第5回 突然の歩行困難で引退宣告。5年間の闘病& 克服経験を活かし、患者目線の伴走サービスで邁進

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「起業は、し続けるもの。先輩たちのNICeな挑戦」
第5回 突然の歩行困難で引退宣告。5年間の闘病&
克服経験を活かし、患者目線の伴走サービスで邁進
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起業することはゴールではなく、そこからが始まり。
出現する問題や予期せぬ出来事を乗り越えて、
一歩また一歩と、ステップアップしていくのが起業家の道。
そんな先輩たちの挑戦から学ぶシリーズ。
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井口由紀子さん 1991年起業、2001年法人化
東京都
2012年設立 一般社団法人変形性股関節症と正しく向き合う会
代表理事
http://kokansetsu.or.jp/
変形性股関節症で悩むアナタためのブログ
http://henkeisei-kokansetsu.com/
https://ameblo.jp/universal-y-net/
株式会社ユニバーサル・ワイ・ネット
代表取締役
http://www.universal-y.net/
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ユニバーサルデザインをテーマに事業展開してきた井口さんは、
2007年のある日、突然の激痛に見舞われ、歩行困難に陥った。
医者からは、変形性股関節症と診断され、
「歩行は控えて。仕事もやめたほうがいい」と告げられた。
起業家の道が閉ざされるショックと、
あまりの痛みで、目の前が真っ暗になったと言う。
だが、井口さんは諦めなかった。
鎮痛薬や湿布に頼らず、試行錯誤で闘病を続け、
発症から5年後、ようやく納得のいく名医に出会い、
人工股関節全置換の手術を受ける。
そして、再び立ち上がり、起業家として新たな道を拓いた。
自らが渇望した、「変形性股関節症と正しく向き合う会」を立ち上げ、
徹底した患者目線で、同症の人たちのサポート事業を広げている。
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「発症した当時は、すがる思いでネットを検索しました。
この痛みを何とかしたい、起業家人生を終わらせたくない。
そのために、希望や勇気を得られるような、
頑張ろうと思えるような、患者発信の体験談や具体的な情報が欲しかった。
けれど、実体験を伝えるような患者目線の情報はなく、専門の医学文献ばかり。
この病気とどう向き合えばいいのか、保存なのか手術なのか。
手術を受けるにしても、どういう医者、病院がいいのか。
手術の前後、リハビリ、退院後の生活や仕事、
痛みや不安の対処法、もろもろの感情や思い。
なるべく前向きに闘病生活を送りたい、でもどうすれば?
体験者に聞きたいこと、相談したいことが山盛りでした。
患者の会もひとつは見つけたものの、WEBで見ると後ろ向きで、
私が望むようなコミュニティとは思えませんでした。
患者の受け皿がどこにもない、ならば、自分で!と、
手術した年に、一般社団法人を設立しました。
5年間の闘病経験を無駄にしたくない、活かしたい。
私が体験し、得た知識や情報、ノウハウを惜しみなく発信して、
サポートしていこうと思ったのです。
とはいえ、当時の私はwebスキルもなく、メールしかできませんでした。
模索しながら、地道にコツコツと、週1、2回のプログ、
SNSやメルマガ、そのうち、動画も配信するように。
情報発信以外にも、闘病中に、マッサージ指導をしてくれた専門家と、
股関節の痛みを和らげるアロマクリームを共同開発していたので、
そのクリーム&マッサージを行うメディカルアロマケア体験会、
個別相談など、少しずつ活動を増やしました。
ただ、時には、詐欺まがいの人や、
患者たちを狙う、悪意ある医療関係者が寄って来たりと、
始動してから初めて知る、業界のブラックな面に驚くことも。
逆に、いい出会いもあって、ITに精通した起業家仲間に、
発信アドバイスを貰ったりと、信頼できる輪も少しずつ広がってきました。
私の執刀医は「退院する時、もう杖は卒業!」という方針で、
入院中に、安心安全な環境とスタッフ陣に見守られて、
徹底したリハビリをすることができました。
その一方、手術数優先で、術後のリハビリやケアを
ないがしろにする病院も少なくありません。
患者にとって、手術はゴールではなく、スタートなのに、です。
特に専門家の指導のもとで行う、筋肉強化トレーニングのリハビリと同時に、
運動をしたら股関節ケアを行うこともとても大事なのです。
このセットの重要性をしっかりと伝えねばと思い、
2019年から、柔道整復師と提携して、両輪のリハビリプログラムも提供しています。
結果を必ず出す!が私のモットー。
しかも、ただのリハビリサービスとは違って、
とことん伴走型で、効果は大、と自負しています。
たとえば、「岩山に登りたい!」というような夢や、
その方の人生にまで踏み込んで、実現へ向けてサポートしています。
おひとりおひとりに、深く、濃く関わるので、
それだけ時間もパワーも要しますが、
やり甲斐も喜びも格別。顧客数だけでは測れませんね。
コツコツと少しずつ、深化してきて今に至りますが、
これからも、患者目線を貫きながら、進化させていきます」
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あなたの挑戦を応援しマッスー☆
ワンポイントガイド
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「友人・知人のなかで、誰が一番アクティブか?」と問われたら、
間違いなく「井口由紀子さんだ」と私は答えます。
そもそも彼女と最初に出会ったのは、
とある異業種交流会が開催した、熊本県での集まりの場でした。
私はその交流会で講演を依頼されていたので、
熊本へお邪魔することは当たり前ですし、
翌日には熊本城ツアーなども組まれていて、大層楽しい旅行でした。
ところが井口さんは、交流会当日も翌日も予定が詰まっていたため、
私の講演会が終わった夜になってから熊本に到着し、
短い時間、私や仲間と交流しただけで、
翌日もツアーに参加することなく、朝の飛行機で帰京したのでした。
普通、そういう状況なら遠隔地の集まりなどに参加しませんよね。
「すごい人だ」と思いました。
その後、別の交流会に出かけると、そこにも井口さんが。
「起業したばかりなので、勉強と人脈作りに励んでいる」と。
本当に行動派だと、舌を巻きました。
ところがほどなくして、
誰よりも動き回る井口さんに病魔が襲いかかります。
変形性股関節症が進行してしまったのです。なんてことだ……。
しかし、彼女は挫けませんでした。
挫けないどころか、その経験に事業機会を見出し、
猛烈なチャレンジを繰り広げていきます。
私も井口さんのように、目的に向かって果敢に動ける人間だったら……、
そう思ったことも一度や二度ではありません。
ですが、やはり私は応援団タイプ。
ひとつの事業にとことんのめりこめない私だからこそ、
「一所懸命」に活動に取り組む井口さんを応援したいし、
応援し続けねばと思うのです。
(ますだ)
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「つながり力で起業・新規事業!」
メールマガジンVol.229
(2025.4.11配信)より抜粋して転載しました。
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