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【東北応援スペシャル】食ビジネス 14組連続プレゼン&みんなで大討論! NICe頭脳交換会 in 福島 レポート









2015年3月14日(土)、福島県福島市の男女共同参画センター「ウィズ・もとまち」で、「東北応援スペシャル 食ビジネス 14組連続プレゼン&みんなで大討論!NICe頭脳交換会 in 福島」が開催された。NICeは震災以降、2012年、2013年、2014年と毎年2月11日に福島県内で、東北経済活性のお手伝いを目的にイベントや勉強会を開催してきた。2012年は「飲んで食べて買って福島を応援しよう!」を合い言葉に、全国の仲間を福島市に集めた「NICe大宴会 in 福島」を。2013年は「やろうぜ福島! 売ろうぜ農産物!」を合言葉に、郡山市で「NICe福島スペシャルin郡山」を。2014年は、NICeの全国規模の勉強会「第21回NICe全国交流セミナーin須賀川」を。そして4回目となる2015年は、大雪の季節を避け3月14日に、“食ビジネス”に特化して頭脳交換会を実施。頭脳交換会とは、プレゼンターが自身の事業プランや課題を発表し、それをもとに参加者全員が「自分だったら」という当事者意識で建設的なアイデアを出し合い、ブラッシュアップや問題解決を図るもの。同時に、互いの経営資源を生かし合い、やがては参加者同士が連携して、新規事業を生み出そうというNICe流の勉強会のこと。今回は、東北の食ビジネスを知恵で応援する=頭脳を交換する、全員参加型の勉強会として、NICe内外に参加を呼びかけたところ、北海道、秋田県、宮城県、福島県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、福岡県から46名が結集。そして事前に募集したプレゼン立候補数は予想を遥かに越え、予定7名から急遽、倍増することに決定。参加者の半数以上が、NICeそのものを初めて知った、頭脳交換会はもちろん初参加という状況にもかかわらず、「みんなで大討論!」のタイトルにふさわしく、多彩な知恵とアイデアが飛び交った。


オープニング



つながりワークショップ
ファシリテーター NICe小林京子理事




オープニングはNICeイベント恒例の「つながりワークショップ」。これはNICeオリジナルの交流ワークで、名刺交換や肩書きだけではわからない、その人の“人となり”、人としての経験や資源や想いを短時間でわかり合うというもの。参加者は、5、6名ずつ7グループに分かれて着席。ひとり1枚ずつA3サイズのシート『つながりQ10(キューテン)』が配布されている。そのシートの中央には氏名欄があり、周囲には「仕事はこれです」「ここに住んでいます」「持っていません、足りません」「持っています」「得意です」「嬉しかった!」「欲しいです」「プチ自慢」「これからしてみたい」「大切にしています」の10個の空枠がある。考案者の小林京子氏が次のように説明した。



「今日は50名近い方々がこの会場に集まりました。初めてのご参加で不安な気持ちの方もいると思います。できれば、自分のグループ以外の方も知って帰っていただきたい。そんなつながりの糸口をつくろうというのが、このワークです。まずは5分間で記入してみてください。全項目が書けなくてもOKです、記入できるところまで書いてみてください。ではスタート!」



記入時間の終了を告げた小林氏は、何人かの回答をお披露目して場内を和ませた。
「これを書く方がいつも必ず数人います、持っているもの、運。持っていません、足りませんも運。どちらでも、運を書いた人は?」数名が挙手。
「得意なもの、スペイン語という方がいました。ほかに日本語以外、福島弁じゃなく(笑)、外語学が得意な方は?」広東語、北京語、英語が得意という方も。
次に、「各グループ内でひとり約1分、自己紹介タをしてください。普通の名刺交換ではできない雰囲気で、紹介し合ってください!」と促した。

グループごとの自己紹介が始まると、さっそくあちこちから笑い声が上がり、自己紹介が終わるたびに拍手が湧くグループも。あっという間に和やかな雰囲気に包まれていく。






名残惜しいがここでタイムアップ!
「今日はこのグループでラストまでいきます。休憩時間や懇親会ではどうぞグループ以外の方ともつながってください。これからバンバンとプレゼンが始まりますが、ラストの質問です。聞くこと、話すこと、何かを持って帰れるんじゃないか、そんな期待をしている方、ワクワクしている方、手を上げてください!」
全員が挙手すると、「良かった!思った通りの結果でした!」と満面の笑顔で、マイクを増田紀彦代表理事に手渡した。


食ビジネス連続プレゼン&みんなで大討論 

 NICe頭脳交換会 前半!



ファシリテーター NICe増田紀彦代表理事



マイクを受け取った増田紀彦氏は、この時期にまさかの大雪だったがこうして集まることができて良かったと笑顔であいさつしつつも、これから始まるプログラムについて次のように宣言した。

「これからプレゼンターが次々に登場します。課題をお伝えし、みなさんに投げかけ、短い時間内で課題解決に向けたアイデアを考えようという頭脳交換会を行います。
わずか数分で、そんな短時間で、課題の解決策が見つかるのかと疑う方もいらっしゃるでしょうが、見つかります!!
ひとりが100分間考えても、なかなかいいアイデアは思いつきません。しかし、100人が1分間考えると、その中にはびっくりするようなアイデアが出てきます。頭の数の多さは、本当に大切なことです。
自分の頭脳に、他人の頭脳もつけて、自分のものにして使ってしまう、ということができるようになると、事業者として、経営者として、生産者として、非雇用で生きていく上で、とても力になる、大切なことです。自分だけで考えると、頭脳は自分1つですが、自分の小さな頭で考えるよりも、他人の脳とネットワークしていく。今日は、初めての方も多いと思いますので、その大切さをまずは実感してみてください。何度か経験したことある方は、どうぞうまくグループの中でリードしていってください。さて、プレゼンに先立ち、ひとつ先んじている案件について、紹介します。NICeが昨年から総力をあげて取り組んでいる、NICeプロデュース ふくしま“食”プロジェクトです」


○NICeプロデュース ふくしま“食”プロジェクト 報告

柳沼美千子氏(須賀川市) パン工房MANA 代表 料理研究家
 http://www.nice.or.jp/category/members/members-tohoku
小田八州雄氏(東白川郡棚倉町) 東日本薬草研究所 代表
西尾 望氏(東京都中央区/札幌市中央区)トラックスアンドストアーズ株式会社 代表取締役
 http://www.tracks-stores.co.jp/
荒川周介氏(いわき市)
福島県中小企業団体中央会 6次化事業体サポート事業6次化支援員いわきエリア担当
 http://www.nice.or.jp/category/members/members-tohoku




