vol.166【増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」第41回:夜遊びは三文の徳……どころじゃない!】
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Vol.166 2022.6.13
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【1】シリーズ増田紀彦の
「ビジネスチャンス 見~つけた」
第41回 夜遊びは三文の徳……どころじゃない!
【2】先輩経験談
あるある!ピンチ&リカバリー
第34回 山地伸幸さん(北海道札幌市)
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増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」
第41回 夜遊びは三文の徳……どころじゃない!
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ここのところ、目が覚める時刻がどんどん早くなっている。
若い頃のように眠り続けるパワーが失われてきたのも一つだが、
やはり、飲食店の営業時間短縮が長く続いたせいで、
夜更かしをしなくなったのが大きな要因だと思う。
もっとも、昔から「早起きは三文の徳」というから、
何らかの吉事もあると信じたいが、決して過大な期待はできない。
効果は、あくまで「三文」だ。
三文小説や三文芝居、三文判などの名詞が示すように、
三文は、「大したことはない」という意味。
早起きすれば、「多少はいいことがある」程度の諺だ。
確かに夜遊びをしなくなったので、月々のお小遣いが余るようになり、
わずかながら、貯蓄も増やせるようになった。
元来、「Mr.エンゲル係数」を自認するほど、
私は飲み食いばかりにお金を使うタイプ。
その使い途が2年間も鎖されたのだから、そりゃあ小金も溜まる。
でも、これっていいことなのだろうか?
いいわけないことくらい、読者の皆さんならすでに承知だろう。
私の机の引き出しのあちこちに、
ジャラジャラバサバサ突っ込まれている硬貨や少額紙幣は、
コロナ以前であれば、居酒屋やバーに渡っていたしろものだ。
それを受け取った飲食店は酒屋の支払いにあて、
酒屋は問屋に支払い、問屋は酒造会社に支払い、
酒造会社は米農家に支払い、米農家は肥料会社や農機具店に支払い……と、
国内外のあちこちをめぐりめぐる「血液」だった。
その血が、淀んでしまった。
さすがに「まん防」解除以降は出かけるようになったが、
それでも、以前のように「もう一軒」「さらにもう一軒」とはならない。
これが私一人の話なら別に構わないが、
それこそ三文程度の支出減少であっても、
日本中で同じことが起きていれば、経済は粛々とシュリンクしていく。
もともと人口減少、さらに物価高騰、そこに早寝早起き。こりゃまずい。
日が落ちてから、もう少しお金を使わねば、経済は回らない。
とはいえ、以前のように、「酒頼み」もしくは「風俗頼み」だけで、
深夜まで稼ぐのは難しいだろう。
となると、浮上してくるのは多種多様なナイトアクティビティだ。
東京オリンピックが、普通に開催できると思っていた2019年頃、
来日客を楽しませる夜間のアクティビティをもっと増やすべき、
という議論が広がり、そうなり始めた矢先のコロナだった。
それを今からやり直してみたい。
入国制限もようやく緩和される見通しになった。
加えて今は「歴史的な円安」である。
外国人観光客が日本を目指すのは間違いない。
さらに外国人観光客が牽引車となって、
「夜遊び」する日本人が増えることも間違いない。
実際、アクティビティ大手のラウンドワンは、
21年3月期の▲192億円から一転、22年3月期では▲17.2億円に赤字幅を縮小。
23年3月期においては、ついに140億円の黒字浮上を見込む回復ぶりだ。
夜間、カラオケやボーリング、ダーツ、ゲームセンターなどなどに、
出かけていく人は着実に増えている。
これら日本の「お家芸アクティビティ」に、
外国人観光客が食いつく要素を付加してもいいし、
反対に海外で人気のアクティビティを、日本風にアレンジしてもいいだろう。
個人的には美術館や博物館、庭園などの開館時間をもっと長くして欲しい。
外で早めの夕食を済ませたら、ちょっと芸術鑑賞。
それで、「さあ帰ろう」とはならないはずだ。
余韻にひたったり、同行者と感想を語り合ったりするために、
「もう一軒」となるはず。
さすがに私も以前のように、来る日も来る日も飲み会、
などという生活に戻りたいとは思わない。
健康のことを考えても、そのほうがいい。
そんなふうに考えている人も、決して私一人ではないだろう。
飲食店と共存共栄・相互媒介できる健康的なナイトアクティビディ。
これが広がれば、「タンス預金」は確実に動き出す。
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「先輩経験談 あるある!ピンチ&リカバリー」
第34回
ホテルオープンと同時にバブル景気崩壊、稼働率20%台に。
出合った本が運を呼び、視点が広がり、生き方までも上向きに
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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、
始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。
そんな「起業あるある!」事例から学ぶシリーズ。
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山地伸幸さん 2007年設立
北海道札幌市
株式会社ヤマチオフィス 代表取締役
http://yamachi-office.com/
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札幌市内の交通至便な琴似駅近くに、
起業家のための「札幌オフィスプレイス」を営む山地さん。
大学卒業後、銀行員を経て父親の会社に入社し、
次男のため後継者ではないものの、
新規事業計画・実施、現場監督や営業、工場など、
さまざまな分野の事業立ち上げと実務・経営経験を積んできた。
東京でホテル支配人を務めた後に、地元・札幌へ戻り、
起業家支援に貢献することを決意したという。
「たくさんの方にお世話になってきたので恩返しをしたい、
