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第1回 自分が暮らしたい場所で、好きな仕事を。 幸せな働き方・生き方を基に、フルリモートワークを決断



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「起業は、し続けるもの。先輩たちのNICeな挑戦」

第1回 自分が暮らしたい場所で、好きな仕事を。
幸せな働き方・生き方を基に、フルリモートワークを決断

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起業することはゴールではなく、そこからが始まり。
出現する問題や予期せぬ出来事を乗り越えて、
一歩また一歩と、ステップアップしていくのが起業家の道。
そんな先輩たちの挑戦から学ぶシリーズ。

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 西尾 望さん 2010年設立 
 北海道札幌市・東京都千代田区
 
 トラックスアンドストアーズ株式会社 代表取締役
 https://tracks-stores.co.jp/
 
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コロナ禍によって、世界的に余儀なくされたリモートワーク。
日本では、5類に移行された2023年5月以降、
多くの企業で、オフィス勤務に回帰する動きが主流となった。
しかし、逆に、あえてフルリモートワークを決断したのが、
デザイン会社を経営する西尾さんだ。
自らアートディレクター、デザイナー、
時には講師としても活躍し、スタッフらと共に、
企業や商品のブランディング、プロモーションツールの企画制作などを手掛けている。

「会うのはいい、問題なくいいです。
リアルコミュニケーションに勝るものはないと思っているのは確かです」と言う西尾さん。
なのになぜ、フルリモートワークを選択したのか。

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もともと、僕は、コロナ以前からリモートワークです。
16年前に、勤めていた東京のデザイン会社を退職する時、
とにかく、北海道へ帰ろうと思っていました。
しばらくフリーランスのデザイナーとして、
東京で打ち合わせや撮影立ち合いなどをして、北海道へ戻る、
というように、2拠点を行き来するようになり、
暮らしは北海道、仕事で東京へ、というスタイルが定着しました。
自分が暮らしたい場所に住んで、自分がやりたい、好きな仕事をする。
この働き方・生き方が、とても合ったのです。
後に、会社を起こして、スタッフを雇用してからも変わらず、
さらに結婚して、子どもが生まれてからはなおこのこと。

ですので、僕自身、リモートワークに慣れていましたし、
ウチの会社のメンバーたちも、僕と電話やスカイプで
コミュニケーションを取ることに慣れていました。
ただ、自分たちがリモートワークをすることには抵抗があったようです。

実は、コロナ前から、
『リモートにしていいんだよ』と、薦めていたんです。
子育て中のパパやママのデザイナーもいるので。

それに、僕たちデザイナーの仕事は、いわゆる9時5時の仕事ではないので、
コロナ前から、裁量労働制にしています。
何より、ひとり、仕事に集中するのが好きな職種ですしね。
けれど、『出社したほうが仕事の効率がいい』
『先輩もいて、みな出社しているから』と、
何かしらバイアスがかかっているのか、乗り気ではなかった。
リモートのビジョンはあったけれど、無理強いもできず、
推奨するまでには至りませんでした。

それが、コロナで否応なくリモートワークになったわけです。
僕としては、ウチからひとりたりとも感染させるものか!と、
議論も何もなく即実施しました。

最初の頃は、『出社したい』と戸惑うメンバーもいましたが、
慣れてくると快調のようでした。

ただ、ネックは、コミュニケーションが希薄になる、これに尽きます。
ですが、面白いというかありがたいことに、僕からの提案ではなく、
メンバーからのアイデアで、毎朝10時に、ネットで雑談会をしています。
強制ではないし、仕事の話はせず、本当の雑談を30分くらい。
仕事の会議は週1会議や、個別に必要に応じてそのつど。
加えて、今年から、リアルに集うイベント会も始めました。
これもメンバーからの提案です。

もうひとつ課題は、職場、という共有空間がないこと。
職場は、同じ空間にいるだけで、自動的に学び合える、
新人育成にとっても大きい意味がある空間です。
例えば、先方との何気ない電話対応や、言い回し、言動、
デザイナーとして、社会人としての所作も含めて。

逆に、出社スタイルに戻した場合のデメリットもあります。
フルリモートワークに転換した最大の理由、
いかに優秀な人材を確保し、働きやすい環境を提供できるか、です。
子育てをするメンバーも増えてきて、
経営者としては、この優秀な人材を手放したくはありません。
出社に伴う、時間の拘束や物理的・距離的制約が、
子育ての妨げや負担増になり、
好きな仕事・職場でありながらも、転職や離職をせざるを得ない。
そんな状況は何としても避けたいのです。

東京のオフィスはまだそのまま置いてありますし、
今後も、リモートという形にこだわらず、
より良い形を模索し、考え続けていきたいです。

今、改めて、僕はスタッフに恵まれているなぁと。
社内の関係性が希薄にならいよう、みんなで自主的に努めてくれるし、
何よりも、リモートワークは、信頼できないと成立しない働き方ですよね。
僕や他の人の目、監視がなかろうが、みんな一生懸命、仕事をしている。
こんなに信頼できる、素晴らしいメンバーに恵まれている僕は幸せです。


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   あなたの挑戦を応援しマッスー☆
      ワンポイントガイド
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農業の6次産業化という言葉があります。
生産者自身が加工や販売までを手がけるという意味です。
私は東日本大震災後の福島県で、この取り組みを推進していました。
当然、完成した食品にはパッケージが必要になります。

それを誰にデザインしてもらうか。
すぐに、西尾さんに頼もうと思いました。
ですが、当時の西尾さんは、食品パッケージの制作は未経験。
なのに、なぜ? 

彼は人並みはずれた理解力とコミュニケーション力、
そして新しいことに取り組む強い意欲の持ち主だからです。
そんな彼なら絶対にものにしてくれると思いました。
結果、想像以上の成果を挙げてくれました。

彼は「やりたいことをやるための努力を惜しまない人」です。
だから、彼が全社フルリモートを決断・実行したことも合点がいきます。

そのうえで、余計なお世話かもしれませんが、
東京のオフィスの賃料が気になります(笑)。

追い求める姿とコストとの関係をうまくコントロールして、
さらに経営者としてステップアップを図ってほしいと願っています。
そのための応援、大いにさせてもらいマッスー!
(ますだ)
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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.215
(2024.8.13配信)より抜粋して転載しました。
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