増田氏は、上記4人に前へ来るように指名し、紹介した。
「まずはパンをつくる名人、柳沼美千子さん。棚倉で身体にいい植物の栽培をし、キクイモの中から糖化エキスを抽出することに成功した小田八州雄さん。パンをつくる時に蜂蜜を使っていた柳沼さんに、このキクイモエキスを使えないかとたずね、試作しているうちに、パンからお砂糖を抜くことに成功しました。砂糖の問題は言うまでもないですが、キクイモのエキスは糖分でありながら血糖値を上げることなく、さらに体内の糖分を包んで外へ排出してくれるという特殊な成分が含まれています。何度も何度も試作して、6次化支援員の荒川周介さんに頑張っていただき、2014年12月には東京でもプレゼンして(12月13日開催 日本政策金融公庫 協力 NICeつながり祭り2014【同時開催】第2回 NICeなビジネスプランコンテスト本選 プログラム第2部http://www.nice.or.jp/archives/26311)みなさんにアイデアを考えてもらいました。その後、西尾望さんにデザインしていただき、素敵なパッケージもできました。柳沼さんのイメージで、製品化に成功して、県内の病院や福島空港での販売も決まっています。このように力を合わせて、つながってきた成果です。それぞれ、一言ずつお願いします」




MANA工房 柳沼美千子さん
「初めは増田先生におだてられて(笑)、キクイモを使ってパンをつくってみることに。そうしたら、これはスゴいなと。調べたら栄養価も高い。キクイモをベースに、試作を重ねていくと、これは生活習慣病の方にも対応できる!と、パンづくりの種類が広がっていきました。私ひとりだけではこうはいかず、やはりNICeのつながりで、小田さん、荒川さん、さらに西尾さんと知り合えたことでできました。これまでは、自分でパッケージデザインして販売していたのですが、ダサかった(笑)。このパッケージは、私の優しさや可愛らしさがにじみ出ているかな〜と思います(笑)」




東日本薬草研究所 小田八州雄さん
「私の仕事は、身体にいい、健康食品をつくることです。ウコン、ヤーコン、キクイモなどを生産しています。その中のキクイモも何かできないかなと、試行錯誤して、人とは違うことをしたいと、エキス化に取り組み、糖度76%の甘さに成功しました。長くやってきましたが、NICeの増田さんや荒川さんがコーディネートしてくださり、つながることができました。
キクイモの成分イヌリンは、腸の中でデンプンや糖分を包んで体外へ排出する作用もあります。また吸収する腸内の穴を塞ぐ役割もあるので、糖の急吸収を防ぐこともできるので好評なのだと思います。今後もますます需要があると思うので、よろしくお願いします」




デザインを担当したトラックスアンドストアーズ株式会社 西尾 望さん
「普段あまりパンを食べるほうではないのですが、実際に柳沼さんの工房にお邪魔し、試食させていただいて、グルメでも何でもない私でさえ、このパンは違うな!と。そのインスピレーションと、柳沼さんのこだわり、お人柄で、いいものをつくろうと思いました。ネーミングとデザインを考え、パーラーの軒先のような、小さな工房でつくっている、可愛らしさを形に仕上げました。またパンにどんな食材が入っているのも、わかりやすくしました。ぜひ食べていただきたいと思います」




6次化支援員としてずっと応援してきた荒川周介さん
「やりやすかった、と言ったらなんですが、素晴らしい技術を持っている柳沼さん、キクイモに関しては他にない技術を持っている小田さんとの掛け合わせです。協力しながらの商品化、NICeならではのつながりだと思います」




増田氏は、「こういう場からディスカッションしてきた中からできた商品です。今日もいろいろなアイデアが出てくると思いますし、このパンに次ぐヒット商品がここから生まれると思います。ではさっそく始めましょう。プレゼンターが5分間、みなさんに考えてほしいテーマを話します。それについての解決アイデアをグループで考え話し合っていただきます。各グループにはリーダーを決めてあります。リーダーの方は、みなさんをリードしてください。ではトップバッター。プレゼン、スターーーートッ!」


○プレゼン2
伊藤康平さん  宮城県栗原市 農事組合法人水鳥(みずとり)
 http://www.mizudori.jp/
「キノコ専門レストランを仙台にオープンしたい!
まずは、素敵な店名を考えてください」


「打たれ強いのでよろしくお願いします」とあいさつした伊藤さんは、しいたけ生産をしている農事組合法人水鳥(みずとり)の社名の由来から語った。近くにラムサール条約に指定されている美しい沼(伊豆沼、内沼)があり、たくさんの白鳥や小鳥たちが棲んでいるという。一緒に世界へ羽ばたいていけるような会社に、ということで命名。また、しいたけのスナック菓子も製造し、今日は新作を含め5種類を持参したので、試食しながらアイデアがほしいと述べた。次の展開として、健康食ブームに乗り、しいたけに限らずキノコ全般のレストランを仙台市内にオープンしたい考えだという。しいたけは水分が多く、ダイエット効果もある。まだ構想段階だが、薬膳料理も考えている。そこで、店名を考えてほしいとプレゼンをしめくくった。



増田氏「生産者が直営するキノコ専門レストラン。和・洋・中なんでも結構です。キーワードで薬膳も出ましたが、どのような層を考えていますか? 女性?家族?」

伊藤さん「先日、ドバイとシンガポールへ行き、日本食=長寿のもと、健康ということで信頼度が高いことを実感しました。それで薬膳はどうかと。お客さんの層は家族です」



増田氏「そこも含めて、カロリーレスな食材・キノコを使ったレストランの名前です。グループディスカッションは5分間です。模造紙をメモ代わりにして自由に使ってください。頭の中で考えているだけでは、アイデアは抜けていってしまいますので、メモしてください。理屈はいいから感覚でどんどん! ただし『きのこの山』はだめですよー(笑)。では、シンキングタイムスタート!」





○プレゼン2 アイデア発表タイム
各グループから出た店名アイデア、ベスト3を選んで発表


Aグループ
・CINOKO(しいたけとキノコをかけて)
・マッシュウイング(きのこと水鳥をかけて)
・スマッシュ(スワンとマッシュをかけて)


Bグループ
・ピノコ
・マシュトラン
・きのこの村


Cグループ
・杜のきのこ(杜の都から、ベスト1だけに絞って)
女性客を先に見込んで、いずれ家族をという流れで。


Dグループ
・KINOCO kitchen
・きのこの里


Eグループ
家族よりまず女性という考えで、
・しいたけ屋(直球です!)
・杜のきのこ
・薬膳胞子


Fグループ
きのこの里も商標的にNGです(by弁理士・NICe正会員 茅原裕二さん)
・このこ(「きのこの小屋」を短くして)


