第3回 印刷業界の黒子が、特殊技術を活かして 自社オリジナル製品の開発&ネットショップ展開へ
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「起業は、し続けるもの。先輩たちのNICeな挑戦」
第3回 印刷業界の黒子が、特殊技術を活かして
自社オリジナル製品の開発&ネットショップ展開へ
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起業することはゴールではなく、そこからが始まり。
出現する問題や予期せぬ出来事を乗り越えて、
一歩また一歩と、ステップアップしていくのが起業家の道。
そんな先輩たちの挑戦から学ぶシリーズ。
今回は、2代目です。
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野田哲也さん 1977年創業・2015年承継
愛知県名古屋市
太美工芸(たいびこうげい)株式会社
代表取締役
https://tree.taibi.nagoya/
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父親が創業したスクリーン印刷専門会社を継ぐことを決意し、
大学卒業後、同業他社で6年間の修業を経て、家業へ入った野田さん。
2代目を継ぐ前から、特殊印刷ならではの技術力と職人たちの技に、
安座することなく、さらに広めたいとの想いがあった。
スクリーン印刷が様々な製品に活用できることを知ってもらうため、
『スクリーン印刷丸わかりブック』を作成して顧客に配布。
また、PRツールとして、自社初のオリジナル製品『必勝だるま色紙』も商品化させた。
その行動力と経験が次につながったのが、
コロナ禍の影響により売上激減となった2020年。
特殊印刷の技術をフルに活かし、
「世の中の不満やお困りごとが、少しでも解決できる商品づくりを」と、
オリジナル製品の開発およびネットショップでの販売に注力。
コンクリやアスファルト用、再剥離タイプのソーシャルディスタンスのステッカー、
置き配ドアノブプレート、インターフォン押さないでマグネットなど
社員のアイデアや消費者からの要望を次々に形にした。
コロナ禍の影響が収まってからも、手を緩めることなく、
新商品を開発販売し続け、2024年には対面販売のマルシェにも挑戦。
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「コロナ禍で売上が激減した時は、
とにかく今できること、すべきことは何か、考えました。
当社は顧客の営業さんが他社から受注して
お仕事を回してくださる、いわば下請け企業。
その営業さんがさぞ困っているだろうなぁと。
だから当初は、自社製品をつくって売ろう、というより、
このご時世ならではの話題性で、
営業さんが顧客にコンタクトしやすい商品を、と。
うちのリスクは、材料棚から材料がなくなるだけ。
だからやってみよう!と社員たちにも話しました。
ネット出店料は、いわば広告宣伝費のつもりで。
ですが、もとが黒子企業ですから、いざ始めると、
エンドユーザーにモノを売るプロセスはこんなにあるのか!と学ぶことだらけ。
そんな中、トヨタ自動車さんから、
同社のプロボノ研修の受け入れ企業に選んでいただいたことは、大きな力になりました。
コロナ禍で、「とにかく今できること」を積み重ねていたら、
当社を「コロナで打撃を受けている地域中小企業」に選んでいただき、
トヨタさんの3名の社員が3カ月間、
ネットの販路開拓へ向け、共に動いてくれたのです。
大企業ならではのスピード感やコミットメント力は、
実に大きな学びであり、刺激であり、推進力となりました。
まだまだ僕らが知らないこと、やっていないこと、
それはイコール、まだできる、改善できることなのだと気付きました。
コロナ禍が落ち着いても緩めず、前進を続けているのは、
コツコツ撒いてきた種がまだあるし、できることがまだまだある、
半歩先へ、一歩先へ、さらに領域を広げていきたいからです。
ネットショップが、コロナ禍という窮地の突破口になった、
というよりも、開眼したという感じでしょうか。
それに、当社は地域に根ざした街の工場なので、
地域のお役に立てる存在でありたいし、
スクリーン印刷とその職人技を次世代へ、という役目もあります。
何より、僕が、例えば修学旅行やバス旅行で、
一番最初には寝たくない性分というのもありますし(笑)。
まだまだ面白くなる、面白くしていくぞ、的な。
これからも、土台・基礎である、特殊印刷の街工場を守り、
その上に、ネット事業を柱にして建物を強固にし、
さらにその上の屋根に、金のシャチホコのように輝く自社製品を!
そんな城づくりをイメージして進んでいくつもりです。
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あなたの挑戦を応援しマッスー☆
ワンポイントガイド
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「誠実な人物」と「野心家」。
一般的には対照的な人物像ですが、
そのどちらにも当てはまるのが野田さんです。
誠実な人物だからこそ、経営者としての使命追求に貪欲だし、
野心家だからこそ、目標達成に対して真摯である。
そういうことなのかもしれません。
いずれにしても、野田さんは小規模企業経営者としての資質を十分に有し、
その力をいかんなく発揮している人物だと私は感じています。
コロナ禍が広まる前でした。
お父上から社長の座を譲り受けた当時、
あれこれと新しいことに挑戦する野田さんが少し心配で、
わざわざ顔を合わせて、「頑張りすぎるな」と伝えたことがありました。
今となっては杞憂……どころか、私が甘チャンだったとさえ思っています。
その「頑張り」があったからこそ、コロナ禍を突破できたし、
ポストコロナの躍進の原動力にもなったわけですから。
そのパワーはまだまだ衰え知らず。
今後はBtoB、BtoCの双方で事業展開をしつつ、
その相乗効果をも獲得して一段と成長を遂げることでしょう。
もっとも時代はどんどん進み、市場の様相も急速に変化します。
それに対応するため、
NICeの仲間たちが持つ知恵と情報をフル活用してもらえればと願っています。
(ますだ)
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「つながり力で起業・新規事業!」
メールマガジンVol.222
(2024.12.11配信)より抜粋して転載しました。
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