vol.108 特別号【増田紀彦代表から3.11メッセージ 今は苦しい。でも私たちは、大丈夫!】
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2020.3.11 特別号
「つながり力で起業・新規事業!」 メールマガジンVol.108
起業支援ネットワークNICe /
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このメルマガは、NICeの活動に参加された方々、
またはNICe代表理事・増田紀彦と名刺交換をされた方々、
および全国の起業家、経営者、農林水産事業者、起業・創業希望者、
地域振興関係者、中小企業支援・創業支援機関、
一次産業支援機関の方々へ送信しています。
今号は特別号として
NICe増田紀彦代表から3.11メッセージをお届けします。
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NICe増田紀彦代表から3.11メッセージ
今は苦しい。でも私たちは、大丈夫!
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例えばの話だが、
道を歩いている時に、目の前に熊が飛び出してきたり、
スーパーでの買い物中に、刃物を持った男が駆け寄ってきたり……。
不運にもこんなシーンに遭遇してしまったら、
どれほどの恐怖を味わう羽目になるだろう。
言うまでもなく、どちらも「目に見える危険」だが、
今、世界に蔓延しつつある新型コロナウイルスは、
「目に見えない危険」がもたらす恐怖を人々に撒き散らしている。
もっともウイルスの登場に対して多くの人は、
熊や暴漢に遭遇した時のように、最初から恐怖心を抱くわけではない。
「何だか大変なことになりそうだ」という不安に始まり、
「うっかり感染したら大変」という心配に進み、
ついには、「目の前に咳をしている人がいる。やばい」という恐怖に至る。
人は、圧倒的に視覚から入手する情報への反応速度が高く、
目に見えないものへの危機感を醸成させるのは、あまり得意ではないからだ。
では、なぜ、今回のウイルスに対して、
人々はこんなにも早く、心を乱すようになったのか?
本来、目には見えないはずの危険が、「見えた」せいだ。
やはり、初期段階でのニュース映像の影響が大きいと私は思う。
例えば、集団感染を引き起こした中国・武漢市や、
ダイヤモンド・プリンセス号が停泊していた横浜港の映像が出ると、
決まって、全身を防護服で包んだ人物がズームアップされる。
「あれだけ厳重なのだから、これは大変なことだ」と、人は感じる。
「目で見て」しまうと、不安や心配は、あっと言う間に恐怖へ駆け上る。
防護服をまとった人物のすぐ近くを、
普段どおりの服装で通過する人たちも映し出されているのだが、
「なーんだ、大したことはないのか」と思わず、
「あんな格好で歩いていたら感染するんじゃないのか」と、
想像は、悪い方へ悪い方へと向かっていく。
テレビ局にも言い分があるだろうが、
報道の仕方を見ていると、「事が大きいほど視聴率が上がる」という誘惑に、
素直に従っているように、私は感じてしまう。
仮に、ニュースがそうした映像を流さず、
感染者数のみをデジタルに報道しているだけなら、どうだろう?
それでも不安を抱く人は相当数いるだろうが、
それが恐怖にまで達する人の数は、それなりに減るのではないだろうか。
しかし、ひとたび恐れが芽生えてしまえば、容易には引き返せない。
その後は、危険の実体が「見えず」、
危機を煽るような情報が飛び交うせいで、かえって恐怖が増幅する。
デジタルな情報に対しても過敏になり、
「今日、何々県で新たに感染者が何名……」といった報道にすら固唾を飲む。
ちなみに日本の人口1億2600万人に対し、
国内でウイルスに感染した人は約567人(3月11日現時点)。
割合にすると、およそ22万人に1人である。
そうやすやすと感染する展開にはなっていないということだ。
しかも、上記の感染者の内8割の人は、
他者へウイルスを感染させていないという調査結果も発表された。
今日以降、万一、新たな集団感染が発生してしまった場合は、
感染者数が大きく伸びてしまうことも考えられるが、
正しい手洗いの励行をはじめ、油断なく注意事項を守っていれば、
そうは簡単に感染しないと考えるほうが、常識的ではないだろうか。
むしろ、必要以上に恐れを抱くことは、かえってマイナスを生む。
恐怖が元々あったストレスと結び付くことにより、
とんでもない事態に至ることは、過去の多くの事実が示すところだ。
ヨーロッパでペストが流行した時にはユダヤ人の虐殺が行われたし、
関東大震災の直後には、在日朝鮮人への迫害が広がった。
「そんなのは、昔の話でしょ」と、軽く考えないでほしい。
9年前の東日本大震災で福島第一原発が機能停止し、
放射能が飛散するという大惨事が起きたことを受け、
ニュースは連日、今回と同じように、
全身を防護服で包んだ人々を映し続けた。
そのあと、この国で何が起きたか?