Gグループ
・しいた家(しいたけ と読む)
・杜のきのこ
・季の子


増田氏「ネーミングを考えることにより、こういう名前がわかりやすい、こういうイメージがわくのかと、多くの人に考えてもらうことで、マーティングにもなりますね。ぜひ生かしてみてください」


○プレゼン3
平子桂廣さん 福島県いわき市 株式会社いわき遠野らぱん
 http://www.iwakitohno-lapin.co.jp/
「フィトブロス(野菜栄養スープ)の利用促進と
販路拡大のためのアドバイスを!」


近年注目されているべジブロスは、料理には使わない野菜のクズから取った出汁という意味だが、平子さんの会社では、皮も実もタネも丸ごと煮出して抽出する技術を開発。それにより、「奇跡の野菜・魔法のスープ」というキャッチフレーズの『フィトブロス(野菜栄養スープ)』を商品化した。通常の生野菜の吸収率は約25%だが、同商品は吸収を妨げるセルロースを分解させ、高い吸収率を誇るスープへと仕上げている。第7の栄養素とも言える、抗酸化作用を持つフィットケミカルをプラスしたのも特徴で、これまでの栄養領域から予防食カテゴリーへと特化した商品開発も考えているという。病院や施設などの医療分野のほか、一般食としても普及させたい考えだ。だが、一般食として試食していただくと、「ジュースのような感覚で、ちょっと薄い。野菜そのものだね」との感想が多いとのこと。より広めるには、どんな利用法があるか、他の食材で味を整えたらどうか、などのアイデアをいただきいと語った。



増田氏「野菜が持つパワーがぎっしり詰まったスープです。ベジブロスと違い、全部丸ごと使っていて、吸収率も高いスープです。が、味が薄い。病院食にはいいけれど一般食ではどうか。たとえば、炊き込みご飯の素として調理に使うのもありですよね。どんな展開ができるか、考えてみてください。シンキングタイム5分、スタート!」





○プレゼン3 アイデア発表タイム

Gグループ
・要介護などで固形物が食べられない方が、施設から自宅へ帰される時代になっているので、ゼリー化して提供する。水分や栄養を摂取しなくてはいけない方へ、飲み込みやすいように商品化してはどうか。
・直営レストランでのセットメニューにする。健康をアピールしているお店で、そのスープを必ずセットにつけて提供する。味が薄くてもこれは身体にいいんだ!を定着させ、その店でスープを購入できるようにする。
・ラーメン店でも、1日に必要な○○がこれで摂取できます、という店もあるので、健康嗜好の高いレストランや飲食店に食材として入れていただく。

Fグループ
・先にプレゼンした伊藤さんのしいたけレストランとのコラボはどうか、健康つながりで可能では。
・飲食店でのテスト販売

Eグループ
・抗酸化作用があるので老化防止、女性の美容にいいとの発想から、味の薄さを逆に利用して、顆粒状にしてはどうか。他の食べ物に混ぜても味を左右しないで栄養が摂れるのは売りになる。健康のだしの素のようにする。
・パッケージのサイズを変えて、そのまま服用しても大丈夫のような商品も可能では。



Dグループ
・Gグループと同じく、ゼリー化して介護補助食品とする案が出た。
・パンに練り込んではどうか。
・食品製造段階で水を使用するものが対象になると思う。たとえば喜多方ラーメンの麺で、水を練り込む食材に、水の代わりとして利用してもらう。しかも栄養素あり!は魅力になると思う。

Cグループ
・効能を知ってもらうための試食会、アンテナショップと提携する。活用メニューを開発して紹介していく。
・Dグループでも案が出たが、パスタ、うどんなどの加工品に練り込み、健康をプラスできるとアピールしてはどうか。

Bグループ
・そのままの商品とは別に、味を整えて食べるスープにして販売する。
・おかゆの素など、○○の素シリーズ。
・ペット向けのサプリメントもいけるのでは。

Aグループ
・加工用としてアイデアを出し合った。まずはパン。美味しい・味が薄い云々よりも、身体にいいを最優先にしている有機食材レストランとのコラボ。

増田氏「国の方針も自宅介護に変わるので、自宅で食せる介護食の開発をメーカーにも依頼している状況です。国を挙げてやっています。いい着目点です。また加工品の原材料としてどうか、というアイデアが多くでました。そこから知名度を徐々に上げて、ステップを踏んでいくと、コラボの可能性がさらに広がると思います」

 





○プレゼン4
山本めぐみさん  福島県南相馬市 お食事処 歩々(ふうふう)
「田舎にこそ商店街を。
そこでは、どんなサービスが必要か?」


南相馬市のまちなかひろば屋台村で飲食店を夫婦で経営している山本さんは、商店街をつくりたいという思いを語った。現在は、チャレンジショップのプロジェクトとして、屋台村に入居しているが、チャレンジショップはいずれそこを卒業して、商店街に出店しましょうという取り組みだ。だが、シャッター商店街には出店したくないと言う声が多いのも実情。そこで山本さんは、出店したくなるような、もっと人とのコミュニケーションがあり、つながりがあり、魅力がある商店街をつくりたいのだという。アーケードを設置し、どんな店舗でも出店OKにして、間口は狭いがいろんな店舗があり、時間帯によって歩行者天国にして、買い物だけでなく人が歩くような商店街を目指したい。チャレンジショップのような、事業を始めたばかりの人が、そこでプロへと育ち、ほかの地でまた商店街をつくれるような風土にしたい。田舎には大きなショッピングモールがあるが、近隣の商店街は衰退している。大きな商店街ではなく、人だけが普通に歩けるような商店街は少ない。いつ誰が来ても楽しく、移り住めるような商店街ができれば、地域の楽しみになるのではないか。日々の買い物だけでなく、人ともつながり、歩くことで運動不足も解消され、商人のスペシャリストを育てるような商店街。どうすればそんな商店街ができるかアイデアをいただきたいと熱く語った。



会場「おおおーーーーー」

増田氏「すごいことを言いますよね!お店を1軒出したいではない、商店街構想です。場所は?」

山本さん「具体的にはまだないですが、場所は特に指定していません。解除される避難準備区域とかもありだと思っています」

増田氏「商店街の長さは200mもあればいいでしょうか。イメージしてください。間口が狭い、小さな店舗がたくさんあるような商店街です。復興市場、復興屋台サイズです。歩けば健康にもなるくらいの規模です。大商店街ではありません。地方から商店街がなくなり、大型店へとなっていく今、小さなお店でいろんなプロも育成しようと。小さいけれど大きな構想です。たとえば、有名人が週に1回はその店に来るような、そんな突飛なアイデアでもいいです。そこから何か生まれて来ますから。ハードルは高いけれど頑張りましょう! シンキングタイム5分、スタート!」








