制作したまんがチラシと、現状を細かく記したプリントを配布した。
【現状】
お客様設定:説明しにくい初めてのサービスや、硬い、とっつきにくいサービスを売っている。都市部の1~15人規模の経営者を対象としてきた。
料金:A4片面カラー 42000円(税込) 両面 84000円(税込)
1年間の受注:チラシ11件、パンフレット4件、Webページ1件、
受注職種:基金訓練・塾・コーチング・LED設置・社労士・行政書士・テニスショップ・クリーニング店・飲食店マネジメント
喜ばれた点:
・まんがの主人公を決めるコトで、理想のお客さま像が明確になった
・打ち合わせだけで、行く先が明確になってすっきりした
(目的にそって話すことで顧客自身が気付く)
・できあがったマンガを読んで、改めて自分の会社に誇りが持てた
・とても説明しやすいし、相手にもわかりやすいので、営業しやすい
・嫌がられず受け取ってもらえるので、配りやすい
・マーケティングの理想的な流れになっていてびっくりした
・実際に会わなくても、メール&電話ヒアリングで制作可能
以上のような現状を述べた後、ニーズから始まった自分のウリともいえるまんがチラシだが、クライアントも増え、そろそろ今後のステップアップを図りたいと考えるようになり、頭脳交換会のプレゼンテーターに名乗りを上げたと語った。そして、課題として、いかにリピーターを増やすか(毎月or定期的)。どのような職業とならコラボレーションできるか。新サービスについてのアイデアを求むとし、プレゼンテーションを締めくくった。
■頭脳交換会
▲▼3チームに分かれて約40分間の頭脳交換がスタート!
▲▼真剣に、そして楽しく、アイデアが湧き出てくる
▼ホワイトボードに次々と書き込まれていく
■各チームの主なアイデア
黒江チーム
・通訳とコラボして、英語まんがをつくる。
・デジタルサイネージ(電子看板)でNICeの中島氏とコラボする、まんがを動かす。
・ペットボトル挿絵。
・定期的に利用してもらうには、毎月発行される、政治家の市政報告、会社の株主報告、ニュースレター、士業の機関紙など。
・まんがで伝えやすいものとして、省エネポスター・振り込み詐欺防止ポスター・企業のCSR(社会的責任)・原発の仕組み、災害対策など。
・上記災害対策に関しては、災害対策マニュアルなど、実際災害が起こった時、文字で読んでいられないのでまんがが伝わりやすい、非常持ち出し袋の用意するものなどもまんがで書いたらどうか。
・企業の社内広報担当者に、まんがの書き方を教育するという違った視点はどうか。「4コマまんが教室」など →講師業という新たなまんが能力の使い方
・お客さんの能力を発見するという北出さんの強みを活かしてコンサルティングをしたらどうか。
→まんがにこだわらず自分自身の能力を違うカタチで活かす
住田チーム
・まんがでお客さんのキャラクターをつくる、それを利用して、ブログや社内広報などに掲載する。
・北出さん自身をキャラクター化して売り出す。
・お客さんをインタビューすることで、会社やお客さんの価値を見いだし、それをまんがで伝える。
(「お仕事発見!」「引き出しシリーズ」「月刊キタデ君」など)
・ストーリー、メッセージ力のあるまんが(隣で誰かが喋っている内容をまんがにする、話し言葉なので伝わりやすい)。
・言葉にしにくいことをまんがで伝える、例えば活字で書けない企業秘密的なこととか、活字や写真では伝えられないが、まんがではOKがでるのではないか。
・まんがにすることでわかりやすくなるもの。就業規則・取扱説明書・料理レシピ・マニュアル・介護施設の掲示物など。
・子ども向けのもの・海外向けのもの・社内報(まんがだと家族も見ることができ、お父さんこんなお仕事しているんだ~と伝わりやすい)
山中チーム
・まんがでイメージアップするものとして、建設業界(暗い・灰色のイメージ)を明るく、不動産のチラシ(どこも同じ感じなので一部に4コマまんがなどを書く)、商店街のシャッター(絵を書いて物語にする・店長の似顔絵など)、役所(硬いイメージ)の観光ページなど、
・リピーターを増やすためのまんが名刺について。
名刺は一回だけ渡すのが一般的。その名刺の一部だけシリーズ化したものにする。例えば、名刺下部に「こういう仕事が増えました」「今月の僕のホームラン(契約したこととか)」「今月の出来事」「物語」を連載のように載せる。ネタが続いているので再度名刺を渡すことができ、自己アピールできる名刺になる。さらにそこに北出さんのまんがを載せることで、名刺自体が広告媒体としての役目もすることになる
・北出さんがひとりで活動する問題点について。ひとりだと範囲が限られるので、あらかじめテンプレートをつくり、吹き出し文章だけを変える。
・技術はわからないが、まんがを3Dで表現できないだろうか。
USTチーム
・配ったけれど読んでくれないものをまんがで読みやすくする(堅→柔)
・保険の約款・防災関係の子ども用チラシ・行政の広報誌・政治家の市政報告・会員名簿
・産婦人科のママテキスト
・ネガティブなイメージものをまんがで読みやすくする(怖→楽)、入院の手続き・手術の手引き・葬儀の手引きなど。
・きっかけまんが、結婚式のウエルカムボード『恋に落ちるまで』、新商品誕生のストーリー、こだわり料理店のメニューの裏に、開業までの物語りを描き、こだわりも思いもさりげなく伝える。
・定期発行する結婚相談所の会員誌。やわらかい印象アップ&不透明なしくみを明確にできる
▲永山氏が総合ファシリテーションを務め、各発表ごとに全員で意見交換を行った
▲ustream配信&撮影を買って出てくれた
目次哲也氏
■プレゼンテーター
北出佳和氏の感想と今後の抱負
「これまで何事もひとりで決めてきましたが、職人タイプの自分には、“効率よく”とか“分担する”という視点が欠けており、そろそろひとりで考える事に限界を感じていました。
結果、自分では見つけられない視点で見て頂いたり、悩みの本質まで汲み取っていただいたり、自分がやっている事を知って欲しい角度からちゃんと理解されていたという嬉しさがあったり、持っている資源を活かして、違うアプローチ方法もあるんだという発見、などなど本当にプレゼンして良かったです。また、皆さんに『私はこうしたい』と知って頂く事も、自分のアンテナが増えたようで心強いと思いました。今後は、出して頂いたアイデアをひとつひとつカタチにしていきたいと思います!!」
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中島昭二氏作のNICe関西NEW横断幕で記念撮影。
次回のNICe関西は10月22日、秋色に染まる京都で開催!
撮影/
井居義晴氏、
北出佳和氏
ustream配信撮影/
目次哲也氏
取材・文/
山中智香氏
構成 岡部恵