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新たなつながりで誕生した新たなビジネス事例、その起点となる発想と実現へのポイントを紹介
「事例に学ぶ! 新事業実現法」第38回/大坪潤次さん(鹿児島県鹿児島市)ひとり一人が自分の強みを知り、生かし、幸せな仕事人生を。あきらめずに同志の輪を広げ、人間力向上を事業化


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    「事例に学ぶ! 新事業実現法」

  第38回
  ひとり一人が自分の強みを知り、生かし、幸せな仕事人生を。
  あきらめずに同志の輪を広げ、人間力向上を事業化
         
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 鹿児島県鹿児島市/NICe正会員・大坪潤次(おおつぼ・じゅんじ)さん
 A-cube株式会社 代表取締役社長
 http://acube8.com/
 NICe会員情報はこちら
 http://www.nice.or.jp/category/members/members-kyusyu
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◆理不尽な処遇・時代変化に左右されない、己の生かし方を模索

働きに見合わない低賃金、肩書きだけのリーダー、
顧客とのトラブルを部下のせいにする上司、
入社前後で手のひらを返す経営者……。それらが反面教師となったのか、
より良い仕事人生をサポートしたいと、尽力しているのが大坪潤次さんだ。

いずれ雇われずに生きたい、と最初に大坪さんが思ったのは高校時代。
アルバイト先のファーストフード店でのことだった。
2年めにはすべてのオペレーションができるまでになり、
人を育てる経験も喜びも味わった。だが、会社方針により、
年上の新人のほうが200円も時給が高い。直訴するも
「嫌なら辞めてもらっていい、代わりはいくらでもいるから」と。

大学生の時には派遣のバイト先で、結婚式場に初出勤した際、
現場オペレーションの酷さに呆れた。
スタッフミーティングも進行説明もなく、いきなり始まる披露宴。
参列者の前で、スタッフを大声で罵倒する黒服、不統一な配膳…。
「新郎新婦が気の毒だ」と祝宴後に大坪さんは責任者に直訴。
「バイトのくせに生意気だ!」と口論になるも、その後、
披露宴マニュアルを作成し、人材教育のための講習を企画し、
派遣会社の売り上げに大きく貢献して認められた。

この派遣会社から人材育成能力を買われ、
福岡店の立ち上げ責任者にならないかと声がかかったのは、
大学卒業後にゼネコンへ就職して2年めのこと。
給料は半減するが、「いずれは独立」の言葉を信じ転職を決意した。
事業を軌道に乗せ、億を越える売り上げで会社に貢献するも、
社長と懇意だった顧客からの1本のクレームで、関係は決裂。
福岡での旗揚げのため、自腹を切って経費に充ててきたが泣き寝入り。
ゼネコン時代の貯金は底を尽き、借金まで背負っていたのに……。


◆人材育成の重要性を改めて体得し、キャリア&経営コンサル事業へ再注力

雇われずに生きたい。が、どうやって?
不安なまま通い始めた職業訓練校で、大坪さんは天職を知った。
当時まだ新しかった分野・キャリアコンサルティングだ。
「高校のバイト時代から、得意分野を生かし、のばし、
前向きに、主体的に、より効率よく改善していくことで、
自分も職場もお客さんも幸せになると、思って実践してきました。
体系的に研究されているキャリコンの知識があれば、
自分の人生も違っていただろう、泣き寝入りせずに済んだだろうと。
なぜ、こんないい考えが教育されていないのか、広がらないのか。
ひとりでも多く、1秒でも早く、広めたいと思ったのです」

そこからキャリアカウンセリングとコーチングの勉強を開始。
様々なセミナーや交流会にも関わりながら、知識も経験と人脈を築く。
こうして 2005年、キャリアコンサルタントとして独立。
若年者のキャリアコンサルティング業務を行う一方、
経営者を対象としたコーチングやコンサルティング、
企業、学校、団体でのセミナー講師も務めるようになった。

2008年には立元昭子氏と共同経営でA-cube(株)を設立し、
緊急人材育成・就職支援基金による職業訓練(基金訓練)に貢献。
だが政権交代により、当初5年計画だった基金訓練は3年間で終了。
事業計画は変更を余儀なくされたが、より良い仕事人生をサポートしたい、
人を育てたい、という本懐に変更はない。

「どこに属していようが、世の中が変わろうが、
自分の強みを知り、それを生かすことでいかに仕事人生に喜びを感じられるか。
そのためにも、まずは自分を知ることが第一です。
素直に、自分は何がしたくて、何を大事に思い、何を求めているのか。
同時に、感性が合う人と出会ったら、その人に対しても同じように考える。
苦しいこと、大変なことも多々ありますが、それもまた成長の糧ですから」

「動機善なりや、私心なかりしや」
大坪さんが心かげている「利他の心」は、
雇われずに生きる・雇って生きる・雇われて生きる、いずれにしても、
己を生かして世の役に立つことが幸せに通じると、身をもって伝えてくれる。


2016.4.21 
「つながり力で起業・新規事業!」 メールマガジンVol.41

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