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NICe頭脳交換会 in 会津(福島県)レポート








2016年5月21日(土)、福島県会津若松市にて「NICe頭脳交換会 in 会津」が開催された。頭脳交換会とは、プレゼンターが自身の事業プランや課題を発表し、それをもとに参加者全員が「自分だったら」という当事者意識で建設的なアイデアを出し合い、ブラッシュアップや問題解決を図るもの。同時に、互いの経営資源を生かし合い、やがては参加者同士が連携して、新規事業を生み出そうというNICe流の勉強会のこと。これまで全国各地で開催しているが、会津若松市では初。市内をはじめ、会津エリアの喜多方市、磐梯町、西会津町、会津美里町、下郷町、柳津町、金山町、只見町、また福島県各地や秋田県由利本庄市、さらには埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県から36名が参加した。

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関東からは“NICe大人の遠足”と題し、埼玉県大宮からレンタカーに相乗りして会津へ。翌日の復路では、NICe増田紀彦代表理事が2014年から福島県6次化コーディネイターとして支援してきた、南会津地方・下郷町の2組の事業所も訪問。その様子は、またNICe頭脳交換会レポートの後で。

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NICe頭脳交換会 in 会津



オープニング

司会進行を務めたのは、喜多方市慶徳町(けいとくまち)でアスパラガスを生産している「おおたけファーム」の大竹律子さん。「ようこそ会津若松へ!」と、朝4時半からの農作業を終えて駆けつけたとは思えない元気な一声で開会宣言。



最初のプログラムは、NICe恒例「つながりワークショップ」。これはNICeオリジナルの交流ワークで、名刺交換や肩書きだけではわからない、その人の“人となり”、人としての経験や資源や想いを短時間でわかり合うというもの。


▲ファシリテーターは、NICe小林京子理事。参加者ひとり1枚ずつ配布されているA3サイズのシート『つながりQ8(キューハチ)会津スペシャルヴァージョン』には、中央に氏名欄があり、周囲に「仕事はこれです」「ここに住んでいます」「持っていません、足りません」「持っています」「得意です」「嬉しかった!」「会津って、こんなところです」「会津と言えばコレ!」の8個の空枠がある。考案者の小林理事が4分間で記入するよう告げると、みなさん一斉に記入開始。




記入タイム終了後、どの地域から参加したのかを挙手。会津地域からが半数近く。中には会場まで徒歩15分という参加者がいる一方で、会津若松市と同じ「会津地方」でも、車で2時間(雪の季節は3時間以上)という奥会津・只見町から参加された方も。他地域からの参加者は、改めて会津地方の広さに驚いた様子。




続いて全員が起立し、一人ずつ「会津って、こんなところです」「会津と言えばコレ!」の項目に何を書いたのかを発表。同じ回答があれば着席するよう小林理事指示した、が……。回答は千差万別で、なかなか着席率が上がらない。それほど会津の資源は多彩ということか



・鮎釣りができる
・懐かしい田舎
・果物がおいしい
・若い人が頑張り始めた
・ひとくくりにできない奥深いところ
・気取りのない地方の穏やかな城下町
・森林豊か
・盆地
・山と田んぼと湖
・景色が美しい
・川が出会い運河で出会う
・雪が多い
・会津藩
・白虎隊
・お城
・ならぬことはならぬ
・会津の人柄を集約した言葉「会津三泣き」
・職住近接で住みやすい
・良い街
・会津木綿
・ソースカツ丼
・城と酒
・あかべこ
・只見線、只見川
・ラーメン
・アスパラ!



