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vol.170【増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」第43回 チバリョー 沖縄!】



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Vol.170            2022.8.12 
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起業支援ネットワークNICe https://www.nice.or.jp

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このメルマガは、NICeの活動に参加された方々、
またはNICe代表理事・増田紀彦と名刺交換をされた方々、
および全国の起業家、経営者、農林水産事業者、起業・創業希望者、
地域振興関係者、中小企業支援・創業支援機関、一次産業支援機関の方々へ送信しています。

  ┃目┃次┃ ┃ ┃ ┃ ┃ 
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【1】シリーズ増田紀彦の
  「ビジネスチャンス 見~つけた」
  第43回 チバリョー 沖縄!
  
【2】先輩経験談 
   あるある!ピンチ&リカバリー

  第36回 樋口 徹さん(新潟県十日町市)
 
     
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増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」

    第43回 チバリョー 沖縄!
 
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『徹子の部屋』に、ガレッジセールのゴリさんが出演していた。
黒柳さんの質問への受け答えが見事で、
たまたま見た番組だったが、思わず最後まで聞き入ってしまった。

沖縄の風習や文化、第二次大戦末期の沖縄戦、
そして沖縄と本土の違いなどの話題を、
短時間の番組の中で、過不足なく、かつ、わかりやすく話してくれた。

そんな彼の話の中で、「ああ、確かにそうだった」と思ったのが、
本土復帰間もない1970年代頃の、
本土の人間の沖縄県民を見る目の冷たさについてだ。

いや、ゴリさん自身は「冷たい」などとは一言も言っていない。
彼は、「本土に行くと肩身が狭かった」と表現していた。

そんな沖縄県民への冷たい視線が解消されたのは、いつのことだろう?

ゴリさんは言う。
「具志堅用高さんが世界チャンピオンになり、
安室奈美恵さんたちが活躍するようになって、
本土の人の沖縄を見る目が変わってきたと感じました。
そして、沖縄が観光地として注目され、来島する人が増えました」と。

そのとおりだと思う。
南の沖縄県は、今や北の北海道と並んで、国内屈指の観光地だが、
沖縄県の観光業が主要産業になったのは、比較的最近の話なのだ。

それゆえ、沖縄県の観光業は急成長産業であり、
そのためにいくつも課題を生み出してきたのも事実。

貴重な自然の破壊につながる開発も繰り返されてきたし、
島外から押し寄せる観光客が残すゴミ処理も大変な問題だ。
また、ハイシーズンには、
多くのレンタカーが走り回るせいで渋滞を引き起し、
その解決のため、度重なる新道路建設も余儀なくされてきた。

ちなみに沖縄県の主要産業は「基地」「公共工事」「観光」で、
これらの頭文字を取って「3K」と呼ぶが、
米軍基地や公共工事に依存しない経済を模索するほど、
やはり観光業への期待は膨らむばかりである。

なのに、長引く新型コロナ感染症……。
もちろん、コロナはいつか終息するだろう。
だが、いつまた新たな感染症が蔓延するかわからず、
観光業ばかりに沖縄経済の牽引役を任せ続けるのは、不安がある。

もっとも、沖縄経済界では、コロナの登場以前から、
「新・3K」を提唱してきた経緯もある。

沖縄県の地方銀行のひとつ、沖縄海邦銀行は、
20年ほど前から、「トリプル旋風」と称して、
「観光」「健康」「環境」に関連するビジネスを金融面で支援し続けている。

また、最近では沖縄国際大学の前泊博盛教授が、
旧来の「基地」「公共工事」「観光」といった、いわば依存型3Kに対置する形で、
「基地返還ビジネス」「環境再生型公共事業」「高付加価値型観光」を提唱する。
実に説得力のある提案であり、個人的には「真・3K」と呼びたいくらいだ。

さらに前泊教授は、この「真・3K」に、
健康、環境、教育、研究、金融、交通、交易の7Kを加えた「新10K経済」が、
沖縄県の新たな経済発展分野として注目されると語る。

