vol.96【増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」第14回:海藻大国ニッポン!】
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2019.9.11
「つながり力で起業・新規事業!」 メールマガジンVol.96
起業支援ネットワークNICe /
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台風13号、15号で被災されたみなさま、
そのご家族の方々にお見舞い申し上げます。
1日も早く日常が戻りますよう、また
復旧作業に従事されている方々のご安全を心よりお祈りしています。
このメルマガは、NICeの活動に参加された方々、
またはNICe代表理事・増田紀彦と名刺交換をされた方々、
および全国の起業家、経営者、農林水産事業者、起業・創業希望者、
地域振興関係者、中小企業支援・創業支援機関、
一次産業支援機関の方々へ送信しています。
┃目┃次┃ ┃ ┃ ┃ ┃
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【1】 シリーズ
増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」
第14回 海藻大国ニッポン!
【2】 お知らせ2本
アントレフェア 9月14日は増田代表講演
次回の頭脳交換会 in 新橋 11月下旬予定
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増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」
第14回
海藻大国ニッポン!
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【ウレタンの代わりに海藻を詰め込んだデンマークのベッド】
出張先のホテルで見るでもなくテレビをつけていたら、
「デンマークの家具はデザインがすごい」、
というレポーターのコメントが聞こえてきた。
「おおっ、まったくもって同感」と、
仕事の手を止め、急遽その番組に集中することにした。
私個人の印象だが、デンマーク製品のデザインは、
椅子にせよ机にせよ何にせよ、線の表現がセクシーだ。
いつしか番組はベッド職人の仕事ぶりを紹介し始めた。
「ん? 何をしてるんだ?」と首を捻る私。
職人は、木製のベッドフレームの中に、
大量の褐色の乾いた草のような物を、せっせと詰め込んでいく。
「海藻を詰めています」。
マジか? ビックリした。
要するにウレタンの代わりに海藻でマットを作っているのである。
さすがに感触まではわからないが、
見る限り、硬すぎず、柔らかすぎず、絶妙な反発具合。
とにかく素材は、海から毎日のようにただで供給される。
日本でも、人気(ひとけ)の少ない海岸を歩くと、
海藻がびっしりと打ち上げられている光景を目にする。
あれらが家具の材料になるとは……。
しかも職人によると、その素材は不燃(難燃?)だという。
実際、ライターであぶっても着火する様子はなかった。
天然素材、不燃性、原価無料。
「これはいい!」と思ったところで、思い出したことがある。
【デンマークや中国には、海藻葺きの屋根の家もある】
以前、名古屋の女子大で教鞭を取る建築の専門家から、
「デンマークには海藻葺きの屋根がある」と、教えられていたのだ。
海外の人から見れば、日本の藁葺きや茅葺きの屋根も驚きだろうが、
海藻を好んで食べる私たちにすれば、
それで家屋の屋根を葺くなど、想像外の工法である。
確か、その話を初めて聞いた時も、
「雨が降ったら出汁(だし)が染み出るのだろうか」などと、
くだらない想像をして、ニヤニヤしていたことを覚えている。
しかし真面目な話、
島国日本は海藻天国なのに、なぜ、デンマークのように、
それらを建材や家具の材料にしなかったのだろう?
