vol.181【増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」第48回 顧客に行動させる小売業】
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Vol.181 2023.2.13
つながり力で起業・新規事業!メールマガジン
起業支援ネットワークNICe https://www.nice.or.jp
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このメルマガは、NICeの活動に参加された方々、
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【1】シリーズ増田紀彦の
「ビジネスチャンス 見~つけた」
第48回 顧客に行動させる小売業
【2】先輩経験談
あるある!ピンチ&リカバリー
第41回 髙橋光二さん(神奈川県)
【3】お知らせ1 2月26日(日)開催
N-1震災復興支援 特別講演
【4】お知らせ2 クラウドファンディング応援お願い
みんなが幸せになる新しい時代の働き方
「週2正社員」を広めたい!
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増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」
第48回 顧客に行動させる小売業
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東京都目黒区にある私の自宅の最寄り駅は、東急東横線学芸大学駅。
目黒区は東京23区中、もっとも女性人口比率が高いエリアであり、
学芸大学駅には急行列車が停車することもあって、
駅を挟んで東西に延びる商店街には、華やかな店舗が多く並ぶ。
だが、その賃料は決して安くない。
駅周辺店舗の今年1月の平均坪単価は2万9000円。
ちなみに、学芸大学駅から2km程度の場所にある三軒茶屋の場合、
駅周辺の平均坪単価は3万6000円とさらに高い。
確かに学芸大学は三軒茶屋より安いが、それでも30坪の店舗を借りたら、
月々の家賃は87万円にもなる。
業種にもよるだろうが、これだけの賃料を収めて、
利益を残せる店舗がどれだけあるだろう?
結果、学芸大学にしろ、三軒茶屋にしろ、
商店街のメインストリートには、フランチャイズチェーン店が陣取り、
駅から離れた場所や脇道沿いに、10坪以下の個人商店が並ぶ。
こういう住み分けは、おそらくほかの人気エリアも同様だろう。
また、商店街の顔ぶれを見れば、過半数が飲食店で、
残りはドラッグストア、調剤薬局、歯科、マッサージ、整体、
ヘアサロン、スポーツジム、パチンコ店、不動産店、リペア……。
そしてスーパーとコンビニと100均、そんな具合だ。
つまり、小売業の店舗開業を考える人にとって、
高額の賃料を支払わなければならない人気商店街という立地は、
資本力十分の企業を除けば、もはや魅力的とは言えなくなっている。
実際、小売業の主流はオンラインに移行しているが、
コロナ禍を経て、家電やアパレル、日用雑貨や食料品などの業種でも、
オンライン利用者が一挙に増加し、その流れは定着しつつある。
消費者の志向(嗜好)と、実店舗のコスパを考え合わせれば、
リアル店舗よりオンラインショップを選択する経営者が増えるのは、当然だ。
だが、この「当然」が曲者である。
多くの人が「当然のことと」オンラインにこぞって進出すれば、
競争はますます激化する。
しかもオンラインは、いとも簡単に価格を比較される特徴がある。
薄利多売を基本とする戦略を確立できなければ、
厳しい競争を勝ち抜くことは困難なのがオンラインマーケットだ。
こういう土俵で、新規出店者が先輩ショップに伍すことができるのか。
厳しい道のりだろう。
結局、人気商店街の賃料は高い。
だが、オンラインは競争が厳しい……。
では、どうすればいい?