○プレゼン4 アイデア発表タイム

Aグループ
・商店街に来てもらいたいのであれば、核となるものが必要であるという発想から、どんなコアがあるだろうと話し合った。医療をコアにする。病院やクリニック、健康教室。
・またいずれは卒業、ということであれば、すべてをチャレンジショップにしてしまう。
チャレンジドクターはダメですけど(笑)


Bグループ
・グルメ商店街として、すべて飲食店街にしてはどうか。
・店舗数の多さは魅力なので、出店者を全国から募集する。無料で貸し出して、出店リスクを下げる。


Cグループ
・出店者を呼ぶ、訪れる人を呼ぶ、の2つの方向で話し合った。
・店主の負担軽減として、毎日営業ではなく、日替わり・週替わりでできるようにする。チャレンジのさらにチャレンジ設定をすると敷居が低くなるのでは。またお店に住み込みができれば家賃も軽減される。
・訪れる人を呼ぶのは、イベントをやること。
また、商店街の中に保育園・幼稚園をつくれば、一時託児もできて、店主も客にもいいのでは。
・お客さんへのサービスとして、買ってすぐその場で食べられるイートイン。
・商店街の限定メニューをつくり、そこへ行かないと食べられないようなものを商店街あげて展開する。


Dグループ
・お金がかかること、かけないこと、2つの案が出た。
かかることは、テーマパーク化して、観光客を目当てにする。
レトロな昭和の商店街などにするのもあり。
かけないほうはマルシェ。ハードルが低く、出店者も呼びやすいのではないか。


Eグループ
・Dグループと同じく昭和レトロの案。
・アトラクションとして、神奈川県川崎でやっている怪獣酒場のように、コラボ酒場はどうだろう。今後もコラボ店舗は増えていくと思われるので、そういうコラボ店を集めた商店街も面白いのでは。


Fグループ
・他グループからも出たテーマパーク商店街。昭和チックなもの、映画村のようなもの。
入場料も取る。
・商人のプロを育てたいということならば、学生さんなどこれから商売に興味がわく世代をチャレンジャーとして呼び込む。
・大駐車場も必要。


Gグループ
・歩いて来られる人ばかりではないだろうとの考えから、送迎サービスが必要。
・サービスとして、ご用聞きを置く。一緒に商店街をまわってくれて、買い物を見立ててくれる。こういう用途ならこれがいいというようなアドバイスもしてくれる人。コンシェルジェと言うと難しいので、あえて「ご用聞き」。
・趣味を教えられる人のたまり場を設けて教え合う。また、今はミシンがある家庭も少ないので、そこに置いて、誰でもシェアできるようにする。


増田氏「観光地にボランティアガイドはいますが、商店街にいてもいいですね。いろんなアイデアが出ました、どうですか?山本さん」

山本さん「すごいです!大きく投げかけたのに、こんな具体的なアイデアをいただいて有り難いです。どうもありがとうございました!!」





○プレゼン5
鈴木尚登さん 秋田県横手市
「秋田のす~さんが持ってくる日本酒の会
どう盛り上げる? どう儲ける?」


「秋田県横手市から来た鈴木です。多くの鈴木姓の人は、す〜さんと呼ばれていますが。私もそうです。す〜さんと気軽に呼んでください」とプレゼンを始めたす〜さんは、今春から日本酒の会をスタートするという。その背景には、故郷への思いがある。秋田県は福島県と並んで日本酒づくりが盛んだが、185あった秋田の酒蔵が現在は39にまで減っている。これ以上、秋田の酒蔵を減らしたくない。1つ減れば、それだけ米農家にも大打撃になるからだ。また、世界的にも有名な日本酒『獺祭(だっさい)』についても触れ、四季醸造を始めたことで山田錦が高騰し入手困難な状況になるだろうと述べた。少しでも秋田の酒蔵を盛り上げたいとの思いから、まずは秋田のお酒を呑んでもらい、知ってもらうことを目的に、39の蔵の酒を数種類ずつ自身が持ち込み、東京などでゲリラ的な会を催すことにした。3月20日に第1回として東京銀座で開催するが、参加費を5000円に設定。それでも赤字だという。昨夜、福島に来て呑んだ銘酒は1杯950円だった。それも目安に、会費がいくらぐらいなら妥当か、率直な意見、アイデアを願うと述べた。



増田氏「お酒とお料理をセットで提供するのですね? 第一弾の銀座では、どういうものを?」

鈴木さん「日の丸醸造さんの『まんさくの花』を数種類、料理はきりたんぽ鍋といぶりがっこなども持って行きます。ほかにも協賛で提供できると思います」

増田氏「さぁ、5000円でどうでしょう? 参加したい金額は? ほかにこんな会ならどうか、アイデアをお願いします。シンキングタイム5分、スタート!」





○プレゼン5 アイデア発表タイム!





Fグループ
・私は日本酒大好きで、利き酒師になったくらいです。ひとり3合か4合として参加費は6000円くらいが妥当。それ以上呑みたい人には、チケット制にして販売する。
・東京では場所代もかかるので、お店を使わない手も考えてはどうか。
12、13人なら私の会社をつかってくれてもいい。

Eグループ
・参加費の上限は5000円以内で、いかに内容を濃くしていくのがいいだろうとの意見。
具体的には、3種の飲み比べセットにし、それ以上呑みたい人は追加料金にすれば赤字がでないのでは。
グラス販売も考えられる。

Dグループ
・一般の方が参加するので、3種の飲み比べ&おつまみで、1000円。なぜかというと味を知っていただくための会なので、多く呑みたい人には追加で飲み代をいただく。
・埼玉県では、一般参加1000円、販売店さんは名刺持参で無料というのもやっている。

Gグループ
・男女で参加費は分けたほうがいい。男性8000円、女性4000円。
・日本酒は3種ではなく、何十本と並んでいたほうが楽しいと思う。
・料理は最初からセットにするのではなく、食べたい人は食べるので、お食事のように別料金にしてもいいのではという意見も。

Cグループ
・気軽に参加を誘い込む方法として、アンテナショップでの開催。タイアップして店舗内のお酒コーナーで呑み、おつまみは県産品を個々に買ってもらえばいい。お酒代だけで2000円から3800円。
・お食事付きなら、もうちょっと品数を増やしてもいいのでは。お酒の量を減らして5000円。
・酒蔵の人と話せる、直に説明してくれる会では、7000円というのもある。
・男女で料金差の意見もあったが、とはいえ最近は呑む量に男女差もないので、グラスサイズを選んでもらい、そのサイズで金額を変えてはどうか。

