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vol.149【「東海女性SDGsビジネスプランコンテスト2021」NICe賞 受賞プラン誕生秘話】



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Vol.149            2021.9.13 
つながり力で起業・新規事業!メールマガジン
起業支援ネットワークNICe https://www.nice.or.jp

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このメルマガは、NICeの活動に参加された方々、
またはNICe代表理事・増田紀彦と名刺交換をされた方々、
および全国の起業家、経営者、農林水産事業者、起業・創業希望者、
地域振興関係者、中小企業支援・創業支援機関、一次産業支援機関の方々へ送信しています。


  ┃目┃次┃ ┃ ┃ ┃ ┃ 
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【1】「東海女性SDGsビジネスプランコンテスト2021」

   NICe賞 受賞プラン誕生秘話
   佐々木美華さん(愛知県)
   
   
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「東海女性SDGsビジネスプランコンテスト2021」
   
 NICe賞 受賞
 プラン名称『選ばれる事業所に!
 発達支援力アップのための障がい福祉サービス現場の人材育成』

 佐々木美華さん(愛知県)
 親子発達応援room Saule(そーる)代表
 https://saulekids.com
 
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コロナ禍による不安を払しょくし、未来を切り開く気力と勇気を与え、
東海エリアの女性起業家輩出の風土づくりと、
ソーシャルビジネスを加速化させ、SDGsの発展に寄与していこうと、
東海4県在住の女性を対象に開催された
「東海女性SDGsビジネスプランコンテスト2021」。

主催したのは、東海エリアの女性の起業・自立支援に
長年尽力しているNPO法人ビタショコ。
2021年2月から募集が始まり、最終結果が6月に発表された。
https://bita-choco.com/official/sdgs-bizcon2021.html

コロナ禍にあっても、未来に希望を抱けるビジネスを応援していこう!
というこの熱い取り組みに、多くの公的機関、民間企業、
マスコミ、個人が賛同し、NICeも協賛団体として、
代表理事の増田紀彦が審査副委員長を務め、
受賞7部門の中のひとつ「NICe賞」を提供させて頂いた。

今回は、NICe賞を受賞した佐々木美華さんに、
発想の起点・動機、受賞後の進展、事業実現への取り組み、
今後の抱負などをうかがった。

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【障がいのある息子を持つ母親としての視点と望み】

名古屋市内で2019年から、親子発達応援room Saule と、
0.1.2歳児の親子発達応援サロンそーるきっずを運営し、
障がい児童とその親のサポートに尽力している佐々木さん。

今回の受賞プラン『選ばれる事業所に!発達支援力アップのための
障がい福祉サービス現場の人材育成』は、すでに
2021年6月から始動している。

プランタイトルにある、事業所とは、自身のサロンのことではなく、
児童発達支援事業所、放課後等デイサービスなど、障がい福祉の現場だ。
つまり、ターゲットは全国にある、と言っても過言ではない。

具体的な事業内容は、科学的根拠と佐々木さんの経験・実績を集約した、
タッチケアの基礎・実践の研修プログラムを提供し、
現場スタッフのスキルアップと発達支援力を高めること。
それにより、利用者である子どもとその家族、事業所で働くスタッフ、
事業所経営者、の三方良しの好循環を生み出し、
ひいてはあらゆる年代の人々の健康的な生活と福祉を促進させ、
社会全体へ、SDGsの発展へと、貢献できる事業だ。

このプラン誕生の背景には、いくつかパズルのピースがあったという。
そのひとつは、佐々木さん自身が現役の看護師・保健師であり、
障がいのある10歳の息子さんを持つ母親であるということ。

「私自身、息子の発達を促すために少しでもいいことを、と求めて、
良いと聞けば、遠方まで息子を連れて足を延ばして、
2人3脚で片っ端から試したことは数知れず。
期待と違って落ち込んだり、時間も費用もかさんで苦しかったり、
時には気力も体力も限界で、疲弊してしまうことも何度かありました。

自宅でできること、生活の中で続けられること、善きことはないかと、
模索して8年前に出合ったのが、科学的根拠に基づいたタッチケアでした。
以降、学びを深めて、医療現場でも自宅でも実践を積んで、
脳性麻痺・発達障がい児に特化したタッチケアを習得。
講師として指導したり、ボランティアで親子向けに教室をしたりと
タッチケアを少しでも広めたいなと動いてきました」


【日本全国で、発達障がい児童数と支援事業所が急増】

もうひとつ、プラン誕生の背景にあるのは、
ここ近年の発達障がい児童数と支援事業所の急増だ。

診断の機会が増え、発達障害により通級指導を受ける児童・生徒数は
年々増えており、比例して、支援事業の施設数も
右肩上がりに全国で増加している。

「でも、実際に子どもを預ける親として事業所を見てみると、
施設によってサービスの質の差が大きかったり、
スタッフの個々の力量に頼っていたり。
なぜこのプログラムを行うのか、根拠が明確ではなかったり。
医療従事者の立場から見ても、専門職であるスタッフであっても、
いざ現場では対応困難と感じることが多々あって……。
というのも、一般の保育園や児童支援、介護施設などでの経験と、
発達支援(障がい児対応)とは性質が違いますから。
子どもを預ける親としては、預けてみないとわからないのが実情なのです。
利用する事業所を選ぶ親からすれば、あまりにも不透明で不安を感じます」

