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第4回NICe関東 頭脳交換会@日本橋茅場町レポート


2011年9月3日(土曜日)、東京・日本橋茅場町で、第4回NICe関東 頭脳交換会が開催された。台風12号の強風の中、東京都内を中心に、埼玉県、千葉県、神奈川県から15名が駆け付けた。

●プロローグ
まずは頭脳交換前の準備体操として、横山岳史氏によるアイスブレイク的なプチセミナーからスタート。素質統計学を用い、「人のタイプに合わせたアプローチ」と題した12の素質についてレクチャーを行った。


▲素質についてわかりやすく講義してくれた横山岳史氏

人の素質タイプは大別すると、人志向の「H」、目的志向の「E」、自由・楽しい志向の「A」の3種類に分類され、HEAそれぞれにはH(ホープ)と、R(リスク)があり、計12のカテゴリーに分類される。さらに素質には、「本質」と「表面」があり、その「本質」と「表面」がどのカテゴリーに属するかによって、その人の行動スピード、思考パターン、どのような失敗をしがちか、どのようなアプローチが効果的か、傾向が予測できるという。

横山氏は、この後の頭脳交換会でプレゼンターを務める石井英次氏と、NICe関東ではおなじみの相澤松吾氏を事例にして、ふたりの本質と表面が12のマトリックスの中でどこに当てはまり、それがどのような特徴を持つのかを解説した。「わかる、わかる!」「そうだね〜」「へーっ、意外」と、参加者から納得や驚きの声も。

この素質とは統計学であり、クレジットカードや保険会社が膨大な情報を元に分析した結果とのこと。リスクの大きな業界だからこそ、顧客の行動パターン、どのような失敗をするか、どのようにアプローチするかをデータベース化する必要性から起因し、今ではマーケティングでも活用されているという。通常のコミュニケーションの中で、どのように活用するか、横山氏はこう述べた。

「それぞれの本質と表面の素質タイプを知り、それぞれに適したアプローチをすることで、コミュニケーションがスムーズになる、アサーティブな関係になるんです。相手を知ると、会話の内容も話し方も異なってきますよね。例えば、NICeに関して、Hの人は“つながり力”という言葉に響く、Eは何をゴールにするかのという目的で響く、Aは楽しいNICeイベントに響く。商品のキャッチコピーなどでも同様に活用されています。

慣れてくると会うだけでどのタイプがおおよそわかるようになり、会話した時の反応で、さらにわかるようになります。『あれ?違うかな?』と思ったら、また別のアプローチをしてみればいいのです。そうすることで、互いにだんだん反故がなくなり、アサーティブな会話・関係が築けるかと思います。

いろんな対人シーンで少し素質タイプを意識して会話すると、ストレスなく会話できたりしますので、ぜひ活用していただければと思います。ご自分の素質タイプを知りたい方は、勉強会後の懇親会で聞いてください(笑)」
 



■プレゼンテーション



直に入庫する個人客を増やしたい!

どんなサービスを付加すればいい?

見込み客を集めるアイデアは?




▲プレゼンテーターを務めた石井英次氏


「カーライフサポートReins(レインズ)」代表・石井英次氏

プレゼンテーターの石井英次氏は、事業説明と自身のプロフィールからプレゼンをスタート。石井氏は、2007年に埼玉県桶川市で自動車鈑金塗装業「カーライフサポートReins(レインズ)」を創業。修理(板金塗装)、車検、ポリマーコーティング、福祉車両のレンタカーの取次ぎなど、車に関する各種サービスを提供している。自身も含め従業員数は2名、工場面積は40坪、工場以外の敷地面積は80坪。10月に隣接工場が退去するため、そこも借りて工場面積を80坪に拡張する予定だ。その分、固定費は上がるが、車の出入りの多さ・スムーズさを考慮し、借りることにしたという。その際に看板も新設し、顧客が迷わないようにしたいと述べた。

事業のメインは自動車鈑金塗装で、平均入庫台数は30〜40台/月。入庫8割が販売店や整備業者からの下請けで、2割が個人客からの直接入庫だ。利益率は個人客のほうが高いため、売り上げ比率でいうと、元請け業者:個人客=6:4という状況。入庫比率との相違理由は、下請けの場合は部品費用等が元請け業者持ちになるため、同じ作業でも利益率が低くなるとのこと。そのため、入庫2割にとどまっている個人客を増やすことができれば、売り上げ比率は逆転でき、雇用も増やせ、資金繰りも楽になると予測している。かといって元請け業者の顧客へアプローチはできない。そこで直接入庫の一般個人客をどう増やすかが課題だという。突破口のひとつとして、今秋からは中古車販売を開始する予定であり、また、自社の敷地内で客層ごとに絞ったイベントを開催し、知名度アップにつなげたいと述べた。今回の頭脳交換では、個人客を増やすためにどうしたらいいのか、どんなクルマ屋なら直接入庫したくなるか。どのようなイベントなら効果的か。アイデアを聞きたいと述べ、プレゼンテーションを締めくくった。



●質疑応答
・客層ごとに絞ったイベントとのことだが、どんな客層をイメージしているか?

