増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」313号 高い高い高~い

・
──▼─────────────────────────────────
<最近の比較> 高い高い高~い
──▼─────────────────────────────────
「トイチ」とは、借金の条件として、10日で1割の利子を支払うこと。
仮に100万円借りれば10日後の返済日に110万円を返す。
もちろん、こんな高金利は違法。
それを承知のうえで貸し出す業者を高利貸しとか闇金とか呼ぶ。
こんな連中から借りたが最後、
瞬く間に返済不能に陥り、身動きが取れなくなるのは確実だ。
たとえば100万円借りて、1年間返済しない場合の元利合計はいくらか?
正解は、恐らくみなさんが想像した額よりも高いはず。
ちょっと計算してみよう。
10日後……100万+10万=110万円
20日後……110万+11万=121万円
30日後……121万+12.1万=133.1万円
以下、計算式略
100日後……258.82万円
200日後……672.75万円
300日後……1744.94万円
365日後……3254.83万円
どうだろう。元利の合計が3200万円を超えるなど予想できただろうか。
「トイチ」とは、要するに年利3000%以上の貸付のこと。
こんな話を聞かされたあとに、
「その点、銀行や日本政策金融公庫の年利は1~3%台。
しかもほとんどのケースが単利だから(闇金は複利)、
仮に100万円借りたら1年後の返済額は101万~103万円程度で済む」。
そう言われたら、銀行や公庫の利子がものすごく低く感じられるはずだ。
それどころかビジネスローンですら高くても年利9%くらいだから、
1年後の返済額は最高でも109万にしかならない。
100万円借りて、かたや3254万円、こなた101万~109万円!
冷静に考えれば、金融機関融資やビジネスローンの金利が低いのではなく、
「トイチ」の金利が、天文学的に高すぎるだけの話である。
しかし、赤ちゃんの抱っこの如く、「高い高い高~い」と言い続けて、
その後に、ガクンと下がる金額を示した場合、多くの人はお得だと感じる。
みなさんのビジネスでも活用可能な料金交渉テクニックだと思う。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第313号(2025/4.7発行)より一部抜粋して掲載しました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━