もう一度、前半に記した商店街に多い業種を思い起こしてほしい。
スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどの大型店以外は、
店内で、顧客が「買う」以外の何らかの行動を取る業種である。
「飲む・食べる」「集まる・話す」「診療や施術を受ける」「相談する」、
「癒される」「美しくなる」「鍛える」「遊ぶ」「探す」「直す」など。
整理すると、消費者は商品を購入するだけならオンラインを活用し、
何らかの行動を要するのなら、商店街の店舗に出向く。
であれば、小売業店舗も商品を展示・販売するだけでなく、
顧客に、「何らかの行動を取ることの合理的な価値」を提供すれば、
利用者の多い人気商店街の実店舗を主戦場とする道も開けてくる。
例えば、「教室併営スタイル」。
フラワーショップなら、フラワーアレンジ教室。
カフェなら、珈琲豆の焙煎教室やコーヒー抽出教室。
靴屋なら、靴の磨き方教室や美しい紐の通し方教室。
魚屋なら、魚介のおろし方教室や目利き教室。
八百屋も目利き教室はできるし、食材の保存法教室もできる。
電気屋なら、家電の設置法教室や節電教室もいい。
ブティックなら、コーディネート教室や服の手入れ・収納法教室。
家具屋なら、インテリア教室や家具の管理・補修技術教室。
挙げればいくらでもある。
つまり、どんな業種の店舗でも、
その道のプロの技術や知見を消費者に伝授できるのである。
逆に言えば、それらを教えられないレベルの店舗なら、
そもそも、その店は二流店ということになる。
もちろん教室だけではない。私の行き付けの店の話をする。
福島県の会津若松市には、店舗の裏で坦々麺屋を営む精肉店がある。
秋田県の横手市には、居酒屋を営む鮮魚店がある。
茨城県の水戸市には、フルーツパーラーを営む果物店がある。
そして私の地元・学芸大学駅の真ん前には、レストランを営む八百屋がある。
だが、教室や飲食店の併営は、もはや常識の範囲だろう。
もちろん、これらにチャレンジしてもいいが、
前述した「遊ぶ」「直す」「癒す」などなどの価値を提供する併営業態も、
十分に開発可能なはずだ。
ぜひ、アイデアを練ってみて欲しい。
各地の商店街の行く末が案じられている。
店舗所有者や組合は、ただ、家賃を取れればいいなどと考えず、
「顧客に行動させる店舗」の誘致・支援をお願いしたい。
衰退を避けることこそが、店舗の不動産価値にも直結するのだから。
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「先輩経験談 あるある!ピンチ&リカバリー」
第41回
スケジュールの記入ミスで取材をダブルブッキング。
深謝するも時すでに遅し!日時は指差し確認で複数回チェック
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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、
始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。
そんな「起業あるある!」事例から学ぶシリーズ。
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髙橋光二さん 2000年独立
神奈川県川崎市
髙橋光二制作事務所
http://takahashikoji.jp/
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会社員時代は企業の新卒採用広報誌の制作をはじめ、
クリエイティブディレクターや雑誌創刊の編集長も務めた髙橋さん。
その経験とキャリアを活かし、独立後は制作事務所を立ち上げ、
Webサイト、雑誌、業界紙など、記事コンテンツのライティング、
編集・企画、ディレクションを手掛けている。
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「それなりに失敗はいくつかありますが、ストーリー性がないのですよ。
というのは、失敗した!→相手に詫びを入れた→
そこからの仕事が来なくなった→はい、オワリ、だからです。
それでも、『こんな失敗を人はするものなのだな』と、
どなたかの励みや教訓にでもなれば幸いです」。
「ライターなので、いろいろな取材先にお邪魔しますが、
その日は、下町の有名な甘味処を取材していました。
取材中は、もちろん携帯電話をマナーモードにしています。
その時、やけに電話がかかってきているな、と思ったんですよ。
でも、取材中ですから応答するわけにもいかず。
数時間後に取材を終えて、履歴を見たら、
同一人物から何度も何度も着信が。
良く知っているプロダクションの編集者で、
僕に連載もののインタビュー記事を依頼してくれている人でした」。
「そろそろ次の取材日が近かったので、変更かな、何だろう、と
折り返し電話をしたら、大激怒しているんです。
『今どこですか、何してたんですか!○○さんの取材だったのに!』と
ええええ?!
僕もびっくり。
あわててスケジュール帳を見たけれど、別の日付でちゃんと書いてある。
確認のために、依頼時のメールを見てみたら、あ、確かに……今日だ。
スケジュール帳に記入する時に、
どうやら間違えてしまったらしい、もう真っ青です。
やってしまいました、ダブルブッキングを」。
「とにかくすぐにお詫びに行かねばと、もう一度電話して、
『これからお詫びに行かせてください』と直立不動で深謝しました。
けれど、『もういいです』とガチャリ。
取り付く島もない。
その取材は、クライアントの部長さんも同席する特別なものでした。
来るはずのライター(僕)を散々待った挙句、
どよんとした雰囲気の中で、もう待てないと、その編集者が、
針のむしろ状態で僕の代わりに取材を代行したようです。
それっきり、連載の仕事は僕の元からさようなら、でした」。
「以来、取材日の間違いは絶対しないよう、
スケジュール帳に記入する際には、
依頼メールと手帳を交互に指差し確認して、何度も確かめています。
取り返しのつかない失敗なので、トラウマにもなりました」。
「そのもやもやが、ようやく薄まったのは6、7年後、
当時のその一件の担当者だった編集者が転職し、
別の会社の編集者として、僕に仕事をオファーしてくれたのです。
驚きました。まさか連絡をくれるとは!
