「事例に学ぶ! 新事業実現法」第35回/住田正則さん(京都府京都市)福祉・介護事業所と伴走しながらトータルサポート。同志による“裏方の連携”を目指し社団法人設立
■□■───────────────────────────■□■
「事例に学ぶ! 新事業実現法」
第35回
福祉・介護事業所と伴走しながらトータルサポート
同志による“裏方の連携”を目指し社団法人設立
■□■───────────────────────────■□■
┌───────────────────────────────┐
京都府京都市/NICe協力会員・住田正則(すみだ・まさのり)さん
夕映舎(行政書士・社会保険労務士登録事務所) 代表
http://www.yueisya.com/
一般社団法人 福祉介護事業志援 夕映舎 代表
http://yueisya.org/
NICe会員情報はこちら
/members_kansai.html
└───────────────────────────────┘
◆「人が大事。」をポシリーに、労務・法務の裏方として中小企業を応援
立場や職域を越えてベストを尽くそうとすると、
良くも悪くも「おせっかい」と呼ばれることがある。
だが、すべてが、いらぬおせっかいとは限らない。
ごくごく自然に、当たり前のように他者を大事にすることで、
信頼と実績を生み出しているのが、「夕映舎」代表の住田正則さんだ。
大学卒業後、働きながら行政書士試験を受験するも、
その翌日に勤務先を解雇され、ハローワークの職業訓練へ。
そこで社会保険労務士資格を知った住田さんは、再び受験勉強に邁進する。
見事、両資格ともに合格するが、しばらくは職を転々。
2005年から士業の専門家が50人ほど所属する会計事務所に勤務し、
総務を3年間経験した。一念発起したのは2008年の正月。
クライアントの目処もないまま、
社会保険労務士・行政書士事務所「夕映舎」を設立し、独立した。
「無謀というか、楽観的というか(苦笑)。
自分で区切りをつけたくて、よし今年だ!と突然思い立ち開業しました。
一般的に社労士というと、労務管理や人事制度、給付計算、助成金、
帳簿書類作成など、専門業務に特化する人が多いのです。
でも私は、おせっかい焼きなんですよ(笑)。
ここまでが自分の職域だと枠を定めず、労務・法務の裏方として
一緒に走って汗かいて、痒い所に手が届く対応をしたいと思ったのです」
◆福祉・介護事業所の新設&経営者の夢実現へ向けて尽力
開業から数ヶ月後、アジアから帰国した友人が、
「関西空港からの道案内が外国人には不親切すぎる」と憤慨したのを機に、
日本で働く(働いていた)外国人の年金の脱退一時金手続き代行を開始。
また、経営者や一般の人が、遺言や相続、年金などについて
気軽に相談できるよう、「はあとメール」の配信も始めた。
ちょうどその頃、「訪問介護事業所を新設したい人がいる、
手続きを手伝ってあげてくれないか?」と仲間から声がかかった。
自称・おせっかいの性格がまたまた顔を出し、事業所新設に尽力。
2008年6月、開所にこぎつけ、
現在では10数カ所の事業所を有するグループ会社へと成長中だ。
今もなお、裏方としてサポートしている住田さんは、
自分と志を同じくする専門家仲間がさらに必要だと思うようになった。
ますます、福祉介護事業所が必要とされる高齢化時代だからだ。
◆超高齢化時代へ向け、福祉介護と法務労務の専門家ネットワークを
職域にこだわらず、“おせっかい”に尽くせる士業仲間を増やし、
福祉・介護の専門職の人たちと連携し協力し合う。そのことで
介護現場で頑張る人々の負担を減らし、より良いサービス提供が生まれ、
町全体が、世の中が、もっと幸せになれる……。
そんな想いから、2013年8月、住田さんは、
一般社団法人福祉介護事業志援 夕映舎を設立した。
「福祉介護の分野は必要な届け出も多く、書類も複雑です。
法律的なことも多いうえ、制度が頻繁に変わるためとても難儀。
大手ならば、人材も豊富でしょうし、コンサルにも頼めるでしょう。
でも小さな事業体、民間の訪問介護系は、
自分たちで何もかもやらなくてはならず大変です。
まさに士業の専門性と行動力が求められているのです。
私のように一緒に汗をかこうという仲間を増やし、
時代の裏方同士の橋渡しができればと」
労務管理も福祉介護の現場もまた、人が人に行うサービスであり、
「人」を支えようという思いを同じくする同志。
そんな住田さんの考えに賛同し、
今、じわじわとおせっかい熱が全国各地へと伝播中だ。
2015.10.26
「つながり力で起業・新規事業!」 メールマガジンVol.35