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つながり力で起業・新規事業!
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vol.110【増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」第20回:次の次の次あたり】



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                        2020.4.13 
   「つながり力で起業・新規事業!」 メールマガジンVol.110

     起業支援ネットワークNICe /

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このメルマガは、NICeの活動に参加された方々、
またはNICe代表理事・増田紀彦と名刺交換をされた方々、
および全国の起業家、経営者、農林水産事業者、起業・創業希望者、
地域振興関係者、中小企業支援・創業支援機関、
一次産業支援機関の方々へ送信しています。



  ┃目┃次┃ ┃ ┃ ┃ ┃ 
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【1】 シリーズ
    増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」
    第20回 次の次の次あたり
    
【2】 「先輩経験談 あるある!ピンチ&リカバリー」
    平井良明さん (福岡県) 
    悔やんでも時間は戻せない。下を見ずに前へ前へ1歩ずつ
    

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    増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」
 
     第20回 次の次の次あたり

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江戸時代に人気を博した浮世草子のひとつ、『世間学者気質』の中に、
主人公の三郎衛門が金の工面を思案する場面が出てくる。

「今日の大風で土ほこりが立ちて人の目の中へ入れば、
世間にめくらが大ぶん出来る。そこで三味線がよふうれる。
そうすると猫の皮がたんといるによって世界中の猫が大分へる。
そふなれば鼠があばれ出すによって、おのづから箱の類をかぢりおる。
爰(ここ)で箱屋をしたらば大分よかりそふなものじゃ」。

だが、主人公は肝心要の元手がないと、ガッカリするというオチ。
ご存じ、「風が吹けば桶屋が儲かる」の出典である。

感のいい読者の皆さんなら、すぐに今回のテーマに気づいただろう。
そう、「新型コロナが流行れば、儲かるのは何か?」である。

だがその前に、ひとつ検証しておこう。
風が吹くと、箱屋(桶屋)は、本当に儲かるのだろうか?

『国家の品格』の著者、藤原正彦氏は、
同書の中で、この理屈に対して以下のような解説をしている。

「風が吹けば埃が立つのは90%正しい。
埃が目に入って患う人は10%ぐらい。
その中で目が見えなくなるのは0.1%。
さらに三味線弾きになる人も0.1%……。
各ステップを全部かけあわせると、
0.9×0.1×0.001×0.001…… 
おそらく桶屋が儲かるのは1兆分の以下になるでしょう。
要するに桶屋が儲かることにならない。
このように一般の世の中では、長い論理は非常に危険」と。

さすがは数学者の藤原先生。
と言っても、各条件の確率を予測する程度なら誰でもできる。
珠玉のフレーズは最後の一行だ。

つまり、仮定の条件を重ねれば重ねるほどに、現実の世界では、
特定の結論に達する可能性が低くなってしまうということである。
ましてや、自然現象などではなく、
人間が取る行動を条件に加えてしまうと、その確率は実に不確かになる。

例えば目が見えなくなった人が、新たに選択する職業は、
三味線弾きに限らず、いろいろあるはずだ。

仮に多数が三味線弾きになったとしても、
今度は供給過剰で競争が激化し、価格低下による淘汰が起きるから、
結局は三味線の原料が底を突くような事態には至りにくい。

残念ながら、主人公の三郎衛門は、元手(事業資金)だけでなく、
行動経済学の視点も持ち合わせていなかった、ということだ。

さて、論を進める。
では、「長い論理は危険」なら、論理を短くすればいいのだろうか?

新型コロナウイルス感染症が世界的に流行る。
それなら、ワクチンや治療薬を開発すれば儲かる。
もちろん正解だ。

だが、あなたは、それをできるか?

事業機会によって生まれる市場の規模が大きければ大きいほど、
言い換えれば、儲かる確率が高ければ高いほど、
それをものにするための資金や資源も半端ではなくなる。
つまり、論理が短いと、
手を出せる人(企業や団体)は、自ずと限定されてしまうのである。

なので、藤原先生の言葉を借用させていただくと、
「長い論理は非常に危険。短い論理はとても無理」となる。

要するに、多くの起業家にとってのチャンスは、
ある事象の発生によって予測される事態の、
短すぎず、長すぎずのあたりに存在している、ということだ。

今、結婚相談所を利用する女性が急増しているという。
コロナ→事業活動の停滞→解雇や雇い止めの増加、
こういう流れが、この現象を生み出していることは想像に難くない。

であれば、解雇や雇い止めの増加→結婚による収入の安定、
ではなく、
解雇や雇い止めの増加→自ら稼ぎを得ることによる収入の安定、
という図式も描けるはずで、
そのハウツーを伝授する講座や個別指導にもチャンスが出てくる。

あるいは医療機関で働く人たちのストレスも大変だ。
この人たちを、ひとときでも、ホッとさせてあげられる品物やサービス、
そのへんを探っていくのもいいだろう。

といった、論理としては、短くも長くもない、
いわば、発生した事象の、次の次の次あたりに、
あなたが挑戦できるフィールドが広がっているはずだ。



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 「先輩経験談 あるある!ピンチ&リカバリー」 第12回 
 