Bグループ
・日本酒は高いというイメージがあるので、酒蔵と提携してもっと安く提供できるのでは。
・秋田の酒と言えば『新政(あらまさ)』が思い浮かぶが、ブランド酒が呑めるので5000円は妥当と思う。5000円を上限にして、量や中身で値段差をつけてもいいのでは。

Aグループ
・安く、たくさんの種類を呑めたらという発想で話し合った。
1種おちょこ1杯を5種類呑めて、おつまみ1000〜1500円として、後は追加料金にする。
・有名ブランドよりも、あまり知られていないがうまい!というようなお酒がいい。

増田氏「入り口部分でお金がかからない方法、ちょっと少なくてもいいから気に入った酒を呑んでみたい、いろいろ出ました。そこからアイデアを積んでいく、いい勉強になりました。そして値段、最後はここですから。さて、1組の報告と4人のプレゼン、計5組の前半が終わりました。この後、30分間の交流タイムをはさんで後半戦です。交流タイムではプレゼンターがそれぞれ商品を持参していますので、ぜひ語り合ってお買い物もしてください。後半はもっとスピードアップします!」



休憩&交流つながりタイム



会場の後方には、プレゼンターのみなさんと懇親会会場の産直カフェ「 かーちゃんふるさと農園わいわい」にもご協力いただき、さまざまな商品を並べたブースが登場。自社や仲間の製品の宣伝・販売・試食・商談会を兼ねて、交流しよう!つながろう!を目的にした交流タイムだ。開始早々に完売した商品も続々。







▲柳沼美千子さんは、未明までかかって焼き上げて来た自慢のパンやシフォンケーキを


▲小田八州雄さんは、糖度76%のキクイモエキスの試食と、キクイモ茶の販売


▲引地理江さんは、地元・伊達市五十沢(いさざわむら)地区の名産のあんぽ柿と、地域の農家のお母さん手づくりの無添加漬け物セットを


▲成田健太郎さんと金子和彦さんは、コラボでブルーベリージャム&金子牧場のヨーグルトのセットを


▲佐々木博紀さんは、ホーリーバジルティー 、ホーリーバジルのフローラルボトルを


▲鈴木尚登さんは、手造りお味噌、地元食材を使った「料理発表会」全6回分のレシピをまとめたレシピ集も


▲猪越吉則さんは、葉付きわさび、クレソン、いわな昆布巻き、クレソン味噌を


▲伊藤康平さんは、試食でも振る舞ったしいたけのスナック菓子を


▲懇親会会場の産直カフェ「 かーちゃんふるさと農園わいわい」からは、大熊町と会津木綿との出会いから生まれた「會空(あいくう)」の手づくりマスコトットをはじめ、相馬焼の陶器も


            ●●●




食ビジネス連続プレゼン&みんなで大討論  

 NICe頭脳交換会 後半!



ファシリテーター NICe増田紀彦代表理事

後半戦がスタート! プレゼンタイムが3分、1分と縮まり、ディスカッションタイムも1分、ナシ、とさらに短くなってスピードアップ。

○プレゼン6
引地理江さん 福島県伊達市
「福島県の名産あんぽ柿を、
農家が直販するためのアイデアお願いします!」


「温故知新!古くから伝わる論語です。柿が色づくと医者が青くなるということわざがある通り、柿は栄養満点です!」と元気よく登壇した引地さん。柿のビタミンCはミカンの2倍、ポリフェノールはブドウの5倍、食物繊維はゴボウの2倍、柿特有のシブオール、ガンマ‐アミノ酢酸(GABA)も含まれている。2014年の東北応援スペシャル 第21回NICe全国交流セミナーin須賀川に参加した頃は、出荷ができなかったあんぽ柿が、「今シーズンできました!」と笑顔で報告。だがなかなか販売が大変。今日はJA伊達みらいのあんぽ柿部会長の宍戸里志さんと一緒に参加。試食をと参加者へ自慢のあんぽ柿を配布した後、宍戸会長からも一言。





「あんぽ柿は干し柿の一種で、干し柿生産全国一位は、長野県の市田柿、次が福島県のあんぽ柿です。ですが震災後、2年間は出荷できず生産できずにいました。ようやく再開にこぎつけました。甘味料も砂糖も使用せず、この甘さが出ています。日本古来の和菓子の原点とも言われるものなので、日本の食文化に残していきたいと思っています。これからもみなさんに食べていただきたい。年配の方だけではなく、若い世代の方にもぜひと願っています。生産者も高齢化してきていますので、生産者の意欲も盛り上げたい。どうぞよろしくお願いします」



増田氏「2年間も出荷できずにいらして、農家さんがどれほど大変だったか。高齢化も進んでいますし、出荷できない、先が見えない、あきらめて生産をやめてしまった農家さんもいらっしゃる。ですが頑張って出荷できるようにはなりました。けれど、まだまだこれから。若い人にも食べていただき、もっとつくろうと意欲が出るようなアイデアが欲しいです。さぁ、わずか2分です、話し合ってください!スタート!」




○プレゼン6 アイデア発表タイム
後半戦は挙手制で発表






・あんぽ柿を使ったレシピを発信・提案する。
あんぽ柿を開いてタネを取り除き、クリームチーズを入れる。ここまでは実践している人もいると思うが、自分はさらにそれを焼いて食べている。とても美味しくワインにも合う!

・若い人が食べたことがないというので、学校の給食で食べてもらって味を体験してもらっては。子どものうちから食べれば大人になっても購買意欲を持ってもらえるのでは。

・このままでも好きだが、30代、40代の女性に、今のパッケージは少し古い印象がある。なので、まずはパッケージを見直す。さらに、6個入りはひとり暮らしには多いので1個1個の個別包装にする。レシピ提案として、自分はカットしてオリーブオイルに和えてサラダにしている。そんな提案を、個別包装と一緒にあわせて販売してはどうか。

・4、5個入りは多い。食べきれるのかなと思ってしまうのでやはり個装がいいと思う。

・ドリンクメーカーとのコラボにして、お酒に合うだけはなく、ソフトドリンクやロングライフの牛乳などに合うとして業務提携しては? お茶請けはこれ!みたいな売り方。

・パッケージに組織名が明記されているが、農家さんの名前がいいと思う。この人がつくっているというのがわかるといい。

宍戸里志会長「個装は、震災前にはやっていたのですが、今はできない状況です。というのも、出荷の際に放射能検査をしていて、1個ずつだとそれだけ検査時間がかかってしまいます。ですが、いろんなヒントをいただいて、とてもいいアイデアだと思いました。ありがとうございます! これからもどうぞよろしくお願いします」



