増田紀彦から3.11メッセージ【あの日を境に】
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NICe増田紀彦代表から3.11メッセージ
あの日を境に
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あの日、私は風邪をひいていたせいで、自宅で横になっていた。
カタカタカタ……と、家具が揺れ出し、
「地震だ」と思った直後に、
ガタガタガタ、ガガガガガと、経験したことのない振動に襲われた。
揺れは止まらない、終わらない、
それどころか、時間が経つほどに大きくなっていく。
ただ、不思議なことに、恐怖はなかった。
「とうとう、この日が来たか……」。
デスクの足にしがみつきながらも、気持ちはサバサバしていた。
揺れが止み、思ったほどの被害ではなかったと落ち着いてからが、
本当に大変な事態の始まりだった。
あれほどの揺れだったから、私はてっきり東京周辺が震源だと思っていた。
だが、そうではなかった……。
少しあとに、「東日本大震災」と呼ばれることになった地震の威力は、
現代人が想像できるレベルをはるかに超えていた。
自宅にいた私は、すぐにテレビのスイッチを入れた。
しばらくテレビは東京周辺の被害状況を映し出していた。
やがて、津波が東日本の太平洋沿岸に達するという情報が流れた。
それから、さほどの時間はかからなかったと思う。
テレビは宮城県の上空を旋回するヘリからの映像を流した。
本当に、津波が押し寄せてきた。
命が奪われていく瞬間の中継……。
我が目を疑う、というよりも、
我が目が捉えている映像の意味が理解できなかった。
気付けば、携帯もパソコンも使えない。
私がNICeのSNSに第一声を投稿できたのは、日が暮れた頃だった。
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◎2011年03月11日 17:57
『地震 まだまだ注意を!』
私の自宅の隣家、そのまたお隣りも屋根の瓦が落ちてしまっています。
東京でこの被害。震源地近くが心配です。
いったい、どれほどの被害なのか…。
まだ余震も津波も懸念されます。
皆さん とにかく今は注意。
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この段階でも、まだ、事態の全容がわかっていない様子。
一夜明けた3月12日、
ただならない状況であることが、かなりわかってきた。
そして、私は以下のコメントをNICeのSNSに投稿した。
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◎2011年03月12日 11:49
【重要】被災地支援について
本来は全参加者宛てにメールでお知らせしたかったのですが、
私のネット回線がいまだ復旧せず、パソコンからSNSにアクセスできないため、
やむを得ず、携帯からの日記書き込みという方法でお知らせさせていただきます。
(ネットが復旧しましたら、あらためて皆さんにメールいたします)
皆さんご存じのように、昨日発生した大地震により、
東日本の太平洋側をはじめ各地で甚大な被害が発生しています。
NICeの仲間たちの中にも被災された方が少なからず出ております。
また、ご家族の安否が確認できない仲間もいらっしゃいます。
あらためて被災された方々とご関係者の皆さんに心よりお見舞い申し上げます。
そして、命を落とされた多くの方々のご冥福をお祈りいたします。
さて、ほどなく地震発生から1日が経とうとしていますが、
いまだ全容がわからないどころか、
地域によっては火災等の被害がさらに広がっているようにも見受けられます。
この段階では人命救助と被害拡大阻止、被災者の方々の生活支援が優先されます。
これらの支援活動は
国や自治体をはじめとした専門機関の活躍に期待するよりありません。
こうした救援活動がいつまで続くのか、今の段階ではわかりません。
しかし、必ず復興に向けて動き出す時が来るはずです。
この時、NICeがお役に立てるものと思っています。
災害復旧は長い戦いです。また、多方面に渡る支援も必要でしょう。
起業家精神とつながり力にあふれる私たちの出番は、間違いなくやってきます。
全国ネットワークのNICeには、
阪神・淡路大地震や中越大地震をくぐり抜けてきた仲間もたくさんいます。
これらの仲間や、知恵と連帯感にあふれる多くの仲間の思いとアイデアを結集し、
復興のお役に立ちたいと考えています。
週が明けたタイミングで具体的な取り組みを提案したく思います。
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震災発生から24時間も経ないうちに、
私はNICeが復興支援に取り組む、取り組めると言い切っていた。
正直、8年前の自分の決断の速さに驚いてしまう。
恐らく、「火事場の馬鹿力」だったのだろう。
実際、時間の経過とともに、出番は確実に回ってきた。
それから、もう8年が経つ。
昨今の世の変化のスピードを基準にすれば、8年間は長い。
しかし私は、しつこく「復興のお手伝い」を続けてきたわけではない。
気付けば応援のつもりが、
被災地の方々の頑張りに胸打たれ、時には学び、
また時には、「こんな私の一言が力になるのか」と自信を与えて頂き、
いつしか、こういう素晴らしい人たちと、
こういう胸ときめく付き合いを重ねることで、
ともに日本の未来を拓いていけると、「普通に」思うようになっていたのだ。
振り返れば、あの日を境に、私はそういう人生感を持つようになった。
励まし合い、学び合い、支え合い、鍛え合う……。そういう生き方だ。
NICeが掲げた「つながり力」のなんたるかを、
私は、震災以降の日々の中で実感することになった。
そして私は今、確信している。
人は、必ず人の役に立てるのだと。
そして、人は、必ず人によって救われるのだと。
東日本大震災の被災者の方々の苦労や苦痛は、今も消えてはいない。
それどころか、その後も間断なく災害が列島各地を襲い、
むしろ、悲しみと苦しみを胸に日々を生きる人の数は増える一方だ。
だが、「あの日」を境に、つながる生き方を選んだ人々が、
私以外にも、この国にはたくさんいるはずだし、
各地で痛ましい災害が起きるたびに、
そういう人々が新たに輩出されていくはずである。
というか、そうでなければならない。
だから私はこれからも、声の限りに、
つながり力の威力を訴え続けていこうと思う。
3月11日に際し、あらためて合掌。
さあ、皆さん、明日からまた頑張りましょう!
<一般社団法人起業支援ネットワークNICe 代表理事 増田紀彦>
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「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジン特別号
(2019.3.11配信)より抜粋して転載しました。
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