  サーバートラブルで全データが消去する大事件!
 悔やんでも時間は元に戻せない。下を見ずに前へ前へ1歩ずつ

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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、
始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。
そんな「起業あるある!」事例から学ぶ新シリーズ。
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 平井良明さん 1995年起業 福岡県博多市
 株式会社イーハイブ 取締役統括責任者
 http://www.i-hive.co.jp/
 https://cloud.comlog.jp/
 http://open.i-hive.co.jp/
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大学院生時代に仲間とPC家庭教師で起業した平井さんは、
その後、アプリや検索システム開発、日本初の選挙情報専門サイトの
立ち上げなどを経て、現在は、ブログ型ホームページ制作システムの提供、
人と人、企業間をつなげるソーシャルメディアアドバイザーとして活躍中。
起業家の親交も幅広く、異業種交流の場づくりや起業支援にも貢献している。
そんな平井さんだが、「何度も失敗とチャレンジを繰り返してきた」という。

最大のピンチは今から約12年前、サーバートラブルが発生し
お客さまのデータがすべて消えるという大事件が起きたこと。

「当時、サーバセンターのラックを借りて、40社ほどの
お客さまのデータを保管するサービスもしていたのですが、
それがすべて消えてしまって…。
原因はセンターの電圧と移転がきっかけ、とは言っても、
うちのお客さまにとっては関係ない、うちの責任です。
センターの当初の営業担当者はすでに退職していて、
細かな契約記録もなく、何も補償はありませんでした。
とにかくうちができる限りのことをと、2日間徹夜で復旧作業。
気分転換のためにひとりで屋上へ昇った時に、
『ここから飛び降りたら、楽なのにな』と、つい思ってしまうほどでした。

でも、私が飛び降りても何も解決はしない。
知り合いに、『謝るしかないじゃん』と言われて、そうだよなと。
当たり前ですが、どうリカバリーして、次どうするか。
お客さまへお詫びに出向き、誠心誠意事情を説明し、
1カ月分の利用料を返金させていただきました。
結果、2社ほど『もう任せられない』と言い渡されましたが、
ほとんどのお客さまがそのまま利用してくださり、有難かったです。

この経験以降、『しょうがない』が好きな言葉になりました。
諦めの意味ではなく、どんな人でも、仕事でも、大企業だって失敗します。
どうしようもない事態を悔やんでも、時間は元に戻せない。
じゃ、次にどうするか?という前向きな意味の『しょうがない』です。
下へ落ちるのではなく、前へ前へ、小さくても飛び続ける。
大きな階段を急に上がれば落ちた時にも大怪我するけれど、
小さな階段なら、怪我も小さい。
自分にも、スタッフにも、起業を目指している人たちへも
そう言っています。前へ、前へ、小さく飛び続けましょう、と」


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 あなたの挑戦を応援しマッスー☆ワンポイントガイド
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失敗をしない人間などいません。ましてや、起業家は挑戦者ですから、
それだけ失敗に遭遇する確率も、ほかの人より高くなって当然です。
とはいえ、好んで失敗をするはずもなく、その痛手が大きければ、や
はり夜も眠れず、食事も喉を通らず……、ふと、「もう、このまま消
えてしまいたい」と思うことがあってもおかしくありません。とくに
経営者になる人の多くは、公共心や責任感が人一倍強く、「そんなの
知ったことか」と逃げ出すことができずに苦悩を深めてしまいます。
そうなった時、どうするか? どう考えるか? 重要なメッセージを
平井さんから頂きました。「しょうがない」。実にいい言葉ですね。
そもそも、すべての課題を自分一人でクリアできるなどと考えるほう
が間違い。どうにもならないこともあるのです。だから最後はしょう
がない。最後はごめんなさい、です。平井さんのお話をもう一度読み
返してください。温かい人たちがいっぱいいるじゃないですか。人は
失敗する。そして、人はそれを許す。許された人は感謝し、同じ過ち
を繰り返さないようにと努力し、成長し、許してくれた相手に恩返し
する。そんな繰り返しによって人間は育ち、社会は発展していくもの
だと私は思います。(ますだ)


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 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃編┃集┃後┃記┃ ┃  
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みなさん、体調はいかがですか? 気分転換していますか?
私はもともと在宅勤務のような日々なので、
以前から体力維持のために、毎朝30分、
自重筋トレとストレッチを自宅で続けていました。
本当は、縄跳びもしたいのですが、
しかし問題は、どこで飛ぶか。
意外と、あの音って、響くのですよね。。

こんな状況の中、できることはやっていこうと。
小さくても、人に笑われることでも、
自分の気持ちは自分で上げていきたいと思っています。
みなさんも、スイッチオン&オフしながら、
どうぞお元気にお過ごしくださいね。

次号は4月21日頃に配信の予定です。
(NICe広報・岡部)
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 増田紀彦代表およびNICe会員への
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 http://ws.formzu.net/fgen/S41692880/
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■ 代表理事 増田紀彦

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