「尽きませんね(笑)、ありがとうございました! では、Q8シートをグループ内で見せ合って自己紹介してください」

5,6人ごとに着席しているグループ内は初対面が多かったが、あちこちから笑い声が上がり、わすか数分で和やかな雰囲気に包まれていった。






NICe頭脳交換会 前哨戦
「会津美味しいものワーク」


ファシリテーター NICe増田紀彦代表理事



「今週は5泊6日、先週は3泊4日、来週は2泊3日で会津若松に来ています、年間の半分を福島県内で過ごす東京都目黒区の増田です。

さて、今日はこの後、5組のプレゼンターに事業課題を話していただき、みなさんからアイデアをいただくNICe頭脳交換会を行います。その前に、これからまず頭を柔らかくします。頭が固いとなかなかアイデアは出ませんから。アイデアは急には思いつきませんが、実は、思いつくようにする方法があるのです。
それをこれから体感していただきます。難しいテーマではありません。みなさん誰でも興味がある、食べ物と、美味しいものがたくさんある会津、それらを組み合わせていきます」

各グループのテーブルには、2色の付箋の束が配布されている。増田代表は、会津地方からの参加者には色付き付箋に「会津の食材や資源」を、会津以外からの参加者にはもう1種類の茶色の付箋に「老若男女に幅広く好まれる一般的な料理や惣菜、スイーツなどの名前」を記入するよう伝えた。

「会津の人は、会津の資源です。食べ物の素材や原料、たとえば麹、味噌、アスパラとか。食べ物以外でもかまいません。また会津以外の人は、一般的に良く食べられている、売れている料理名を書いてください。カレーライス、パスタ、麻婆豆腐、いろいろありますね。(配布されている福島県の地図を示し)さて福島県は、埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県のいわゆる1都3県を足した面積よりも広く、日本で第3位です。県内を見回すと、浜通りには海があり、中通りは平野、そして会津は盆地あり、山あり。それだけに多彩な文化や産業、食材が存在します。まずは付箋1枚に1つ、書けるだけ書いてみてください。次に、それら会津の資源と、会津以外の人が書き出した人気メニューとを足してみてください。例えば特産のトマトやアスパラ、会津地鶏にパスタを足してみれば『夏の会津冷製パスタ』なんてできますよね。こんな感じでネーミングもしてみてください。さらに容器として、会津漆器を使う、箸には桐製品を使う、という具合です。では、ディスカッションスタート!」



▲▼4、5人が着席している各グループは、会津地方と会津以外からの参加者数がちょうど半数ずつ座るように指定されていた。スタートから数分、会津地方の人も県外からの参加者も互いに協力しあって、「会津と言えばアレ!」「人気メニューと言えばこれもあるよね!」と、配布された付箋に次々と思いついた資源と料理名を書き込んでいった。しまいには、「タイムアップです!」との増田代表からの声も聞こえないほど、ヒートアップする各グループ






▼付箋記入は約5分、組み合わせのシンキングタイムは6分間。その中から各グループ厳選したアイデアをグループリーダーが2つずつ発表していった。発表の度に増田代表から、「季節ごとに食材を変えてもいけそうですね。あと1色入れるとしたらどんな素材がいいでしょう?」「こんな人へ、とイメージして考えているのがいいですね」など、商品開発に大切なポイント解説も




最後に、「いかがでしたか? 急にやってもアイデアは出ましたよね。理由はふたつあります。ひとつは、そういう方法で実践したから。ちなみにこれは組み合わせ発想法と言います。もうひとつは、これだけの人数がいたからです。他者の意見を聞いて、それならこういうのもあるよね?と発想が広がったことを今、みなさんまさに実感されたと思います。大勢でアイデア出しをすると、意外な発想がどんどん広がりますね。さぁ、休憩後はいよいよ頭脳交換会です。プレゼンター本人以外はどうぞ気楽に(笑)、今のように面白い知恵をどんどん出してください」



NICe頭脳交換会

○プレゼン1

「お味噌のパッケージをリニューアルしたい」



目黒大地さん 福島県南会津郡只見町
目黒麹店
http://megurokouji.com/


会津若松まで車で約2時間、新潟県ほうが近いという只見町から参加した目黒さんは、明治32年創業の老舗麹店の7代目。こだわりの天然醸造味噌『極みそ』と、増田代表もお墨付きという自家製生麺を持参して、プレゼンに登壇した。お味噌の原料はすべて国産で、添加物は一切使用せず、只見の清らかでおいしい水で仕込み、豪雪地帯ならではの雪蔵でじっくり低温熟成させた天然醸造。そのため、味噌のコクとうま味がより深くなる自慢の味。目黒さんは4種類のお味噌の中から、特に『極みそ』について紹介し、今後パッケージをリニューアルする考えを述べ、アイデアを求めていると語った。