増加する発達障がい児童数に対応するよう、
行政は支援事業所の新設を促しているが、数だけ増えても、
事業所の発達支援力の高さをはかる明確な基準がない。
事業所も、利用者数に対応しようと人員を増やすものの、
その質・力量は不均一で、利用者の定着率は低迷し、離職・転職率も高い。
ますます、子どもを預ける親としては不安が募るばかり。


【三方良しの好循環へ。白地図に描き始めたことで広がる視野】

「事業所も困っているんじゃないの?」

と、佐々木さんへ進言したのは、佐々木さんが3年前から利用している
東海女性起業家の交流スペース『インターアクトスペースWits』の伊藤麻美さんだ。

「私の想い、これまでの経験が、活かせるのではないかと。
脳性麻痺・発達障がい児に特化したタッチケアを広め、
子どもたちに反映されることで、発達につながり、それが親の希望にもつながる。
そうなることで、支援する側にも自信となり、事業所の信頼度も増し、
他施設との差別化も図れ、選ばれる事業所になれる。
私がやりたいことと、世の中が結びついて、
ビジネスプランコンテストのエントリーに向かうことで、
世の中の動き、市場はどうなのか、どんどん視野が広がっていき、
ビジネスとして形ができていくのを感じ、事業化へと動き出したのです」

まずはモニターで実施してみようと、
さっそくタッチケア研修プログラムのベースを作成。
結果、高評価を得て、さらに個別ヒアリングを行い、
個々の要望や現状に合わせたアレンジを試みたという。
こうして、ビジコン応募と事業化準備を同時並行しつつ、
2021年6月に研修事業を本格始動した。

法人向けのほか、親御さん向けに、
家庭でできるオンラインプログラムも今夏スタート。
今後は、研修事業所数を年々増やしていくことと、
佐々木さんと同レベルのトレーナーを養成する仕組みづくりも目指している。


【ひとりじゃない。声を上げることで広がるパートナーシップと未来】

「ビジコンに応募したことで、私自身も大きく変化しました。
これまでの私は、自分ひとりで考えて、自分ひとりで行動して試して、
ひとりよがりになりがちなパターン。
でも、人にアドバイスをお願いすること、意見を聞くこと、相談すること、
助けてと声を上げることができるようになったなと。
私はこうしたい、だけでなく、周りにいる家族や仲間と一緒に、
私たちの希望と、世の中はどうつながっていけるか、
世のニーズや福祉に、経験やスキルがどうやったらより活かせるのか。
問題や課題の突破口は、私ひとりではない、
そう、実感しています。

タッチケアの研修事業と並行して、
サロンでは引き続き、子どもたちが将来動きたい時に動ける、
挑戦したい時に挑戦できる、スムーズに動ける身体づくりを目指して、
「からだ育て」「動き育て」「感覚育て」を三本柱に遊びを通して育て、
音楽の力を合わせて発語を促し、個別の学習支援へとつなげていきたい。
そしていつか、児童発達支援・放課後等デイサービスをつくりたいし、
8年後には、就労支援かグループホームの運営にもつなげたいと思っています。
息子や仲間と明るい未来を迎えるために」


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      応援メッセージ
    審査副委員長・増田紀彦
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「東海女性SDGsビジネスプランコンテスト2021」のファイナル
ステージは、コロナ対策のためにオンラインで開催されました。
そこに7名のファイナリストが登場。誰もが感動的で論理的なプ
レゼンテーションを行いましたが、中でも佐々木のプレゼンは
私のハートを直撃するものでした。資料など関係なし。すべて
の訴えが、日頃の佐々木さんの思いそのままに滔々と語られる
様子に私は引き込まれました。まるで、パソコンの画面を突き
抜けて佐々木さんご本人が私の目の前にいるような錯覚すら覚
えたものです。
とはいえ、あえて反対側から見ると、「福祉に携わる人の日頃
の言葉」は、当事者や関係者以外には容易に伝わりません。
「放デイ」「サビ管」「児発管」「重心型」「単位」……。
もし、あなたが業界関係者でなければ、恐らくひとつもわから
ないでしょう。いわゆる一般の人には、障がいについても、福
祉にかかわる法律や制度についても、まず知られていないのが
実態だと思います。
私は、佐々木さんが素晴らしい着眼点を得て、素晴らしい取り
組みを広げようとしているからこそ、相手を選ばない言葉で、
その取り組みの魅力を説明できるようになってほしいと願って
います。
今回のコンテストにおいて、佐々木さんはクランプリや準グラ
ンプリを獲得することができませんでした。社会的意義も収益
の視点も一級品なのに、その実力を伝えきれなかった「惜しい
人」を、私は応援したくて佐々木さんに「NICe賞」を贈らせて
頂きました。
もっとも佐々木さんが惜しい人を卒業するのも、時間の問題で
しょう。いつかオンラインではなく、直にお会いできたら、事
業の進捗ぶりを、わかりやすく伝えていただけると信じていま
す。
いずれにしても、佐々木さんは初代NICe賞受賞者です。末永く
応援させて頂きます。



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 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃編┃集┃後┃記┃ ┃  
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今号は、6月にファイナルの結果が発表された
「東海女性SDGsビジネスプランコンテスト2021」
にて、NICe賞を受賞された佐々木さんに、
ビジネスプラン誕生秘話を語っていただきました。
記事でご紹介したのは、ほんの一部分です。
佐々木さんのサイトとブログには
溢れるほどの想いと軌跡、そして未来の地図が描かれていますので
ぜひ、アクセスなさってみてくださいね。

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(NICe広報・岡部)
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