ファミリー層(高級〜リーズナブルな輸入車、ワンボックス)、マニア層(趣味、週末に走りに行くツーリング派、痛車。カスタム)、商用車(会社ロゴ付きワンボックス)。特殊車両、大型中型、スクールバス、バイク、自転車はなし。

一番大きな客層は?

ファミリー層とマニア層

・板金塗装は、車以外でもできる? そもそも板金塗装とは?

車以外でも可能。車両の板金塗装とは、事故などでダメージを受けた車両(プラスチックや金属)の凹みを叩いて直し、塗装して、外内部部品なども交換することで、車両を修理・再生すること。事故車だけでなく、エアロパーツ、車のドレスアップも可能。

・入庫にシーズンオンオフはあるのか?

2月と7月が若干オフシーズンになる。3.11震災後はマイカー利用自粛の影響で激減した。ここ最近ようやく復活してきた。



質疑応答の後、3チームに分かれて頭脳交換をスタート。
課題はふたつ「どんなクルマ屋なら直に頼みたいか?」「個人客を集めるアイデアは?」。
ひとつめの課題についてチームごとに意見を出し合い、発表。そしてまたそれを受けて全員で頭脳交換を行った。


●課題1/どんなクルマ屋なら直に頼みたいか? 各チームのアイデア

Aチーム
・ぴっかぴかに洗車されて戻ってくる、車中もきれいになってくると嬉しい。
・その際に診断シートがもらえ、プロならではのチェックがされていて、走り方の癖やタイヤのすり減り状態などで、次回チェンジするタイミングも記載されているといい。
・「私が直したよ、見たよ!」という写真付き(農産物のように)。
・リピータのための割引チケット入り。
・エンジンの中を見て、「可愛がっているで賞」などをイラスト付きで。


・車検や点検時に、次回修理のタイミング告知サービスはディーラーにもある。
・そもそも走り方の癖など、わかるのもの?

高速道を長距離走っているのに減っていない、逆に街中ばかり走っているとヘリが早いなどがある。

・注意ポイントなどはどうか?
・事故が多い場所やエリアはわかるものか?

把握している

事故が多い場所にレインズの看板を立ててはどうか?




Bチーム

・今日はどこで食事する?という感覚で、○○なら=レインズというインプットがされていることが重要ではないか。
・キャッチフレーズをまずは考え、広告に活用する。
・電話での対応時にも専門用語は使わない。信頼、親切、丁寧をアピールする。
・修理価格などが一般的にわかりにくいので、価格も修理状況も、詳しく「見える化」してはどうか。




Cチーム

・ディーラーvs町工場の観点から、マニアック過ぎないお気軽デコをもできることをアピールする。
その実績をWebでもちゃんと見せて、職人ワザが好きな男性ファンサイトも別につくる。
・ウルトラマン風の2トーンカラーの車を見た時に、こういう塗装はディラーではなく町工場に頼みたいと思った。
・事故った時に動揺した。知っている人に電話したら「大丈夫! 持ってきて」と言われて気持ちが落ち着いた。そういう力強さに救われる。『任せとけ!』でワンスとトップで対応してくれるところがいい。
・かわいいと緊急時とセグメントが異なる。


・実際にウルトラマンカラーにしたいとの依頼は受けるか?

・可能。納期は2〜3週間、代車は無料。全体を塗装するなら20万円。

・20万円は少しハードルが高いが、もっと低価格でフロントだけならやってみたい。

・痛車はもっと高額

・ちょっと部分的にやってみたい層を狙ったらどうか。

・仕事で車を使うので、5、6万円なら塗装もいいなと思う。

・お客さんを増やすため、入り口として、お試し塗装を商品化するのはありでは?

・塗装までだと手間かもしれないが、もっと気軽なステッカーなどでも見込み客の入り口になるのでは?