参加者はミニスプーンでさっそく味見し、感想を述べ合った。この『極みそ』は、麹歩合18歩(大豆1に対して麹1.8の割合)で麹の甘みがあり、ほかの製品よりやや甘めとの説明だったが、会津地方以外からの参加者からは、「旨味は深い!けれど、甘みそという印象とは違った。むしろ辛め」「キュウリに着けて食べたい!」「味が強いので味噌おにぎりにしたい!」などの感想も。



増田代表「先日、会津のメンバーで食した時は、『甘い』という意見だったですが、今、関東から来た人の感想はまた異なりましたね。地元でどう売るか、また地元以外ではどう売るか。それにより狙うお客さんが変わるということです。当然パッケージも変える必要があるかもしれません。では、どのような客層をイメージし、どのようなパッケージにリニューアルしたらいいか。さっそくグループ内で話し合ってみてください。その後、アイデアを発表していただきます。ではシンキングタイム、スタート!」



▲シンキングタイム終了後、各グループから発表。容器の素材候補、客層を具体的にイメージした容量・サイズ案、容器デザインのアイデア、その場合の陳列場所、仕入れ先の候補、セット販売の組み合わせ例、ネーミングの改良案、リピーター獲得のための販売システム案、訴求ポイントのメリハリ案などなど、さまざまなアイデアや応用案が発表された。シンキングタイムはわずか5分間と短時間だったが、誰に売るかで訴求も変わる!素晴らしいアイデアの数々に場内互いに拍手喝采!
※目黒麹店 Webからのご購入はこちらから
http://megurokouji.com/product
福島県南会津郡只見町大字只見字田中1220番地



○プレゼン2

「獣害対策支援のお米、誰に売る?」



渡邊憲子さん 福島県耶麻郡磐梯町
特定非営利活動法人おーでらす
http://www.ohderasu.com/


渡邊さんは、自然環境を含めた地域の魅力を活かし、自然も人もイキイキと“おーでらす”(只見地方の山言葉で「太陽」の意)のように輝ける未来の地域づくりを目指して活動するNPOのメンバー。その取り組みのひとつが、野生動物による農作物被害に悩む農家を応援すること。そのために商品化し、販売しているのが『獣害対策寄付金付 会津産お米』だ。かつて雪国にはイノシシが出ないと言われてきたが、環境の変化により、近年ではクマやサルに加え、イノシシによる農作物被害が増えているのだという。渡邊さんらは、野生動物を一方的に排除するのではなく、それらが暮らす豊かな自然と、そこに暮らす農家さん、両方がイキイキと暮らせるよう、共存を目指したい考え。そのために、寄付金付きのお米を販売し、売り上げの10%を電気柵の普及・指導・貸し出しなどの設置費用に充てている。この取り組みをもっと広く普及し、『獣害対策寄付金付 会津産お米』の販売数をのばすためのアイデアをいただきたいと、プレゼンをしめくくった。

増田代表から補足説明として、県内に限らず日本各地で問題となっている野生動物の農作物被害や、関連して市町村間でトラブルが生じていること、行政の指導方法などについても言及。
「では、どのような人たちへ、どう訴求していけばいいでしょう。また販売方法のアイデアや、購入しやすい場所などについても、グループ内で話し合ってください」




▲▼シンキングタイムは4分間。にも関わらず、発表時には複数のネーミング案、活動に賛同していただけそうな団体名、新たなジビネスモデルや、類似した会員制度の紹介、価格設定への視点・アイデア、パッケージや容量、販促ツール、教育機関との連携、獣害対策と休耕田解消との関係性をデータ化するなど、続々とアイデアが提案された
 