もちろん、過去の件を詫びましたが、
ありがたいことに、『もういいじゃないですか~』と。
さらにその数年後、一件を知っているはずの
ほかの編集者からも、仕事の依頼をいただきました。
あぁ、ブラックリストに載らずに済んだのかな~、時間薬の効果かなと。
おかげでトラウマもようやく消えました。
今はさすがに、手帳を前にして指差し確認こそしていませんが、
それでも、スケジュールは何度も確認と、常に心の中で自分に言い聞かせています」。
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あなたの挑戦を応援しマッスー☆
ワンポイントガイド
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NICe会員の中には、私と10年、20年、30年と、長く
お付き合いをしてくださる方がたくさんいますが、
今回登場してくれた髙橋光二さんは、間違いなく最
古参。かれこれ40年近くのお付き合いです。かつて
は気鋭の若手ディレクターだった光二さんも、今や、
押しも押されもせぬ好好爺(笑)。でも、仕事に向か
う真摯さは、今も昔もまったく変わりません。元来、
クリエイティブ畑の光二さんですが、勤務時代には
長く管理職も務めていました。どんなミッションで
も力を尽くす姿を見て、立派な社会人だと心に沁み
たものです。そんな光二さんだからこそ、今回のエ
ピソードは強く刺さりました。要は、誰でも大失敗
をするものなのだと。しかも、ささやかなミスが、
手痛い失態につながってしまうことも再認識しまし
た。実のところ、私はスケジュールミスをよくやら
かします。なぜ、私は同じミス何度もおかすのかと
考えると、光二さんの指差し確認のように、失敗後、
それを繰り返さないための改善措置を講じなかった
からだと気付きました。ああ、いい年をして、また
また光二さんに教えを受けたカタチです。恥ずかし
いやら、ありがたいやら。「同じ失敗を繰り返さな
いための打ち手」。これを得て初めて、失敗はよい
経験になると心得ました。(ますだ)
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お知らせ1 N-1グランプリ2023
2月26日(日)13時~14時
NICeプレゼンツ 震災復興支援特別講演
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2月24・25・26日に名古屋市で開催されるN-1グランプリ2023。
26日(日)13時から、NICe増田代表&小林理事による特別講演が行われます。
事前入場申込で入場料は無料、ふるってお越しください。
講演テーマ:「震災被災地から、SDGs発信地へ!」
あの3.11から12年。
福島県の起業事例に学ぶ、持続可能ビジネスの視点と可能性
事前予約お申込みはこちらから
https://ws.formzu.net/dist/S69998146/
N-1グランプリ2023 詳細はこちら
/archives/52722
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お知らせ2 応援&シェアお願い
2月13日スタート クラウドファンディング
「みんなが幸せになる新しい時代の働き方
『週2正社員』を広めたい」
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一般社団法人中小企業事業推進機構・代表理事 平井良明さんを中心に、
社労士・キャリアカウンセラー・人事の専門家などが結集し
スタートした『週2正社員』プロジェクト。
本日2月13日、「みんなが幸せになる新しい時代の働き方
「週2正社員」を広めたい」と題して、
クラウドファンディングを始動しました。
応援およびシェアによるご声援のほど、
どうぞよろしくお願いします。
詳細はこちら
https://camp-fire.jp/projects/view/646666
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┃ ┃ ┃ ┃ ┃編┃集┃後┃記┃ ┃
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先輩経験談に登場いただいた光二さんは、
ダブルブッキングが発覚した日、
東京の有楽町駅で、人目も気にせず、
深々と頭を下げて電話でお詫びをしたそうです。
「ついついうっかり」は、誰にでもあることですが、
どんな状況でも、やってしまったと気づいたら、
光二さんのように誠心誠意、相手から見えなくても深謝する、
そう出来る人でありたいです。
また逆に、被ってしまったのなら、水にさぁーと流して、
励ましの一言二言かけられるような人でありたいですね。
次号のNICeメルマガ「つながり力で起・新規事業!」は、
2月21日頃の配信予定です。
(NICe広報・岡部)
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増田紀彦代表およびNICe会員への講演・取材
依頼は
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