いやいや、何ともワクワクしてくる話である。
むろん、現実の沖縄経済は深刻な問題をいくつも抱えているが、
苦難があればこそ、明るく元気に前を向くのが「ウチナー流」だ。

そうそう、ガレッジセールのゴリさんがこんなことも言っていた。

「本土の学校に転校したら、友達ができずに寂しかった。
それである時、掃除の時間にモップの柄をマイク替わりにして、
松田聖子さんのモノマネをしたら、それが大ウケけしたんです。
そこから人気者になり、友達もたくさんできました」。

その出来事が、お笑い芸人への扉になったのかどうかは知らないが、
苦難の歴史を乗り越え続けてきた沖縄人らしい話だと、私は感じた。

さて、「新10K経済」を成就させるためには、2つ前提がある。
ひとつは、5G、6Gなどの高速大容量の情報インフラが整備されること。
そしてもうひとつは、経営人材の充実である。
沖縄県でビジネスに挑戦する権利は、誰にでもある。

むしろ、沖縄経済界は、県外からのチャレンジャーを待ち構えている。

実は、こんな「おいしいハナシ」もある。
一定の条件を満たす法人は、最大40%の法人所得控除を受けられるほか、
税額控除など、沖縄県以外では考えられない優遇税制が設けられているのだ。

たとえば所得1000万円で実効税率30%の法人があるとすると、
普通なら300万円の法人税等が課されるが、優遇税制を適用した場合、
1000万円の40%、つまり400万円を控除できるため、
所得は600万円と見なされ、その30%の180万円が課税額になる。
実に120万円も多く手元に残せる計算だ。

沖縄振興特別措置法にもとづいて、
沖縄県内のビジネスには、ほかにも多様なメリットが提供される。
詳しくは以下を。
https://www.pref.okinawa.jp/site/shoko/seisaku/kikaku/documents/zei.pdf

挑戦したい分野が、「新10K」に該当する人は、
沖縄県での起業や新規事業を検討してもいいのではないだろうか。


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「先輩経験談 あるある!ピンチ&リカバリー」

第36回 
取引先が悪質な手口で、未入金のまま計画倒産。
高い勉強代と割り切り、喜ぶお客さまの笑顔を糧に
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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、
始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。
そんな「起業あるある!」事例から学ぶシリーズ。

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 樋口 徹さん 2006年設立
 新潟県十日町市
 
 (有)白羽毛(しらはけ)ドリームファーム 代表取締役
 https://shirahake.com/
 
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冬は豪雪で知られる、新潟県十日町市の白羽毛集落。
高低差が大きい中山間地には棚田が点在し、
その田んぼの中へは、ミネラル豊富な雪解け水が注がれる。
この地で、美しい棚田の原風景を守りながら、
身体にも環境にも優しい独自の米づくりを貫いているのが、
樋口さんが率いるお米職人集団・白羽毛(しらはけ)ドリームファームだ。
産地直送で販売しているこだわりのお米は、全国各地にファンも多く、
さらに生産・販売だけでなく、田植えや稲刈り体験など、
丁寧なお米づくりに直に触れる機会も広く提供している。

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「直販農家あるある、のエピソードですが、
7年程前に、未入金で逃げられるという被害に遭いました。
その前に何度か、小口で取引きをしていた業者だったので、
面識はありませんでしたが、信用はしていました。

その後、いつもの10倍以上の注文が入りました。
あれ?支払いが遅いな、と不安に思った矢先、
『破産手続きを行いました』という封書が届き、それっきり連絡が途絶えました。
ちょうど知り合いがその業者の所在地近くへ出張していたので、
住所のところへ行って、確かめてもらいました。
建物の扉に、破産手続きのお知らせが張ってあり、
それを呆然と見つめていた男性もいたそうです。
たぶん、僕らと同じ手口で被害に遭った人なのでしょう。

どうやら、全国的に農家相手に計画倒産を仕掛ける悪徳業者のようでした。
NICe会員の弁護士さんにも相談して、
警察にも被害届けを出したのですが、
どうにも調べようがないとのこと。泣き寝入りです。
米袋から出してしまえば、お米一粒一粒に、
僕らの名前が書いてあるわけでもないし、
だまし取られたお米がその後、どう扱われたのか、わかりません。
本当に悔しかったです。
心を込めて、子どもを育てるようにお米をつくっているので。