※おーでらす 会津産ひとめぼれ【獣害対策寄付金付】ご購入はこちらから
http://www.ohderasu.com/通信販売/会津産ひとめぼれ/


○プレゼン3

「目玉ジャムの販路は?」



成田健太郎さん 福島県会津若松市
みのり果実園
http://e-ringo-minori.com/web/


ブルーベリー専門果樹園「みのり果樹園」の成田さんは、昨年2015年3月14日に福島県福島市で開催した、NICe頭脳交換にプレゼンターとして登壇している(参考レポート http://www.nice.or.jp/archives/28290 )。その時に、「家族には内緒で、自慢のブルーベリージャムを考案中」と語り、アイデアを求めていた。それから1年2カ月。同会に参加していたデザイン会社経営の西尾望さん協力のもと、まもなく製品化する運びとなり、今回は瓶の新デザイン画像をお披露目した。ブルーベリーは目にいいとのことで、販売は2瓶で1セット、ちょうど両目になるようなデザインになっている。ジャムはもちろん自慢の大粒ブルーベリーを贅沢に使い、砂糖とレモン汁のみの無添加で、1瓶110gの予定。主に観光客向けに、遅くとも来年からの販売を目指したいと語り、販路拡大のためのアイデアを求めた。


▲シンキングタイムなし&挙手方式で。「会津と目をかけて『eyes』と表記しているが、これが福島県の会津地方だとわかる人は地元の人が思うほどに多くはないのでは。地図など補足説明が必要では」「パンにつけるジャムなのか、目にいいというサプリ的な製品なのか、目のデザインをPRして売るのか、で、販路先もそこでの陳列棚の場所も異なる。明確にしては」などの意見から、意外と目を使う客層が多い飲食店・企業・施設・団体など、BtoBでの販路アイデアも続々と。また、海外からの観光客、マニアックなファンが集う催事での販売提案も寄せられた
※みのり果実園 ブルーベリー狩り 6月下旬〜8月上旬
http://e-ringo-minori.com/web/minori
福島県会津若松市北会津町下米塚字古屋敷26-1



○プレゼン4

「秋田のこだわり鶏卵、どこの誰に売れる?」



鈴木尚登さん 秋田県由利本庄市
Be linked
http://www.be-linked.jp/


秋田県由利本庄市から参加した鈴木さんは、主に横手市を拠点にキャリアカウンセラーや雇用創出事業推進員として長年に渡り地域に貢献。現在はこれまでの経験と実績・信頼と人脈を生かして、伴走型支援者として活動中だ。2015年に開催した第3回NICeなビジネスプランコンテストで、準グランプリを受賞した「移住・定住酒米栽培、地酒造りコーディネート事業」(参考レポートhttp://www.nice.or.jp/archives/33596)をはじめ、秋田県産品の販売推進、起業・創業支援、6次産業化・地域資源活用・新規事業参入支援などに尽力している。今回はその中から、鈴木さんが支援している横手市の東海林養鶏場さんの『至福のたまご 黄身の余韻(きみのよいん)』を持参し、販路拡大のアイデアを求めた。
この『黄身の余韻』は、ひよこから餌にこだわって育てた親鳥「こまち美鶏」から生まれた卵。餌は、横手市産あきたこまち、生米糖とリノール酸が豊富ななたね油粕などのオリジナル飼料で、動物性を使用せず植物性タンパク質のみで飼育している。また、卵の美味しさを裏付ける味覚センサー分析も導入し、卵本来の濃厚な旨味と、さっぱりした後味、そしてコクの余韻が存分に味わえると説明した。卵の白みが苦手という人や、子どもたちにも評判で、特に卵かけ御飯は絶妙とのこと。いずれは肉も売っていきたい考えだ。『至福のたまご 黄身の余韻』の販売価格は、6個入り280円・8個350円(税別)、1個あたり45円以上となり、一般的な鶏卵と比べると高価。どこの誰なら購入してくれると思うか、意見を求めた。



▲シンキングタイムなし&挙手方式で。「TKG(卵かけご飯(Tamago Kake Gohan)は自分も大好き。また生卵を食べられるのは日本ならではの食文化であり、海外からの観光客にも人気なので、来日客の多い宿や飲食店へ」「健康志向の高い消費者、こだわりの食品加工業者や飲食店なら価値がわかる」「自分は10個で1000円の卵を定期購入している」「飲食店のしめのメニューにしてもらい、そこで卵の個別販売もしてもらう」などの提案も
※東海林養鶏場さん
http://www.shoji-egg.jp/



