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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」277 繰り返しの効用 



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<最近の喝!> 繰り返しの効用
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都市部に暮らす人には馴染みが薄いと思うが、
全国の市町村に農業委員会という組織がある。

農業委員会の活動内容は省略するが、
8月末から9月頭に掛けての6日間、私は福島県内6か所を訪ね、
それぞれの会場に集まった農業委員たちに対し、
「頭脳交換会の進め方を実地で学んでもらう研修」を行った。

実にやりがいのあるテーマだが、
1日3時間立ちっぱなしでの進行が毎日続く。
しかも、同じ講義内容と同じテーマでの頭脳交換会を、
連続的に計6回も行うのである。

正直、心配だった。

まずは体力が持つのかと。
ついでに言うと、3時間立ちっぱなしの前後は、
片道2時間以上のクルマの運転が待っている。

だが、体力以上に気になったのが、
「飽きるんじゃないか」という予感だった。

頭脳交換会を始めてかれこれ15年になるが、
来る日も来る日も同じテーマで頭脳交換会を進行した経験などない。

「ほんと、大丈夫かなあ」と思っていたのだが、
実施直前になって、自分を鼓舞するいいヒントが浮かんだ。

「そうだ。お芝居だと思えばいいんだ!」。

演劇の公演は、同じ内容を毎日繰り返しているじゃないか。
役者たちが「飽きた」などと言っているのも聞いたことがない。

きっとそこには、同じことをしているようでも、
毎回違う何かとの遭遇があるのだろう。

ならば私も、日々入れ替わる観客(農業委員)を前にして、
頭脳交換会の進行役を演じ切ればいいんだと。

心構えができると、ことはうまく運ぶ。

「頭脳交換会のテーマ1と2の時間配分を明日は入れ換えよう」。
「今日は山の近く、明日は海のほうだから、ツカミのネタを変えよう」。
「ここの説明は全員が集中して聞いていたから、明日はもっと強調しよう」。
などなど、改善点がくっきりと浮かんでくる。
同じことをやるのだから、どこをどういじればいいか、一目瞭然なのだ。

そう考えると、お芝居に限らず、
例えば餃子専門店とか、ビーチサンダル専門店とか、
同じ価値をずっと提供し続ける商売が少なくないことに気づいた。

彼らも飽きてはいないだろう。
むしろ、好きな仕事を繰り返すことで、習熟し、意識も高まり、
よりハイレベルな改善にも取り組めるようになっていくはずだ。
要は、極める。

そして極めた人は、本当はまだまだ極めていないことを悟り、
さらなる高みを目指して、魂と技能とに磨きをかけていく。

それがプロの生き方だと気づかされた。

「飽きるんじゃないか」。
そんな、くだらない心配をしていた自分に、喝! である。

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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)に、
NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さんへ、
感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜んなるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第277号(2023/9.14発行)より一部抜粋して掲載しました。
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