▲各チームから発表されたアイデアを元に、今度は全員で頭脳交換。
展開していくアイデアを小林京子氏が箇条書きに

続いて、ふたつめの課題について、各チームに分かれ頭脳交換をスタート。



●課題2/個人客を集めるアイデアは? 各チームのアイデア

Aチーム

・Facebookのさいたま市グループはメンバーが700人を超えている。桶川市も近いので、ここで石井さんのキャラを出して、レインズを知ってもらってはいかがか。さいたま市グループの目標は1000人なので、存在を知らしめられるのでは。
・コンテストを開催する。どれだけ車を汚くしているかナンバーワン、痛車、踊る車。その中でも、一般公募で、痛いつながりで、痛い女史「イタクィーン」ならぬ、ミスレインズを決めるイベント。
・Webに女子専用をつくり、女子用のペイント車を紹介する。ソフト面をアピールする。

Bチーム

・レインズの近くにいる人に知ってもらう、エリアマーケットが重要では。
・車を半分に切って看板にする。
・ほかの修理屋さんと色がかぶらないよう、差別化させる、目立つ看板にする。
・毎週日曜日に、車と無関係でも地域イベントを開催する。ヨーヨーや野菜売りなど、交流から知名度を上げる、
・Webにもサービスを付加させ、心理テストなどで誘導する。
・工場に癒しスペースを設置する。
・車の免許を持っていても普段運転をしない人で、たまに乗りたい人がいる。ちょい乗りしたいレンタカーや、教習的なサービス、海外へ赴く前の左ハンドル練習などの講習サービス。
・車にマッサージチェアを設置し、高速道路走行の休憩時に利用してもらう。
・女性でも簡単にメンテナンスできる、その仕方を教えてもらう講座、サービスなど。
・好みのアニメキャラを送ると、Webから画面上で痛車のシミュレーションを見られるサービス。

・所有者の写真も送ると、車だけでなく、組み合わせの雰囲気もわかるのでは

・本人も着ぐるみシミュレーションが見られると楽しい。車とのアンサンブルを確認できる

Cチーム

・ボリュームゾーンであるファミリー層をターゲットに話し合った。車関連は家計を握るママ層との距離を縮めることが大事では。
・お得なカーライフプランナー。家計に直結する活用方を提供する。車のFPのような存在になり、セミナーを定期開催。
・車内の臭い、食べこぼし、ペットの毛の手入れを出張イベントとして行う。

・ママ向けセミナーは2本だてにし、車関連を1本&もう1本は主婦層好みのものにする。
・エリアマーケティングで考えると、車は女性の足になっているので、そこを狙うのが強いかと思う。作業つなぎもママの好感度がアップするような工夫をする。ワッペンだけでも印象が異なるはず。
・ママ向け、萌え系、走り屋向け、と切り替わるような看板にする。


・ペットが乗っている車、多い。

・嫌がるペットもいるが、乗せたい飼い主さんが多いのでは?

・ペットを乗せやすくする車内改造もニーズがあるのでは?

・ペットと安全にドライブを楽しめる講座とかはどうか。

・ママがターゲットなら、乗車する子どもの安全安心などを学べるセミナーもいいのでは。




▲チームごとの頭脳交換→発表→参加者全員でさらに意見を出し合っていく


■プレゼンテーターでありNICe関東リーダーの石井英次氏の感想と今後の抱負
「以前にプレゼンテーターを経験した仲間が、『NICeの頭脳交換会はアイデアのジャックポットだ!」と称していましたが、まさにその通りだと実感しました。自分ひとりでは思いつかないアイデアが、みんなで考えるとこんなにも出てくるんだなと。自分のことや事業のことを単にアピールするだけのプレゼンテーションは苦手ですが、NICeの場合は、プレゼンというよりも“相談”と思えたので、とても話しやすかったです。『こういうことやっていて、こういう問題あります』と言えばいい。今回いただいたアイデアをこれから生かしていきますが、特に、車のチェックをして納車する際、車を快適に健康に楽しむためのアドバイスをすることで、安全に対する意識をお客さんの気持ちの中に残せるようなサービスをしていきたいと改めて思いました。

もともとNICe関東では難しいことをやるつもりはなく、気楽に相談でき、みんなで解決策を探っていくことで、プレンテーターも参加者も何か得られるという思いからスタートしました。相談をすることで、プレンテーター自身の棚卸しができ、資源を再確認して、事業全体を見つめ直すことができます。そう自分自身も実感したので、今後のNICe関東では、さらに深めていきたいと思いますし、また、土曜なら参加できる、平日なら参加できる、という人もいるかと思うので、平日開催は微妙に曜日をずらしながら、土曜&平日の交互で開催していきたいと思います。まだ手探りではありますが、NICe関東はいい場になっていくと思えました。皆さんにもぜひ参加して欲しいです」




▼会場となった十字屋証券ビルの隣は、山王日枝神社の摂社。
10月12日(水)も同会場で開催するので、この神社をランドマークに!




取材・文、撮影/岡部 恵

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