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NICe代表理事の増田紀彦が、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポ ーターへ送っている【NICe会員限定スモールマガジン増田通信】の中から、一部のコラムを抜粋して掲載しています。
増田通信より「ふ~ん なるほどねえ」82「それはハラールか、ハラームか」




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<最近の視点> それはハラールか、ハラームか
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イスラム圏の人々は豚を口にしない。これはよく知られる事実だが、
実際には食べないだけではなく、豚に由来するもの全てが御法度だ。
例えば、豚毛の歯ブラシで歯を磨くことも許されないし、
豚革でできたブルゾンを着ることもあり得ない。

「そう言われると、案外、豚由来の製品ってあるんだな」と感じるが、
現実には、イメージできる範囲の何倍もの豚製品がこの世にある。
というのは、豚から取れるゼラチンの用途がとてつもなく広いからだ。

すごい数なので全部は列記できないが、代表的なものを挙げると、
墨、接着剤、フィルム 、食品模型、印画紙、生コンクリート、人工皮革、塗料、
マイクロカプセル、サンドペーパー 、断熱材、マッチ、非鉄金属の電気製錬、
スポンジ、錠剤、丸剤、座薬、トローチ、薬のカプセル、代用血漿……。
こういった食品以外の製品にも豚のゼラチンが使われている。

もちろん食品にも多用されている。
ゼリー、 たれ、クリーム、 柿の種、 プリン、 マシュマロ、 ケーキの生地、
アイスクリーム 、ババロア、 フローレット、 あられ、 シャーベット、
スープ、キャラメル、せんべい、ヨーグルト、コーヒー、牛乳、日本酒、
ワイン、米菓子、ハム、ソーセージ……。

眺めていると、「恐るべし、ゼラチン」という気がしてくる。
温めれば簡単に溶け、冷やせば簡単に固まる性質が人気の秘密だ。
とはいえ、ゼラチンを豚から抽出したのではイスラム圏で販売できない。

アメリカの調査機関によると、現在、世界に約16億人のイスラム教徒がいるが、
2030年には22億人に達するという。つまり全世界の4分の1の人口になる。
イスラム教徒が使える製品か使えない製品か。これは大きな業績の差を生む。

すでに牛由来のゼラチンもあるし、最近では魚由来のものも出てきた。
だが、まだ豚が主流だ。ここでコスト競争力のある新素材を開発したい。

ちなみに豚だけが御法度ではない。
イスラム圏にはハラール(許されたもの)とハラーム(許されないもの)の、
厳格な基準が存在している。ご存じのとおり、飲酒はハラームだ。

イスラム社会が話題になると、対立関係ばかりが取り沙汰されるが、
相手を理解すれば友好関係は築けるし、同時にビジネスチャンスも広がる。
すでに日本国内にも10万人を超すイスラム教徒が暮らしている。
ハラールとハラームの理解は、小規模事業にとっても身近なテーマだ。

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増田紀彦NICe代表理事が、毎月7日と14日(7と14で714(ナイス)!)
に、NICe正会員・協力会員・賛助会員、寄付者と公式サポーターの皆さん
へ、感謝と連帯を込めてお送りしている【NICe会員限定レター「ふ〜ん
なるほどねえ」スモールマガジン!増田通信】。
第82号(2015/9/7発行)より一部抜粋して掲載しました。
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