まぁ高い勉強代だったと思って、
以降、新規業者さんには前金・現金払いを取引条件にさせていただいています。
大口の場合は、信頼関係がある第三者に仲介してもらうなど、
用心深くするよう意識を変えました。
お米業者さんの中では、今でも割と昔ながらの前金・現金が
当たり前のように通じるので、渋るところはないですね。
こんな目に遭ったと話すと、
『お米あるある、農家あるあるですよ~』と同情いただきます。
また、個人のお客さまでも、疑ったらキリがないですし、
いい人が断然多いので、人間不信にならずに済んでいます。
自分も、支払う立場の時は、早め早めにして、
相手に不安にさせないようにと、心がけるようになりました。

ありがたいことに、固定のお客さまもついて、
その方がご友人や知り合いにギフトで贈って、
またファンになっていただいたり、
ふるさと納税の返礼品にも選んでいただいたりしています。

『白羽毛のお米を食べたら、ほかのは食べられなくなった』、
そんなふうに褒めてくださる方もいて、
丹精込めてつくっているお米が喜ばれることが、
何よりも嬉しいことですし、本当にありがたいなぁと。
悔しい経験は学びにして、良いお客さまの方へ、意識を向けています。

コロナ禍以前のように、また首都圏にも赴いて、
量り売りの対面販売もしたいです。
『いつ来るの?』と待ち望んでくださる声に
早く応えたいと思いながら、丹精込めて米づくりに励む毎日です」

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   あなたの挑戦を応援しマッスー☆
      ワンポイントガイド
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樋口さんを狙ったのは、「取り込み詐欺」と呼ばれる
犯罪です。取り込み詐欺を働く連中の多くは、小口取
引を重ねて信用を得た後、大口取引を申し出て商品を
手にし、支払いをせず姿をくらませる手口を使います。
また、調査をかわすため、休眠会社を買収して、自分
たちを歴史ある会社だと被害者に思わせるなど、用意
周到なケースも少なくありません。こうした相手の魂
胆を見抜くのは、決して簡単ではありません。ですの
で、しっかりした関係が築けていない相手に対しては、
後払いや手形払いでの支払いは受け入れず、樋口さん
がやっているように、前払いを納品条件にすべきでし
ょう。もっとも、詐欺集団はあらゆる方法で、企業の
スキをついてきます。運悪く被害を受けてしまった場
合は、どこかで気持ちを切り換えて、その分を取り返
すべく、新しい仕事に励む方が賢明です。当時、樋口
さんと電話で話をしました。「悔しいけど、諦めます」
と言っていたのが印象的でした。犯罪者に屈するなど、
本当は納得いかなかったはずです。それでも、気持ち
を切り換えたから、今の活躍があるのです。失敗を引
きずることこそ、何よりの失敗なのだと、樋口さんの
姿勢から学んだ気がします。(ますだ)
  

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 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃編┃集┃後┃記┃ ┃  
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先輩経験談に登場いただいた樋口さんと
初めて会ったのは10年以上前、まさに田んぼの中でした。
素足での田植え、夏の管理や草刈り、秋の稲刈りも体験させていただき、
どれだけ丁寧に、丹念に、お米づくりに心を込めているのか、
「白羽毛の米を食べると笑顔になれる」との言葉どおり、
食べるたびに、会うたびに、元気をくれるお米職人さんです。
以降、首都圏での催事や対面販売で、
お米はもちろん、樋口さんセレクトの旬の野菜やスイカ、特産品、
そして笑顔でのおしゃべりも大きな楽しみでした。
ここ数年は開催されず、お会いできず、ですが、
『いつ来るの?』と待ち望んでいるファンのひとりでもあります。
もちろんお米はオンラインでお買い物できます。
https://shirahake.raku-uru.jp/

「つながり力で起業・新規事業!」
次号のNICeメルマガは、8月22日頃の配信予定です。
(NICe広報・岡部)
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