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普代商工会青年部交流セミナー報告





2016年1月27日(水)、岩手県普代村で普代商工会青年部主催・普代村共催による交流セミナーが開催され、NICe増田紀彦代表理事が講師を務めた。普代村は太平洋に面した人口約2900人の村。2012年7月にNICe震災復興支援委員会が視察訪問し(レポートはこちら http://www.nice.or.jp/archives/11024)、そのご縁から普代村役場の森田安彦氏の橋渡しにより今回の開催に至った。村を愛する若手経営者から成る普代商工会青年部は、地域内外でのイベント出展やサポート、商店街歩行者天国、郷土芸能ふだい荒磯太鼓 、勉強会、他地域との交流、復興支援活動など、広範囲な地域貢献活動をしている団体。この日は、青年部をはじめ、普代村役場、教育委員会、アヴァンツァーレ普代(青年部のサポーター)のみなさんが参加し、増田代表特有の問答形式のセミナーで地域資源活用法を学んだ。


▲普代商工会青年部 三田地勇治部長のあいさつでスタート


『普代村の「不」「負」「普」を「富」に転化しよう!』と題して、参加者に質問や意見を求めながら、まずは普代村の良いところ、魅力は何かを質問。次に、ないもの、他地域に負けていると思うもの、あって当たり前、普通と思われるものなどを洗い出していった。



「ない、負けている、そんなの普通にあるという、不・負・普です。そういう不・負・普の中にこそ、富のタネが混ざっているという話をします。

どうしても地域資源というと、その土地にしかないものが一番魅力的だと思いがちですが、そうではないのです。残念なところは、見直しができますし、伸びシロがあるということです。一見普通に見えてどこにでもあるというのも、そのすごさに気付いて価値を見いだせば活用方法はいくらでもあります。コンビニがない、高校がない、映画館がない、浜辺があるのに海水浴場がない。それもまたチャンスなのです。視点を変えて、価値を見出し、知恵と努力で「富」になる。ではどのような知恵で価値へと転化できるのか。みなさんと同じように、地域をどうにかしたい、と頑張って、不・負・普を富にした各地の取り組み事例を紹介します」

利用者も少なく、どの町にあっても当たり前だと思われていた「普通」の野球場。規格外のため廃棄されていた「不要」「負け」の農産物。毎年当たり前のように降り積もる「負担」な大雪と施設新設には費用もかかるため放置されていた「不要」の温泉源。朽ちるに任せていた「不要」「不安」かつ町には「負担」だった廃校。なかなか買い手がつかなかった廃ホテル。増田代表は5つの事例を解説し、不・負・普と思われるものを、誰が、どのような視点で資源だと見出し、どのような知恵を付加し、どんな行動をしたことで、「富」に転化できたのか、その具体的な動機や行動、プロセス、その結果と今後の計画などを解説。また、5つに分類できる地域資源(自然資源、人的資源、産業資源、文化資源、公的資源)は、既存の価値観のままではなく、新たな視点で資源を見いだし、知恵と努力により、別の資源として活用ができること。事業も同様に、商品やサービスだけが価値とみなされがちだが、その生産プロセスや工程にも普段気づかない価値があり、そこを新規事業化した2事例も紹介した。資源はそのままでは資源でしかなく、知恵を付加することで、価値を創出できるのだ。



最後に増田氏は、もっと多くの人たちに普代村へ来てもらうための取り組みとして、頭脳交換会のやり方を示し、地域のみなさんでぜひ挑戦してほしい、資源を見直し知恵を出し合うプロセスもまた価値になる、と宿題を残して講演を締めくくった。



取材・文、撮影/岡部 恵




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