増田通信より「ふ〜ん なるほどねえ」157 安らかな眠りに就ける時

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<最近の発見> 安らかな眠りに就ける時
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「人は二度死ぬ」。
何かの小説の中で目にした言葉だ……。
9月、女優の樹木希林さんが逝去された。
彼女のファンは、芸能界内外にとても多いようで、
テレビは連日、彼女が生前に残したコメントの数々を紹介していた。
その中で、ちょっと驚かされた言葉があった。
「私が死んだら、私のことを思い出したりしなくていいですから」。
私自身は、自らの死後、周囲の人々が何を思うかなど考えたこともなく、
彼女が、なぜそんな言葉を思いつき、発したのか、察することができない。
ただ、とても強い自我を感じる。
自分の人生は自分のものであり、それが終了した以上、全ては無なのだと。
いや、とんだ見当違いの感想を書いているのかもしれない。
一方、冒頭で紹介した小説の言葉の真意はこうだ。
人はまず、肉体的な死を迎える。
やがて、その人のことが忘れられていく。その時が二度目の死だと。
この考え方を逆から捉えると、
亡くなった人のことを、決して忘れない人が一人でもいる限り、
亡くなった人は、二度目の死を迎えることはない、ということになる。
しかし、その「忘れないたった一人」も、いつかは死を迎える。
その時、先に亡くなった人は、
小説家の言葉を借りれば、間違いなく二度目の死を迎えることになる。
ただ、こういう二度目の死は、決して悲しい話ではない気がする。
自らの死を悲しむ人を、この世に残してしまったという痛苦から、
ようやく魂が解放される……。私はそんなふうに感じてしまう。
だから、人は二度目の死で、本当に、
安らかな眠りに就くことができるのかもしれない。
樹木希林さんの魂は、ご本人の要望にかかわらず、まだ当分お忙しそうだ。
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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)
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へ、感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜ん
なるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第157号(2018/1009発行)より一部抜粋して掲載しました。
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