増田紀彦代表講師「会津のたからもの×ブランディング 会津ブランド塾」第1回 開催報告
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2015年2月14日(土)、福島県湯川村の「道の駅あいづ 湯川・会津坂下」で、会津地域雇用創造推進協議会主催の「会津ブランド塾」第1回が開催された。これは、福島県と会津地域全17市町村、26の経済団体とが連携し、広域の雇用創造に取り組む会津地域雇用創造推進協議会が、厚生労働省事業「実践型地域雇用創出事業」を委託し実施するもの。経営資源や地域資源を掘り起こし、ブラッシュアップすることによりブランド力の向上を図ることを目的に、全5回(2月14・27・28、3月6・7日)シリーズで開催される。そのすべての回で講師を務めるのが、NICe増田紀彦代表理事だ。受講対象は、会津地域内の農業経営者や従事者、中小企業経営者、創業希望者など。第1回となる今回のテーマは、「全国の成功事例に見る(ノン・ブランド)の画期的な商品戦略」。
会津若松市観光商工部商工課 商工労政グループ主査・遠山功氏より、あいさつと開催主旨が述べられ、さっそく第1回会津ブランド塾がスタートした。
登壇した増田氏は、「聞いているだけの講座ではありません。面白い話もたくさんしますが、聞くだけでは頭がいっぱいになってしいまいます。食べ物と同じで出さないと入りません(笑)。途中で私から質問もしますから、みなさんも話したり書いたり、たくさん考えていただきます。問答形式でコミュニケーションしながら、一緒に学んで行きましょう」とあいさつ。
続いて、福島とのご縁、自身の名前“増田紀彦”について、自己紹介を兼ねて笑いを交えつつも、氏名とブランドとの関係、ブランドとはそもそも何か、という基本となる考えを伝えた。
ブランドとは、“他と異なるものであることを、ユーザー(消費者)がしっかり認識・判別している価値のこと”。それが、事業者にとって、あるいはユーザーにとって、どのようなメリットがあるのか。このブランディングを怠ることで、どのようなデメリットがあるかを具体例で解説。続いて、商品をブランド化させるための行程と、留意すべき項目を示し、実際にブランド化に成功した全国の事例を詳細に紹介した。
次に、商品開発において、事業者が陥りやすい欠点について言及した。様々な“ありがちな”商品例を挙げて、それらがなぜブランドに達することができないか、ブランド化への行程の中で、どの項目が欠如していたかを検証した。その後、増田氏はある事業者から入手した、廃棄商品(食品)を取り出して受講者へ配布し、全員で試食。見た目も味もなんら遜色はなく、とても美味しい! なぜこれを、その事業者は販売せずに廃棄するのか。理由は、販売するには納得のクオリティにならなかったから。「変わらない味、変わらない食感を求めて来店するお得意様を裏切ることになる」からだという。受講生からは、「割れせんべいのように、正規商品ではない理由を明記して安価で販売すればいいのでは?」との意見も。それに対して増田氏は、「開業間もない店舗が、顧客拡大のためや親近感を得るため、営業戦略としてそのような販売をすることもあります。ですが、ブランド商品にとっては、それが逆効果になるのです」と注意を促し、講義の前半で示した、“商品をブランド化させるための行程”をもう一度おさらいした。
続いて、ユーザー(消費者)が、商品の何を見て購買意思を決定させるか、10項目のチェックポイントを説明。全国各地で生まれた人気商品8種類の商品例を挙げ、それぞれが商品化するまで、どのような資源に着目し、どのようなアイデアと努力と連携によって商品化を実現したのか。開発までのプロセスを紹介。さらに、購買を決定させる10項目がどの程度クリアされていのかを全員でチェックした。
最後に増田氏は、「有形無形の会津のたからものを掘り起こして、今日紹介した事例に負けないようなブランドを生み出していけるよう、あと4回、一緒に頑張っていきましょう!」と激励の言葉で結び、第1回の講義を終了した。
○会津ブランド塾 今後の予定
第2回 「ブランドを生み出すために実施すべきマーケティング活動とは?」
第3回 「実際のところ、顧客は商品の何を見て購買意思を決定させるのか?」
第4回 「ブランディングに直結するビジネスプランの立案方法と作成」
第5回 「ブランディングに直結するビジネスプランのプレゼンテーションと講評。
各自がプランの発表を行い、受講者相互の意見交換と講師の助言でプラン強化へ!」
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開催予定 2015年3月14日(土)NICe主催【東北応援スペシャル】
食ビジネス 7組連続プレゼン&みんなで大討論 NICe頭脳交換会 in 福島
詳細&参加申込みはこちら http://www.nice.or.jp/archives/26062
取材・文・撮影/
岡部 恵