早速、デンマークで使っている海藻の種類を調べたところ、
瞬時に回答にたどり付くことが出来た。
使っているのはアマモだそうだ。
アマモなら、日本にも昔からたくさん生育している。
今でも、沖縄各地の浅瀬の砂地に生えているのをよく目にする。
というか、アマモはデンマークや日本以外でも普通に見られる海草だ。
※アマモは「海藻」ではなく「海草」である。
「海藻」は根と茎と葉の区別が判然としないが、
アマモなどの「海草」は草花のようにそれらがハッキリ区別できる。
なのに、なぜデンマークだけ……と思ったのだが、調べていくと、
中国のある集落にも、海草葺き屋根の建物があることがわかった。
ここでも材料は、アマモの仲間を使っているそうだ。
【究極の天然素材、アマモ。しかし日本沿岸では減少の一途】
要するに、アマモの特性に気付いた人たちがそれを建材にし、
気づかなかった人たちは使わなかった。そういうことだろう。
我ながら、実に大雑把な結論だと思う(笑)。
むしろ大事なのは、というか、注目したいのはアマモの特性である。
毒性なし。耐火性抜群。しかも耐水性に優れているらしい。
おまけに絶縁体でもある。
日本でも、このエコなスーパー素材を活用しない手はない。
と、言いたいところだが、今、日本沿岸のアマモは急速に減少している。
先ほど名前を挙げた沖縄県でも、
ボランティアたちが懸命に植え付けをして、藻場を維持している状況だ。
ということで、今回のテーマはアマモに限定せず、
海藻や海草の多彩な用途開発にビジネスチャンスあり、である。
【ローテクからハイテクまで、無限に広がる海藻(海草)ビジネス】
すでに「コンブ発電」の研究も進んでいる。
微生物を使ってコンブからメタンを発生させる仕組みだ。
いわば、水産バイオマス発電である。
一方、海藻の抗腫瘍作用や抗血圧作用、抗動脈硬化作用、
抗血栓作用、抗菌作用などに着目した医薬品開発の研究も盛んだ。
もちろん海藻は農作物の肥料になることも知られている。
化学肥料と違い、海藻は長く使用しても地力を衰えさせることがない。
また古くから、そばの「つなぎ」にも用いられてきた。
海藻つなぎで有名なのは新潟県の「へぎそば」だが、
そういう製法に至ったのは、
もともと同地方で盛んだった染色に使用する「のり」として、
大量に確保していた海藻を転用できることを発見したからだ。
さらに三重県では海藻で作った折り紙もある。
折った鶴を写真で見たが、何とも愛らしかった。
活用例はまだまだある。
いわばローテクからハイテクまで、
海藻の可能性は無限と言ってもいいほどに広がっている。
国土のすべてが海に面した日本ならではの競争力の源泉として、
もっと多くの人が、海藻や海草の事業化に注目して欲しいと願う。
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お知らせ1
アントレフェア in 東京 増田代表の講演もあり
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9月13日(金)14日(土)に、東京ドームシティ プリズムホール
で開催される「アントレフェア in 東京」。14日は増田代表の講
演もあります。入場無料・事前入場申込みはこちら
https://entrenet.jp/fair/index.htm?cc=eventfairtop0001
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お知らせ2
次回の東京での頭脳交換会は11月下旬
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東京での頭脳交換会が9月2日に開催されました。
早くも次回はいつ?のお問合せをたくさんいただいておりますが、
次回は11月下旬、またも平日の夕方から、新橋で開催する予定です。
日時決定次第、NICeサイトで公開し、プレゼンターも募集します。
お楽しみに!
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┃ ┃ ┃ ┃ ┃編┃集┃後┃記┃ ┃
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海藻の名産地は、日本各地にありますが、
みなさんは真っ先に、どこを思い浮かべますか?
私は、岩手県普代村と宮城県南三陸町です。
その南三陸町から、先月末に嬉しい知らせをいただきました。
震災で崩壊してしまった、荒嶋神社の大鳥居が、
8年4カ月ぶりに再建され、式典が行われたとのこと。
https://www.facebook.com/areshimaproject/
当時、この再建プロジェクトを教えてくれた旧友とも
数年ぶりに話す好機にもなり、嬉しかったです。
それもきっと神社の神様のおかげですね。ありがとうございます。
次号の「つながり力で起業・新規事業!」NICeメルマガは、
9月24日頃に配信予定です。
(NICe広報・岡部)
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増田紀彦代表およびNICe会員への
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http://ws.formzu.net/fgen/S41692880/
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