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新たなつながりで誕生した新たなビジネス事例、その起点となる発想と実現へのポイントを紹介
「事例に学ぶ! 新事業実現法」第40回/河村知明さん(北海道帯広市)未来へ、より良い社会を継ぐために。個々の知恵と志を結集し、子どもと大人が共に育ち合う地域文化環境づくりへ


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    「事例に学ぶ! 新事業実現法」

  第40回
  未来へ、より良い社会を継ぐために。個々の知恵と志を結集し、
  子どもと大人が共に育ち合う地域文化環境づくりへ
         
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 北海道帯広市/NICe正会員・河村知明(かわむら・ともあき)さん
 デジタルグラフィックス株式会社 代表取締役
 http://www.clione.ne.jp/
 特定非営利活動法人ぷれいおん・とかち 理事
 http://www.play-on-tokachi.net/
 NICe会員情報はこちら
 http://www.nice.or.jp/category/members/members-hokkaido
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◆主体的に行動することで人脈を広げ、自分にできることで地域に貢献

『三つ子の魂、百まで』というが、年齢とは関係なく、
後に趣味やライフワークへと発展するきっかけのひとつが感動体験だ。
北海道十勝地方・帯広市で、Web制作会社を営む河村さんもそのひとり。

高校時代に山岳部で部長を務め、自然の素晴らしさに魅せられてきた。
仲間と一緒に感動する喜びと同時に、環境問題に関心を持ったことが、
その後の、河村さんの幅広い活動へとつながっている。

20代は、ニホンザルの生態調査に従事し、日本各地へ。
1999年には環境省(当時)と農山漁村文化協会後援のフォーラムで
広報統括を担当し、活動を通じて妻・奈々江さんと出会い、
地元帯広へUターンして結婚。その間に身につけた
webの知識と経験を生かして、デジタルグラフィックス(株)を設立した。

本業の傍ら、十勝の基幹産業である農業支援をはじめ、
食と健康フォーラム主催、地産地消推進の『とかち晴れプロジェクト』運営、
有機農家と子育てママをつなげる『おむかえマルシェ』コーディネート、
会社では高校生インターン受け入れ、短大と専門学校では非常勤講師、
さらに、帯広市PTA連合会の総務委員長も務める。
そして2012年から、NPO法人ぷれいおん・とかちの理事に就き、
0歳から小・中・高校生まで、 年齢に応じたあそびや体験活動に尽力。
先日は、台風で被災した近隣町村のチャリティイベントを同級生らと開催。


◆家庭や学校とは別の居場所づくり、異世代と感動を分かち合える場を提供

河村さんが理事を務めるNPO法人ぷれいおん・とかちの歴史は、
42年前に誕生した市民活動「十勝おやこ劇場」にまで遡る。
テレビ画面ではなく生で、舞台芸術や文化に触れる機会を子どもたちへ、
との想いから始まり、以降、人形劇やコンサートなどに加え、
読み聞かせ、キャンプ合宿、スキー、放課後教室、アート体験など、
生活体験プログラムを拡充。2006年に法人化した。

「理事と言っても、すでにお母さんたちが自主的に活動されていて、
私の役目はイベントの裏方だったり、『子ども笑点』で役を演じたり。
要は、なんでも係です(笑)」

子どもがいれば、親は行事やPTAなどで地域に関わる機会があるが、
子の成長と共に大人の出番も減る。しかし、ぷれいおんでは、
かつての子どもが青年となり、キャンプの引率役を担ったり、
子どもが独立した先輩ママたちが、自主的にバザーや部会を開いたりと、
継続して活動に関わってくれるという。


◆感動を共有する仲間がいればパワー倍増、自分の役割を現役で発揮

河村さんはかつてニホンザル調査に関わり、環境保全を訴えてきた。
今でこそ環境問題は市民権を得ているが、当時はまだまだ。
批判や嫌がらせを受けるようなこともあったという。

出る杭は打たれる。だが、河村さんは信じていた。
自分にできることをコツコツと続けていけば
いつか、どこかで、同じ志を持つ人に出会えるだろうと。

「市民活動が世に浸透し、さらに国が動くまでには時間を要します。
でも、自分にも子どもが生まれて、
この子たちに何を残せるか、故郷の未来に何を残せるだろうかと考えて、
人ひとりの生き方をちゃんと見つめ直そうと。そのために、
社会と関わり、人と関わる中で、自分にできることをしていこうと」

まさに「自分にできること」で集う同志が、ここにはいる。
異なる世代・異なる業種・異なる状況の個々人が、
自分の役割を果たすことで、脈々と活動を受け継いでいる。
そんな大人の背中を、十勝の子どもたちは、しかと見つめているはず。
そこに感動を共にする仲間がいれば、
なおさら心に深く刻み込まれていくことだろう。


2016.9.21 
「つながり力で起業・新規事業!」 メールマガジンVol.46

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