○プレゼン7
横田知幸さん 福島県福島市 有限会社まるい

http://www.534-0101.com/index.html
「希少部位入りの絶品・福島ホルモン!
いかに知名度を上げていくか?」


昭和63年に創業した食肉小売・卸売会社で、長年BtoBだったが、小売り用の商品を初めて開発。このプレゼンでBtoCの販路アイデアを願うつもりだった。が、先週FOODEXに出展し、その反響が大きく原材料が足りなくなってしまい、別テーマでお願いしますとあいさつ。ハム・ソーゼージ・ベーコンなどの加工品も製造販売しているが、製造コストがかかり、なかなか販売が厳しい。リニューアルに努め、大手企業にはできないような、オンリーワンを目指していきたい。ハンバーグや伊達鶏のパッケージ商品も検討中。第2弾3段として、肉を使った人気加工食品、ブランドアイデアをお願いしますと語った。



増田氏「話し合いは1分で!!ほかの食材と混ぜる、コラボもありです。スタート!」

○プレゼン7 アイデア発表タイム
挙手制で発表






・豚汁をつくって、そのまま販売。
・レトルトのビーフシチュー、日もちがするし、高級路線で。
・燻製会社とコラボして、ハムやソーセージをお酒のおつまみのセット商品にする。
・会津牛とコラボして、牛・豚・鶏の福島県産3点セットの贈答用に。
・パッケージを用途別にする。お弁当用、贈答用など、記してあるといい。
・スペアリブ。アメリカは豚のスペアリブが主流で日本でも出している店があり美味しい。焼いただけで食べられるような商品があるといい
・ブルブル(福島市にかつてあった人気洋食店の名物料理。メニューとして復活してきている。この後、懇親会で振る舞われた)


○プレゼン8
後藤正人さん 福島県本宮市 御稲プライマル株式会社
 http://miine.co.jp/
「食味抜群のブレンド米を開発!
誰に、どう売るか?」


米づくりを110年近くやってきたが、年々売値が下がり、お米が安く買える日用品感覚になってしまっている。新たな価値、嗜好品として、当社ではブレンド米を開発、料理別で提案していきたい。たとえば料理米、冷めても美味しい、炊き込み調理に向いている、心臓疾患の方にも優しいなどを考案している。もっとほかにあればアイデアをいただきたい。



増田氏「お米を使う料理、ほかとの組み合わせもありですね。お米の品種によって違うので、料理別・体調別などあります。シンキングタイムは1分間!」


○プレゼン8 アイデア発表タイム
挙手制で発表




・品種ごとの食べ比べセットをつくり、それぞれに合うレシピ付きで提供する。都会なら食事1回分の2合くらいが妥当では。ブレンド米の品種ごとに楽しみ方が異なることを提示してアピールしていく。

・真空パックにして、湯煎して食べられる非常食用はどうか。
非常食の試作でリゾットをつくったが、幅広い年代にいけると思った。トマト味、カレー味、チーズ味つくってみて、美味しかった。

・冷めても美味しいと宣伝しているのは秋田のあきたこまちも同じく。冷めても美味しい=おにぎりだと思う。おにぎりをいかに食べてもらうかが課題だと思うので、おにぎりに特化していくのがいいのでは。

・コンビニと提携して、合ったおかずとセットで売り出す。

・飲食店でも、お肉料理に合う、お魚料理に合うなど、こだわりの飲食店ならお米もメニューで異なる、は受けると思う。

・アメリカにライスドリームという(玄米を主原料とした)健康飲料がある。飲料として使っては?
・お菓子用に。お米のプリンで、シロップはキクイモのエキスを。
・ブレンド米という言い方は変更したほうがいいのでは。ブレンドは、安いもの、混ぜたもの、というイメージがある。こだわりなのに、ブレンド米というネーミングはどうか。ブレンドという言葉のイメージを、今後いいものだと認識させ直したり、差別化して転換するのは難しいと思うので。
・用途別でレトルトご飯を出してもらえたらいい。選べる楽しさ。
・お弁当にレンジでチンしてそのまま使えると助かる。


○プレゼン9
猪越吉則さん 福島県西郷町 有限会社イクシード
「清流で栽培したクレソンと葉わさび。
多くの人に味わっていただく方法とは?」


イワナの養殖が本業の猪越さんは、綺麗な水辺で自生していたわさびのほか、クレソンの栽培、加工品も展開している。もっと広めたいが、わさびは熱処理すると風味が変わってしまうのが課題。火を使わずに、風味を損なわず、どんな商品化が考えられるか、よりよいお答えをと手短に語った。




○プレゼン9 アイデア発表タイム
ここからはグループディスカッションなし、シンキングタイムなし!
思いついた人から挙手で発表!





・冷凍で販売。風味は残り、わざびはそのまま殺菌効果もあるのでいけるのでは。
・お寿司屋さんで千切りにしたわさを海苔巻きにしていただいて、とても美味しかった。レシピの提案。
・葉付きわさびはとても綺麗。鉢植えで販売。食べたい時に食する。
・観葉植物的に販売。キッチンに置いても違和感ない。
・レタスを育てる栽培キットのようにして販売。
・葉付きは都会の人が喜ぶと思うので、容器を変えるだけでいいかも。


○プレゼン10
成田健太郎さん 福島県会津若松市 みのり果実園

http://e-ringo-minori.com/web/
「自慢のブルーベリージャム!
ラベルのデザインに厳しいご意見を」


ブルーベリージャムの新アイデアを考案中。ネーミングはまだ仮だが「目玉ジャム」。丸瓶に目玉のシールを貼る。色からしてブルーベリージャムなのは明らかなので、ブルーベリージャムとはいわず、販売してみたい。瓶は眼球のようにする。いろんな目の形、ウインクしているような絵もありにして、組み合わせ自由で2個セット販売したい。1瓶80〜100g、2個セットで1000円。お土産として買っていただき、食べ終わって目玉瓶をインテリアにして飾ったり、小物入れなど2次利用してもらう。経営に関わりまだ1年目なので、家族には言わずに自分でやってみたい。ぶっちゃけ、売れると思うか。改善点は?



○プレゼン10 アイデア発表タイム
思いついた人から挙手で発表!