けれどお返しできる人は限られている。ならば恩送りをしよう」との想いから。
起業メンターとして、豊富な経験と心温かな人柄も相まって、
道内外の多くの起業家から『ノブさん』と呼ばれ慕われている。
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「コロナ禍の影響で、今まさに苦境に立つ経営者やリーダーは多いと思います。
私の話は30年ほど前のことですが、共通することもあるかと思い、お話しますね。
私が最高責任者として、東京の蒲田という地にホテルを新設した時のことです。
数年がかりで事業計画を練り、新設、立ち上げ、実務、支配人を務めました。
しかし、いざオープンと同時に、バブル景気が崩壊。
事業計画ではビジネス客と観光客を見込んでいましたが、
まったく予想と現状が合わなくなってしまったのです。
稼働率は20%台と低迷し、宿泊業としては成り立たない状況でした。
支配人であり、経営の責任者でもあり、膨大な借金もある。
なんとかお客さまを得ようと、
毎日100軒、200軒と営業に回る日々でしたが、どこも空振り。
でも、「長」が落ち込むのは一番まずい。スタッフに暗い顔を見せたらいけない、
しかし部下に相談するわけにもいかず、辛かったし苦しかったです。
運命を変えたのは、本屋でした。
たまたま営業の帰りに本屋へ立ち寄って
実業家の斎藤一人さんの本が目に止まり、手に取ったのです。
そこに、『運がついている、と唱えなさい』と書いてありました。
よく経営者が『私は運がいい、運がついている』と言葉に出しますが、
私はそれを嘘だとずっと思っていたのです。
ですが、当時の私はどん底でしたら、とにかく真似てみようと、
毎日毎日、人がいないところでブツブツと
『運がついている』『頑張っている』と声に出し、
毎日1000回、2000回とつぶやき続けたのです。
それを3カ月ほど続けていたある日、
都内の知り合いのホテルにお邪魔して、フロントの方にお話を伺いました。
当時はまだインバウンド需要は少なく、フロントの方によると、
台湾や東南アジアのお客さまを受け入れるホテルが少なくて、
困っているらしいと。ならば!
うちのホテルは100室のうち、半分がツインなので団体さまも受け入れられる!
さっそく代理店に提案したところ、待っていました!と喜んでいただけて、
毎日のようにバスで台湾のお客さまがいらっしゃるようになりました。
羽田空港へ車で行きやすいことも好評で、それなら、
朝一の便に搭乗されるお客さまへアプローチしようと思いつきました。
今では送迎バスが一般的ですが、当時はまだなく、
タクシーでお送りするサービスを思いついたのです。
宿泊料1割引きするのと、空港へのタクシー代がほぼ同額でしたので、
宿泊料は変えず、空港まで無料タクシー付き、という策を出したところ、
大評判となり、大手旅行会社ではパック旅行まで設定してくださいました。
最初の頃は、ただやみくもに営業に回っていましたが、
お客さまは誰なのか、どこにいるのか、を考えられるようになってきたのです。
空港へ行きやすい、ならば頻繁に利用なさるのは誰かと考え、
航空会社へ提案したところ、客室乗務員の常宿として選んでいただけました。
キャビンアテンダントさんが毎日いらっしゃると話題になり、
稼働率は75%を超えるほどになったのです。
以降、8年間で20億円の借金も完済させ、ホテルの価値を上げて売却し、
私はリタイヤして札幌へと戻ってきたわけです。
オカルトのような体験談で、信じない方もいらっしゃるでしょうが、
苦境の時にいくら文句を言っても仕方ありません。
自分で自分のモチベーションを高めることが大切だとつくづく思います。
運が寄って来るように、自分の心の環境を日常的に磨くのが「長」かなと。
運がついている、頑張っている、と自分に言い聞かせて、
運の電波を発していくと、運が来てくれる。その運に感謝していると、
良案やご縁、学びをキャッチできる。そう確信しています」
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あなたの挑戦を応援しマッスー☆
ワンポイントガイド
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ノブさんのお話に、頷くことしきりでした。詳しい話は
別の機会に譲りますが、バブル崩壊の人心が乱れた時期、
私の会社で横領事件が起きました。ショックでしたが、
立ち直るキッカケをくれたのは、偶然手にした一冊の本
でした。また、アメリカ出張中にパスポートを盗まれ、
日本への帰国が叶わなくなった時も、リトル東京の書店
でたまたま手に取った本に救われました。まさに、これ
らの出来事は「たまたま」なのですが、ここ一番という
時にその「たまたま」を呼び込む力があるかどうか、こ
こが分かれ目になるのではないでしょうか。「でも、そ
んな力など鍛えようがない」と言われそうです。ごもっ
とも。そんなトレーニングが存在するなら、私が知りた
いくらいです(笑)。結局は諦めないこと、考え続けるこ
と、そして自らと周囲を信じること。信じて信じて信じ
抜くこと。その姿勢の先に「たまたま」が顔を出してく
れるように思います。ノブさんが言う通り、今の時代も
困難に満ち満ちています。でも、諦めたらそれまで。ピ
ンチはチャンスの母。自分には運がついていると言い聞
かせてください。必ず突破口が開くはずです。(ますだ)
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┃ ┃ ┃ ┃ ┃編┃集┃後┃記┃ ┃
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先輩経験談に登場いただいた、ノブさんこと山地さんは、
支配人をリタイアして札幌へ戻ってから、
恩送りのひとつとして、まず始められたのがメルマガ配信でした。
誰かのお役に立てれば、と、ご経験をもとに、
約3年間配信を続け、94号で幕を閉じましたが、
今なお、まとめサイトへのアクセスが絶えないそうです。
宿泊業だけでなく、幅広い業種の経営者に愛読されています。
『小さいから楽しいホテルの経営』
https://geolog.mydns.jp/www.geocities.jp/shcc_j/index-2.html
「つながり力で起業・新規事業!」
次号のNICeメルマガは、6月21日頃の配信予定です。
(NICe広報・岡部)
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