ウイークエンド交流会 しらかわ“食”ビジネス創造!(NICe協力 )第9回 開催報告
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2015年11月20日(金)、産業サポート白河(白河市立図書館内)にて、白河市共催、一般社団法人起業支援ネットワークNICe協力による「ウイークエンド交流会 しらかわ“食”ビジネス創造!」第9回が開催されました。
これは、7月から12月までほぼ隔週のウイークエンドに全10回シリーズで開催している、起業家支援・創業支援のための交流会です。各回ごとに“食”ビジネスにまつわるテーマを掲げ、“楽しく交流しながら”を大切に、オープニングには自然とリラックスできる楽しいアイスブレイクを、またエンディングにも美味しい試食交流タイムを設け、聞く一方の勉強会とはひと味もふた味も違う、まさに“楽しく交流しながら学び合える=交流会”です。いよいよシリーズもあと2回となった第9回の11月20日、当交流会のコーディネーターであるNICe増田紀彦代表理事が登壇し、「パッケージデザインとネーミングの極意」 を伝授しました。
会場は、白河市立図書館1階にある産業サポート白河。初めて参加された方を含め、白河市内、棚倉町、須賀川市、栃木県から、“食”ビジネスに興味がある方、すでに起業されている方、お米や果実、野菜などの生産者さん、6次化商品に取り組んでいる方、いつか起業したいと思っている方など、さまざまな年代・業種のみなさんが集いました。
▲▼オープニングは、福島県6次化イノベーターでもあるNICe小林京子理事によるアイスブレイク。前々回の交流会で学んだ「効果が上がるプレゼンテーション」(10月23日開催 第7回レポートはこちら
http://www.nice.or.jp/archives/32712)の実践版として、“わかりやすく伝える”を実験してみることになりました。参加者おふたりに立候補していただき、密かに小林理事が示した絵を見て、それをみなさんへ的確に説明して、元の絵に近づくことができるか、という方法です。説明の言葉を、どのような順番で、どのような単語で、どう形容して伝えるか。いかに正確に理解してもらえるか、を体感しながら学び合いました。
“わかりやすく伝える”ためには、まず全体像を言うこと。次にパートごとに説明していくこと。そして聞いている側がイメージしやすいように、客観的な言葉を選んで伝えること。それらのポイントを意識して伝えるだけで、聞く側の理解度がぐんと深まっていくことを実感しました。これは、事業プランのプレゼンやPR、商品の説明などはもちろん、日常生活の中でも、人に何かを伝えて理解してほしい場面で大切なこと。
“わかりやすく伝える”に挑戦してくださったおふたりには、「今後もぜひ復習のつもりで実践して、いろんなシーンで活用してくださいね」と、エールと拍手喝采が贈られました。
▲▼続いて、本日のメインテーマ「パッケージデザインとネーミングの極意」。講師は、福島県6次化イノベーター、福島県6次化事業体コーディネーター、ふくしま6次化創業塾主担任講師などを務め、県内6次化推進役のひとりであるNICe増田紀彦代表理事です。増田代表は参加者のみなさんへ、「この商品は誰に向けたものでしょうか?」「これは何でしょうか?」「その理由はなぜでしょうか?」と質疑応答しながら、話す・聞く一方ではなく、“交流しながら楽しく学ぶ”独自のスタイルで進行。
「食品を販売する場合、消費者に試食してもらい、味を知ってもらった上で購入いただくケースのほうが少ないですよね? お客さんは何を基準にして購入するか。その点でも、目に見える視覚情報はとても大きな判断要素です。だからこそ、パッケージデザインとネーミングはとても大切なのです」。増田代表は、さまざまな商品例を紹介しながら、それがどのようなターゲットを設定し、その層に合わせてどのようなパッケージ展開が図られているのか。デザインから商品の魅力を的確に伝えているか、などなど、1つ1つのパッケージデザインとネーミングに込められた意味と目的について、判りやすく解説し、全員で検証していきました。また、食品ネーミングの代表的手法、意味型・ターゲット型・素材型・製法型・シーン型・機能型や、最近増えて来た食感型のネーミング例とその理由もチェック。さらに、たとえロングセラー商品であっても、時代や市場の変化に合わせてパッケージデザインを変え、新たなターゲットをつかんでいる実例も紹介されました。
次に、パッケージの中でも特に注視すべき「二次パッケージ」について、複数の機能や意味があることを全員で共有。さらに増田代表が選んだ6つの秀逸実例から、消費者の購入判断項目に照らし合わせ、重要ポイントと共通項をチェックしました。消費者目線ではどのような商品を購入したくなるか。お土産品やギフトの場合、何をポイントに選んでいるのか。作り手のメッセージや思いは、視覚情報から伝わっているのか、パッケージで表現できるいるのか。パッケージデザイン、パッケージ素材、商品バリエーション、ラベル、ネーミングなど、そのひとつひとつに意味があり、それらをいかにうまく組み合わることができるか。また、既存商品の場合、新たなパッケージデザインにせずとも、発想の展開で改善できるアイデア例も紹介。最後に、商品陳列の法則、さまざまな視覚的効果、陳列実例についても学び合いました。
▼学びの後は、恒例の美味しい交流タイムです。この日は、なんと7種類!!第6回にゲスト登壇された須賀川市のパン工房mana代表・柳沼美千子さんから、シイタケ粉末入りパン、つぶあんパン、塩麹パンが。参加者の星さんから、りんごとキウイとゆずを煮込んだしゃきしゃきジャムが。また、第2回にゲスト登壇した石川町『農園Cafeやい子ばぁちゃん』の大平美代子さんから、えごま入りのふわふわ米粉シフォンケーキと、ミニトマト、マイクロトマトが。さらに、白河市の人気店・伊兵衛屋(いべえや)さんのベーグルも振る舞われました。
参加者からは、
「なかなか身になるセミナーは少ないですが、毎回役に立ちます。“ツカエル”セミナーです。継続してほしい」
「私はモノを売る仕事ではないですが、何かしらのためになると思いました。また参加したいです」
「パッケージやネーミングの付け方、参考になりました」
「今回のネーミングとパッケージについてのお話しは、とてもとてもためになりました。自分の作ったものにラベルを貼る時、すごく参考になる。頑張ろう!(でも悩むなぁ)。
いつも美味しいものを食べさせてくださって本当にありがとうございます。とても得した感じです。これからも、みなさんを応援しています」
「いろんな試食、美味しかったです」
「増田さんのトークの素晴らしさに感心してしまいました。こんなお話しをずーっと聞いていたいです。とても勉強になりました。ありがとうございました」
「ネーミングとパッケージ、普段あたり前のこと1つ1つにたくさんの意味付けがあり、なるほどなと思うことがたくさんありました。とても勉強になりました」
「ここに来るといろいろなモノが食べられて、情報ももらえて、すごくためになります」
座学で聞くだけの勉強会とはひと味もふた味も違う、
“楽しく交流しながら学び合える”2時間プログラムの
「ウイークエンド交流会 しらかわ“食”ビジネス創造!」。
10回シリーズも残り開催はあと1回となりました。
次回、最終回の第10回は、12月4日(金)18時から。
どうぞお楽しみに!
一般社団法人産業サポート白河
http://sangyo-support.jp/newsreport.aspx?arg0=1
E−Mail:sunport@train.ocn.ne.jp
取材・文、撮影/
岡部 恵