・イラストや線画ではなく、いっそリアルな目玉の写真にしたらどうだろう。かえって話題になるのでは。
・なぜ2個セットなのか、セットで買わせる理由を伝えたほうがいい。カップルにどうぞとか。
・目は口ほどにものを言うので、メッセージが込められるといいのでは。笑顔の目とか、ハートマークの目とか。
・お土産とはいえその容量で2個1000円は高いと感じた。送料込みで1000円か。
・中途半端な金額だと高いと思われる。思い切った値段にしては? なぜこんな高いの?という質問からその理由を説明することでコミュニケーションも取れる。
・容器をオリジナルにしてこだわったら?
・有名人の目、アニメの目など、自由に選べたら面白い。
・瓶だけでなく外箱とセットで。面白いものにしてもいいのでは?


○プレゼン11
佐々木博紀さん 秋田県横手市 アクアプラネットエコデザイン

http://www.aquaplanet-ecodesign.com/
「とにかくカラダにいいんです。
ホーリーバジル茶の広め方とは?」


佐々木さんはハーブの一種ホーリーバジルを一昨年から自然栽培。持参したホーリーバジル茶を各グループに配布し、全員で試飲。不老不死の植物、聖なるバジルとも言われ、福島に日本ホーリーバジル協会の本部があるという。すでに国内では、乾燥させたお茶や、アロマなどを商品化して販売している人もいるが、ほかにどんな商品が考えられるか?どう販売したらいいのか。




○プレゼン11 アイデア発表タイム
思いついた人から挙手で発表!




・自分も栽培してみたい。その指導をしては?
・ハーブなので、入浴剤や化粧品。ワセリンと混ぜてハンドクリーム。パッケージ可愛くするといい。
・お香型、ティーバック型のほうが普及しやすくなるのでは。
・ネットで調べると、何にでも効くようなことが書いてある。世界で愛用されていてインドでは誰でも知っているが日本ではまだ知られていない。石けん、化粧品、など身近なもので。
・味と香りがいいので、個人マッサージ店のオリジナルオイルに。


○プレゼン12
福島県喜多方市 おおたけファーム 大竹律子さん
「夫婦で育てたアスパラを、
おいしい加工品にするための智恵をください」


「3日3晩降り続いた雪のため、ハウスの除雪をしてきたため遅れました」という大竹さんは、夫とふたりでお米とアスパラを生産している専業農家。アスパラ耕作面積74aのうち4aはハウス栽培で、収穫時期は4月から10月。冬は雪が厳しいので、その時期を生かして、あるいはアスパラの最盛期に、アスパラの加工品を考えてみたい。収穫時期ではない時期だからこその商品、収穫時期だからこその方法、アイデアをいただきたい。



○プレゼン12 アイデア発表タイム
思いついた人から挙手で発表!


・アスパラ大好物です!肉巻きをお惣菜として売り出しては?
・つい先日ホワイトアスパラをやっている方に会い、温度管理が難しいと聞いたが、アスパラのピクルスはとても美味しい。加工方法はいろいろあるのでどうか。
・フリーズドライベジタブルに。
・スープにしてレストランに。
・ホワイトソースをかけたアスパラグラタンを冷凍食品で販売する。
・会津の大内宿に、ねぎをお箸替わりにして食べる風習があり、飲食店でも提供している。喜多方ならば喜多方ラーメンをアスパラ箸にしてみては?
・トマトシューマイのような、アスパラシューマイもできるのでは。
・先ほどのピクルスのアイデアに加えて一言。グリーンアスパラのピクルスは、瓶漬けにした時にグリーンの色が藁色に変わってしまう課題がある。ハイテクセンターに問い合わせたが解決の提案はなかった。この壁をクリアできると大きな展開ができるのでは。




○全員にプレゼント
永坂貴之さん 福島県須賀川市 笠原工業株式会社

http://www.s-kasahara.co.jp/



ホタテの貝殻からつくった焼成カルシウムの粉末『パリシャキP』と、ホタテ貝と天然のローズウォーターを配合したナチュラルミスト『ピュアシェル』を、参加者全員へプレゼントくださった笠原工業さん。同社の永坂さんから、使用方法が説明された。『パリシャキP』は水1リットルに対して1gを溶かし、そこに野菜を漬け込むと、除菌、洗浄、食感向上、鮮度保持効果がある。また『ピュアシェル』は、匂いがしないノンフレーバーのミストで、一吹きすると、部屋の匂い、気になるところ、ペットの匂い、トイレ等にも効果があるとのこと。


増田氏から最後に、「以上でプラグラム終わりました。みなさんよく頑張りました!」


フィナーレ



実行委員長・荒川周介さんからあいさつ。



「震災から4年が経ち、長いような短いような。今日の会で思ったのが、私たちの発想は無限大ということです。それをどう実行していくかです。ひとりの力でやれることは限界があります。が、連携していくとスゴい威力を発揮します。今日のような会を続けていかないと意味がありません。次の会までにもっと課題も出てくるでしょうし、解決策も新しいものがもっともっと出てくると思います、今日はその練習です。ですので、今後も継続して、私たちの手で、人に喜んでいただける商品を、住み良い世の中を創っていける活動をこれからもして行きたいと思います。今日は大変おつかれさまでした。ありがとうございました!」






懇親会



懇親会は、産直カフェ「 かーちゃんふるさと農園わいわい」にて。埼玉県から参加した小谷野幸夫さん、石井英二さん、須賀川市の柳沼美千子さんの3人が司会進行。なんとプレゼンの続きがここでも行われ、立候補した6名が自己PRに登壇した。


▲左から、石井英二さん、柳沼美千子さん、小谷野幸夫さん


○生まれて初めて福島県へ来たという、福岡県の澤曉史さん



「30歳の時に会社員を辞めて、農業やりたいと、友だちのつてをたよりに新規就農で始めました。野菜をつくり自分で直売していました。ところが交通事故にあってしまい、怪我して、農業ができなくなり、転職して損害保険の営業をやることになりました。保険の代理店に就職し、この3月から東京に転勤になり、今日は福島へ来ることができました。7年前にNICeに出会い、ホーリーバジルとも去年出会いました。世の中へ広げていきたいと考えています。今日は参加できて良かったです。これからもどうぞよろしくお願いします」


○1週間前に開店したばかりの、東京都の青木さわ子さん



「東京の谷中から来ました。3月7日に念願の雑貨とアクセサリーのお店を谷中にオープンしたばかりです。早々に臨時休業の札を出して、今日は福島に来ました。アントレのイベントでNICeとご縁ができ、お店を出すまでになりました。東京上野の近くですので、東京へいらっしゃることありましたらどうぞいらしてください。よろしくお願いします」
谷中 Kuu Home(クウ ホメ)http://ameblo.jp/yanaka-kuu-home/


○参加者全員にプレゼント、の永坂貴之さん再登場!