○プレゼン5

「独立1年目の人が欲しいサービスは?」



三田村 淳さん 東京都千代田区
株式会社リクルートキャリア アントレ
http://entrenet.jp/
開業者支援サービス『Managers』
http://entrenet.jp/managers/top.htm


雇われない生き方を応援するリクルートキャリア アントレの三田村さん・石原さん・杉山さんの3名は東京から参加。代表して三田村さんが、2016年5月12日から登録受付がスタートした『Managers』についてプレゼンした。これは、アントレから生まれた新サービスで、雇われない生き方を選択した人を対象に、事業継続・成長のための各種支援を提供するというもの。「独立開業を実現したものの、日々の仕事に追われ、経営の悩みや事業課題を抱えている」そんな起業家は少なくない。たとえば、経営に必要な知識が全体的に不足しているように感じている。苦手な分野があり業務効率が悪い。販路拡大や集客に不安がある。経営に関して相談できる相手がいない、などなど。開業後ならではの悩みや課題解決に向け、リクルートグループの知見を結集し、さまざまなサービスを提供してくれるのが、この開業者支援サービスだ。雇われない生き方を“開業前から”応援し、さらに“開業後も”応援していくことになる。このサービスを受けるには、『Managers』への会員登録が必要で、ネットから簡単に登録できる(登録料は無料)。会員になると、経営に役立つ情報や、セミナー・勉強会・商談会などのイベント案内、税務/財務業務の効率化サポート、経営コンサルタント・税理士・社労士などの各種専門家の紹介、飲食店向けにはWebページ掲載クーポンなどが利用できる。現在、行政や公共機関でも経営者支援策は各種あるが、既存の支援では行き届かない、民間企業ならではのきめ細やか、そして長年に渡り雇われない生き方を応援しているアントレならではの、具体的な支援を実践していくとのこと。そこで今日は、開業後にこんなサービスが欲しかった、事業継続発展のためにこういう支援があったら嬉しい、というような生の声、みなさんのアイデアをいただきたく、プレゼンに登壇したと語った。



▲シンキングタイムなし&挙手方式で。「行政から士業を紹介してもらったが、いち個人経営者がお願いするにはハードルが高い」「補助金や助成金を得るためのサポートが欲しい」「県の士業団体で起業家支援をしているが、なかなか啓蒙されない。私たちのような支援者を活用いただけると嬉しい」「小規模経営者はプレイヤー兼マネージャなので、経営する時間がほしい」「○○したいが個人経営では大変なので、代行してくれると嬉しい」「そうそう、わかる!わかる!それにこういうのもあればなお嬉しい」と、意見が次々に連鎖して、開業者・支援者双方からリアルな要望が多数寄せられた
※アントレから新しく生まれた開業者支援サービス『Managers』
詳細および登録はこちらから(登録無料)2016年5月12日から登録受付スタート!
http://entrenet.jp/managers/top.htm



フィナーレ

実行委員長・山内憲司さん(福島県会津若松市)からあいさつ



▲福島アダプトネットワーク https://dog.fukushima.jp/ 代表・山内さん

「本日は36名のみなさん、遠くからも来ていただき、本当にありがとうございました。
地元・会津の方も多かったと思いますが、会津の中だけでビジネスしていると、
なかなか気づかない、いろんな視点をうかがうことができました。
『意外に会津は知られていないぞ、会津のイメージはないんだぞ』と
どうしても会津に住んでいると、地元愛からか、全国共通して
会津がどこでも通用すると思いがちですが、はっきりと言っていただきました。
まずは、そういう意識から変える機会をいただけたことも大きかったと思います。

誰に売るか、販売先をどこにするのか、サービス提供先をどこにするか。
いろいろな地域のみなさんで考える機会を、また会津で、
あるいは県内で他の地域で、会があれば参加したいと思いますし、
みなさんにも次回また参加いただき、その時までに、もっともっと
レベルアップしていきたいと思います。
今日はみなさん、どうもありがとうございました!」







