増田紀彦代表講師「会津のたからもの×ブランディング 会津ブランド塾」第6回 開催報告
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2015年6月17日(水)、福島県会津若松市の「生涯学習総合センター 會津稽古堂」で、会津地域雇用創造推進協議会主催による「会津ブランド塾」が開催された。これは、福島県と会津地域全17市町村、26の経済団体とが連携し、広域の雇用創造に取り組む会津地域雇用創造推進協議会が、厚生労働省事業「実践型地域雇用創出事業」を委託し実施するもの。経営資源や地域資源を掘り起こし、ブラッシュアップすることによりブランド力の向上を図ることを目的に、全6回(6月3・4・5・10・11・17日)シリーズで実施。そのすべての回で、講師を務めたのが、NICe増田紀彦代表理事だ。
第1回 「事例研究:地域発ヒット商品のブランド化に向けた商品戦略の理解」
第2回 「講義と実習:ブランディングの基礎となる実践的マーケティング活動の理解」
第3回 「グループワーク:商品開発法の体得と、受講者商品のブランディングチェック」
第4回 「講義と実習:ネーミング&パッケージングの基礎習得と、トレンドの理解」
第5回 「講義と実習:ブランディングに直結する商品計画の立案方法の理解と作成」
以上の5段階のプログラムを経て、第6回となるこの日は、「成果発表:ブランディングに直結する商品計画のプレゼンテーションと講評」と題し、受講生のみなさんによるプレゼンテーションと質疑応答、増田代表による講評を行う最終回。
プレゼンに先立ち増田代表からは、今後もプレゼンテーションをする機会があるでしょうから参考にと、プレゼンで大切なポイントについて解説。「誰に」「何を」聞いてほしいか、また、その人は、「何を聞きたいのか」を意識してプレゼンすることが大切であると強調した。さらに、どのような立場の人たちが聞くのかにより、念押しするポイントが異なると述べ、シチュエーションによって想定される実例を挙げ、金融機関、仕入れ先や外部協力会社、コンテスト、顧客などにより、伝えたいこと=相手が聞きたいこと、がどのように異なるか、またいかに伝えるか、プレゼン相手ごとのポイントを紹介。
そのうえで、「今日のプレゼンは、これまでともに学び、頑張っていこうという仲間へのプレゼンです。互いのプレゼンをじっくり聞いて、何が魅力で、どんな課題があるのか。それをまた共有し合って、協力し合える仲間として、ともに進んでいきましょう」とエールを送った。
そして、5分間でいかに伝えたいことをプレゼンするか、6構成で展開するようにと手順を説明。発表順は事前に決めず、増田代表からの直前指名制によりスタート。各自準備して来た商品開発シートを基に、10組のプレゼンテーションが行われた。
▼5分間のプレゼンでは、商品・サービス名、セグメント、顧客が感じるベネフィット、商品・サービス内容、販売方法・販売場所、プロモーション&コミュニケーション方法、価格設定、シリーズ展開を発表。その後、全員で質疑応答しながら、より良いアイデアや改善点が話し合われ、お互いの事業プランをブラッシュアップしていった
▲2週間の受講を通して学んだことやアドバイスを基に実践し、バージョンアップした商品を持参した受講生も
全員のプレゼンと質疑応答・講評を終えたところで、増田代表はビジネスプラン評価における8つの評価チェックポイントについて解説。その中でも特に、「実現可能性」と「人間的魅力」は大きいと実例をまじえて語った。そして、
「今日はみなさん本当に、この部分を感じさせていただきました。実現可能性では、すぐ出来る方も、改善の余地がある方もいましたが、『やめた』ではなく、うまくいかなかったら改善していく。ブランドづくりは、つくって、売って、そして常に直して、ブランドにしていくのです。
冒頭にも言いましたが、わずか2週間の講義で、急速にみなさんが力を付け、勘所をつかんで理解してきたのだということを今日はとても感じました。素晴らしい人同士が集い、刺激し合ったから、ここまで成長されたのだと思います。勉強は大変だったと思いますが、よくぞ頑張ってくれました。私こそ、みなさんから勉強させていただきました。会津にお邪魔できて幸せです。まだまだ勉強し合って、磨き合って、一緒に頑張っていきましょう! 3時間の講座が6回、短期集中の18時間講座。これにて終了です!」と、最後に受講されたみなさんへのエールの言葉をプロジェクターに映し出し、最終日をしめくくった。
取材・文、撮影/
岡部 恵