「さきほどの商品紹介がカミカミだったので、もう1回チャンスをいただけますでしょうか。やりなおしていいですか? (いいとも!)ありがとうございます。北海道の網走でホタテ貝を砕いて粉にして。それを須賀川へ持って来て、アルミのパウチにしたり、スプレーにして販売をしています。私はよく牛丼屋へ行くのですが、どうもサラダが塩素系のにおいがするので気になります。うちの商品を使っていただけるようになれば、ハッピーな気持ちで並盛りから特盛りを食べられるようになると思います。あ、営業先が見つかりましたね!よろしくお願いします」
笠原工業株式会社 http://www.s-kasahara.co.jp/


○本編の報告でも登壇した、デザイナーの西尾望さん



「東京と北海道に事務所があり、今日は北海道から来ました。デザイナーです。自分で農作物を育てたりしていませんが、いろんな企業さん、個人のお客さんとお仕事をさせていただき、時に客観的に意見を言わせていただきながら、ものをつくっています。デザインにはものすごい力があって、商品を良くも悪くもしてしまう。良ければ、正しく、より良くできると私は信じています。これまでやって来たデザイン事例を持って来ましたので、興味お持ちの方、お声かけください。南会津特産・南郷トマトのジュースのパッケージもデザインしています。福島県のお仕事は昨年くらいからですが、お力になれればと思っています」
トラックスアンドストアーズ株式会社 http://www.tracks-stores.co.jp/


○交流タイムでヨーグルト絶賛、福島県下郷町 金子牧場の金子和彦さん



「高校を卒業してから2年間、九州と岩手で乳製品加工の修業をして、3年前に実家に帰って来て、ヨーグルトとストリングチーズをつくり始めました。頑張っていきたいと思っています。よろしくお願いします」
金子牧場 http://www.kaneko-bokujyou.jp/


○アイデア発表タイムでも大活躍だった、JAそうま 大内聡洋さん



「アスパラ大好き、JAそうまの大内です。今日は同じくJAそうまの林と米津の3人で参加しています。去年から6次産業化プロジェクトが立ち上がりました。第一弾は、福島県オリジナル米『天のつぶ』を100%使用した特別純米酒『天のつぶ』です。おかげさまで大好評で、お歳暮等で完売、酒糟も完売しています。いろんなものをつくっていますが、梨を使ったもので6次化できないかと考え、試行錯誤しています。梨と豆乳を合わせるとスゴく美味しくて、バナナジュースのようになるので、商品化したいと。そこで増田先生とお会いし、創業塾も受講させていただき、インスピレーションをいただきました。ネーミングを、『飲むなっとう』と。僕的には会心の出来なのですが、『痛い……』と言われてしまいました。梨の“な”と、豆乳の“とう”なのですが……。ほかに、美味と書いて “うま”と読ませ、相馬の“そ”と合わせた『そ、美味(そうま)梨豆乳』もネーミング候補です。このほか、カボチャの種を使ったお茶、いちじくのドライフルーツなども考えています。そうした中で6次化商品開発を進めていますので、ご協力よろしくお願いします」
JAそうま http://www.ja-soma.or.jp/

▼乾杯の後は、お待ちかね、産直カフェ「 かーちゃんふるさと農園わいわい」自慢の料理を満喫。料理は、野菜はわいわい農園で採れた新鮮なものばかり。むらさき芋とかぼちゃのコロッケ、ホウレンソウと野菜のオムレツ、油で揚げていないヘルシーな鯖の竜田揚げ風、凍み大根の煮物、大根ステーキ、ベーコンロール白菜、そしてふくしまブルブルも!




▼ブルブルとは10年前に惜しまれつつも閉店した福島駅前の人気洋食店『ブルドック』の名物料理。それを地域活性化フードプロジェクトとして復活させたもの。ご飯の上に、生野菜や豚肉などを乗せ、レモンを絞りかけていただく
 

▲プレゼンに登壇した横田知幸さんから、福島ホルモン、ソーセージが差し入れられ、急遽、調理いただき試食。日本酒を持ち込み振る舞う参加者も。会場は広く席もゆったりしていたため、各自自由に席を移動しつつ親睦を深め、頭脳交換会の延長があちこちで繰り広げられた

産直カフェ「 かーちゃんふるさと農園わいわい」
福島県福島市栄町10-3 キッチンガーデンビル
(福島駅から徒歩3分)

http://fuku-kachan-net.com/


【東北応援スペシャル】食ビジネス 14組連続プレゼン&みんなで大討論!
NICe頭脳交換会 in 福島 実行委員長・
荒川周介氏から改めて一言

「14組連続プレゼン、そして様々な課題に対する頭脳交換会に、私も実行委員長
である事を忘れ参加させていただきました。タイトな時間にも関わらず、
プレゼンターの想いを受け止め、さまざまな意見が飛び交う、熱い1日でありました。

今回、一番強く感じたことは、みなさんが自己の利益のためではなく、
他者の強みに対し、さらに磨きがかかるアイデアを、提供して下さった会であっ
たということです。

食の市場においても、商品の凡用品化が進み、
大手企業でさえ非常に厳しい環境の中で 凌ぎを削っている状況です。
しかし、私たちは小さくとも、消費者が要望している商品やサービスを
提供できる力を持っていると強く思っています。
理由は、14組全ての課題や問題に対し、参加者46人の頭脳が、解決の糸口を見出し、
一人では思いもしなかっであろう、素晴らしい意見が得られたからです。
そして、良い商品、売れる商品とは、消費者に対し、いかに
喜んで頂ける商品を提供できるかが問われていることだと改めて感じました。

また、震災から4年が経過しましたが、復興とは私たち自らの手で作り上げ、
新たな市場を開拓するために、前進しなくてはならないことを学んだ1日でした。

そして、私たちにできることは、地域、世代、業種を越え、情報と知恵と
志の共有・循環をはかることで、人間本来の共同性に根ざした21世紀型
コミュニティーの創出を目指す‼ まさしくNICeの基本姿勢を貫くことで、
つながり力で、日本経済と地域社会の未来をきり拓いて行けると確信しています。

ですから、私自身も来年も、再来年もずっと、東北応援スペシャルに携わって行けるよう
日々修練し、微力ながらもみなさまのお役に立てればと考えております。
また、来年、みなさん、元気にお会いしましょう!」



※次回のNICe東北応援スペシャルは、2016年3月12日(土)に開催。
詳細は決まり次第、NICeのトップページにお知らせします。


取材・文、撮影/岡部 恵

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