「食べ物も何もなくて、ようやく手に入れたガソリンで、
物資調達のためにクルマで関東に向かったら、
『こっちに来るな』と追い返された。
福島ナンバーのクルマだから、汚染されているって」。
「東京の知らない年配の女性から、
『あなた、福島の人でしょ? まだ、独身?
だったら子供は産んじゃだめよ。わかるわよね』って言われて……」。
「転校した学校で『バイキン』っていう仇名をつけられて、
棒で突っ付かれたんですよ。毎日ですよ」。
震災以降、今日に至るまで福島県の方々と交流を続けている私は、
上記のような話を、数えきれないほど聞かされてきた。
どれだけ、放射能汚染がない食べ物だと説明しても、証明しても、
それでもなお「福島のものは口にしない」と言い続ける人もたくさんいた。
本来の被害者が、まるで加害者のように忌み嫌われ、
差別され、排除され、迫害されてしまう……。
こういう、あってはならないことが、最近、この国で起きたのである。
★★★
と、言いつつ、本当のところ私は決して悲観していない。
最終的には大丈夫だと思っている。大丈夫でなければ、
3.11以降の、この国と、この国の人々の苦闘が水の泡になってしまう。
もちろん、今回の事態を無風で乗り切れるなどと考えているわけではない。
すでに、経済的な損失は計り知れないものがある。
事業経営に行き詰まり、さらに見通しも立たない状況に、
眠れぬ夜を過ごす経営者は、相当な数にのぼるだろう。
また、雇用契約を結ばず、業務委託契約などにより、
出来高や稼働時間で生計を立てているフリーランサーの中には、
収入を断たれてしまった人たちも少なくないはずだ。
ウイルス対策は、「今が正念場だ」と首相は言う。
私は、ウイルス鎮静後の社会に元気をもたらすためにも、
今が正念場だと思っている。
これ以上、疑心暗鬼と行き過ぎた防衛行動が広がれば、
お金の動きはさらに鈍り、結局、自分の手で、
明日の自分の首を絞めることになってしまう。
だから無節操な「自粛」は慎み、
感染対策をしっかりしたうえで、できるかぎり経済を動かそう。
研究者たちは、今、不眠不休でコロナ退治に全力を上げている。
必ずワクチン開発に成功するだろうし、治療法も確立するだろう。
人類の叡知を信じ、私たちは明日の社会と経済の安定のために頑張ろう。
東日本大震災以降、昨年の台風被害に至るまで、
ほぼ毎年のように私たちの日本は、大きな災害に見舞われてきた。
「もう、いい加減にしてくれないか」と、懇願したくなるほど、
これでもかこれでもかと、災害に人命と財産を奪われてきた。
にもかかわらず、
私たちは萎えていないし、切れていないし、諦めてもいない。
これは、すごいことだし、誇るべきことだ。
もしも周囲に元気をなくしている人がいるのなら、声を掛けよう。
意識して未来を語り、夢を語り、希望を語り合おう。
私たちは、必ず立ち直り、立ち上がり、
正しい道を進むことができる、そういう民族なのだ。
災害、原発事故、ウイルス……。
次々と訪れるこれらの難関を突破することで、
この国が、そしてこの国の一人一人が、
強く生きる力を養っている。私は本気でそう考えている。
というわけで、最終的に、私たちは大丈夫。
絶対に、穏やかな日常を取り戻すことができる。
あれだけの被害と不幸をもたらした3.11を乗り越えつつあるのだから。
3月11日に際し、恐怖に屈せず、困難に挫けないことを、明るく誓う。
<一般社団法人起業支援ネットワークNICe 代表理事 増田紀彦>
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