石巻市 女性の起業セミナー入門編 レポート
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2013年12月8日(日)、宮城県石巻市の鹿妻南コミュニティハウスで、女性就業支援センター協力(厚生労働省委託:一般財団法人女性労働協会)による「女性の起業セミナー 入門編」が開催された。これは、女性が自分に自信をもち、前向きな一歩を踏み出すきっかけをつくり、石巻市の復興・コミュニティの再生・女性の活力ある未来の創造へとつなげることを目的とし、また、石巻市内で生活を支えながら暮らしている女性が、自分の働き方として「起業」「雇われない働き方」を考える機会として企画された石巻市主催セミナー。
石巻地域は東日本大震災により甚大な被害を受け、死者行方不明者は約6,000人、今も市内の15,000人が仮設住宅での生活を強いられている。市の担当者もそのような状況下での起業セミナー開催に躊躇したそうだが、震災前から交流のある仙台市在住の起業支援者・大塚真実氏のサポートもあり、開催に踏み切ったという。申込数は予想を遥かに超え、石巻市内をはじめ、女川町や東松山市から、20代〜60代の計21名が受講。館内の別室では託児のボランティアの協力もあり、4時間に及ぶセミナーは終始なごやかに進行した。
プログラムは2部構成で、前半は「好きを仕事に!自分とお客様の幸せのために、そして家族と仲間の笑顔のために」と題し、女性労働協会の理事でもある、NICeの増田紀彦代表が講師を、後半は株式会社ユー企画代表取締役の大塚真実氏が「女性起業家の先輩からのメッセージ」と題して自らの体験談を語った。
受講者からは、
「とても楽しい講義で時間があっという間に過ぎた。今後もまた受講したい」
「セミナーだけで終わるのではなく、実際に起業するまで手を貸して欲しい」
「話術に引き込まれ、あっという間に感じた。“誰を幸せにするのか?”という大事なポイントを心にとめ、前向きに頑張りたい」
「セミナーと名前がつくものに参加するのが初めてでしたが、楽しかった」
「自分を見つめ直すきっかけができて良かった。自分の短所を改善する努力をするよりも、自分の長所を伸ばし、それが仕事に活かされた方が良いと思えた」
「とてもワクワクする良い時間となった。この気持ちを維持していきたいと思う」
などの声が寄せられた。
同席した女性労働協会の桂香代子課長は、自らも講師として全国各地へ赴き、女性の就業を支援してきた。
「女性労働協会は女性就業支援事業として年間150件近く各地へ講師を派遣し、セミナー開催を支援していますが、今年度はとくに被災地でのセミナー開催を強く進めてきました。これまで岩手県釜石市、大槌町、福島県郡山市、白河市などで開催し、そして今回は宮城県初となる、この石巻市でセミナーが開催できました。継続支援を望む声も多くあり、それに応えていく必要性を実感しています。各地それぞれに課題も異なり、問題も山積ですが、全国各地の情報を網羅できる当協会の利点をフルに生かして、女性支援と復興支援ができるよう注力していきます」と語った。
取材・文、撮影/
岡部 恵