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翌5月22日、関東から参加したNICe増田紀彦代表理事らは、レンタカーに相乗りして帰路へ。“NICe大人の遠足”と題し、南会津地方の観光名所・大内宿(おおうちじゅく)と塔の岪(へつり)、また下郷町の2組の経営者を訪問した。


▲▼会津と日光を結ぶ会津西街道の宿場として江戸時代に栄え、現在も全長約450mの街道両脇に50軒近い茅葺きの家々が軒を連ねる旧宿場町「大内宿(おおうちじゅく)」。その中の一軒、藁葺きのモダンな古民家を活かし、母娘ふたりで経営する飲食店「分家玉や(ぶんけ たまや)」さんへ


分家玉やさんは17年前に、代表を務める佐藤則子さんが開業し、長女・加奈さんがスイーツを担当している。地元産の野菜や果物を使用した料理やスイーツ、居心地の良い空間で、特に女性客のリピーターが多い。看板メニューは、「鶏せいろう飯」「手打ちもりそば」「炭焼きのイワナ料理」、そして加奈さんお手製スイーツだ。中でも、小麦粉を使わないグルテンフリーのケーキや焼き菓子は評判で、店で提供・販売しているほか、バースディケーキなどのオーダーも多いとのこと。この日、NICe一行の中にちょうど誕生日のメンバーがふたりいたため、サプライズで加奈さんにバースデーケーキをお願いしてあった。鶏せいろう飯や手打ちもりそばを平らげた後、みんなでお祝い。小麦粉を使っていない、ふわふわの美味しさに、一堂感激。





○南会津大内宿  分家玉や(みなみあいず おおうちじゅく ぶんけたまや)
〒969-5207 福島県南会津郡下郷町大内権現上358
http://www.bunke-tamaya.jp/
http://ameblo.jp/tamaya358/
営業時間 10:30~16:00(冬期は要予約)



▼続いて一行が向かったのは、前日のNICe頭脳交換会にも参加くださった渡部美佐さんの製菓店・天保年間創業の笹屋 皆川製菓(ささや みなかわせいか)さん。江戸時代に日光道中を通行する参勤交代の大名たちに賞されたおまんじゅう・下郷倉村の「倉村まんじゅう」の伝統の味を、今も守り続けている老舗だ。代表を務めるのは、美佐さんの母・9代目の皆川美津子さん。10代目として承継を心に決めている美佐さんと母娘ふたりで、すべての商品を店舗併設の工場で手づくりしている



伝統の元祖「倉村まんじゅう」をはじめ、地場産のそば粉「会津のかおり」と下郷産の会津地鶏の卵を使用した手づくりのそばまんじゅう、自家製のあんこを固めて小石サイズにした「いしごろも」、大きな栗が丸ごと1個入った、その名も倉村まんじゅうまるごと栗入りなどの和菓子のほか、第3セクター会津鉄道(株)のオリジナル商品「ばす駅長クッキー」、一口サイズの手絞りで焼き上げた「じゅうねんクッキー」などの洋菓子も。

美佐さんはさまざまな新製品開発に意欲的で、この日は、会津地方特産品の身知らず柿を使った和菓子の試作や、自家製のあんこを下に敷いた新作「和プリン」もみんなで試食させていただいた。また、2015年12月に東京で開催した「NICeつながり祭り2015」(参考レポート:http://www.nice.or.jp/archives/33596)にて頭脳交換会にプレゼン登壇した川内村観光協会さんとのコラボ商品も現在開発中とのこと。お楽しみに!




○笹屋 皆川製菓(ささや みなかわせいか)
〒969-5204 福島県下郷町大字弥五島字道上3340
-1
電話0241-67-2648
営業時間 夏9:00~18:00 冬9:00~17:00


▼塔の岪、甲子街道、羽生SAを経由






次回、NICe頭脳交換会は……
2016年6月18日(土)愛知県名古屋市で開催です!
「NICe東海スペシャル頭脳交換会 in 名古屋」
参加お申込みおよび詳細はこちら

http://www.nice.or.jp/archives/35109



取材・文、撮影/岡部 恵

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