Vol.6【増田紀彦の視点:ドイツ中小メーカーの海外戦略に学べ!】
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2013.5.21
「つながり力で起業・新規事業!」 メールマガジンVol.6
起業支援ネットワークNICe
http://www.nice.or.jp/
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このメルマガはNICeの活動に参加された方々、
またはNICe代表理事・増田紀彦と名刺交換をされた方々、
および全国の中小企業支援・創業支援機関の方々に送信しています
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【1】「事例に学ぶ! 新事業実現法」
新たなつながりで誕生した新たなビジネス事例、
その起点となる発想と実現へのポイントを紹介
【2】「増田紀彦の視点 どうする?日本経済」
厳しさを増す経済・経営環境に立ち向かうために、
増田代表が送る、視点・分析・メッセージ
第6回
ドイツ中小メーカーの海外戦略に学べ!
【3】「pickup! NICeな仲間の日記から」
全国各地の異なる業種・地域・世代の人々が出会い
学び合うNICeのSNSの中から、投稿記事を転載
【4】最新情報
第17回 NICe全国定例会 in 千葉 基調講演レポート、他9本
【5】活動予定
6月のNICeの主な勉強会
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「事例に学ぶ! 新事業実現法」
第6回
故郷発展のビジョン創出のため、
食をテーマに人と感動をつなげる会社を設立
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福井県敦賀市/NICe正会員・瀧波裕幸(たきなみ・ひろゆき)さん
(株)夢食堂
http://www.yumeshokudou.co.jp/
NICe会員情報はこちら
http://www.nice.or.jp/category/members/members-hokuriku
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◆◆人の集積地にもなる飲食店業、つながる機会を提供したいと奮起◆◆
「同じ釜の飯を食う」という諺があるが、
食事を共にすると、人と人との距離感が一気に近付くことがある。
福井県敦賀市で『お食事処なかや』を経営する料理長・瀧波裕幸さんは、
20年来、何度もお客さん同士が近づき、つながる瞬間を目にしてきた。
瀧波さんは25歳の時、祖母の食堂を改装して3代目を継ぐ。
『なかや』は海鮮料理を得意とする割烹・小料理店で、
福井県外から訪れるリピーターも少なくない。
人と出会うことが子どもの頃から好きだという瀧波さんは、
同じのれんをくぐって店に来た客同士をつなげることに喜びを感じていた。
さらに料理を通して、生産者たちの思いや愛を伝えたい、と、
店を舞台に、グルメの会や釣りの会を幾度となく開催してきた。
地域発展に注力したいと、2010年には『敦賀を元気にする会』を発足し、
さらにその思いを強め、2012年に仲間らと共に(株)夢食堂を設立した。
◆◆地場産業を発展させ、次世代へ引き継ぐ役目が大人にはある◆◆
店は夜もランチもあり宿泊もできる『なかや』。
加えて時には自ら漁に出るため、
料理人であり経営者である瀧波さんに休む暇はない。
また、店から車で10分ほどの海岸沿いの故郷・五幡(いつはた)には、
築60年の実家を改装した3組限定の隠れ家的な宿『お宿なかや』もある。
すでに超多忙なはずなのに、なぜ、新会社を設立したのか?
敦賀市はいわゆる“原発銀座”。
インフラこそ充実しているものの、地場産業は全体の20%にも満たない。
にもかかわらず、
「イノベーションの気運も、それを喚起する機会も少ない」と、
瀧波さんは危機感を抱いていた。
「お客さんたちは資源も多彩で、共感してくださる方も多いですが、
お店だとどうしても待ちの体勢で、お客さんがいらして初めて、出会える。
店主と客の関係ではなく、もっとつながって、産業を創出したい。
地域を発展させ、次世代へ引き継ぐ役目が自分らにはあると思ったのです。
3、4時間寝ればなんとかなります。丈夫な身体にも感謝です(笑)」
瀧波さんは、近道してビジネスを創出することが目的ではないと断言する。
人と人が出会って互いの資源に感動し、協力し合う関係が先にできてこそ、
事業連携や6次化商品が生み出される。それが自然ではないかと。
だからこそ、リアルな出会い、共に食する機会を、何より大切にしている。
その言葉どおり、新会社の事業のひとつである養鶏・農園業も、
会社設立前から継続して取り組んできたことだ。
完全自然飼育・自然食のニワトリから生み出される卵『れもんたま』は、
高品質を求める一流店のみに出荷するほか、地元の洋菓子店と組み、
プリンやケーキなどの材料に。それら加工品の通信販売も始まっている。
また、世界無二の銘柄鶏『なやかスペシャル』も2年がかりで誕生させた。
◆◆「食」の感動連鎖で学び合い、ビジョンを共有する仲間づくりを◆◆
人にとって、食べることは生きるうえで欠かせない行為だ。
同じ食卓を囲んで美味しいものを口に運べば、
立場や職種や年齢に関係なく、みな笑顔になる。
美味しいと感動すれば、その感動をまた誰かに伝えたくなるのも人の習性。
「食」は、人がつながる原点にもなり、感動の連鎖の起点にもなるのだ。
そんな「食」をとおして、
共に敦賀のビジョンを考え行動する人材を育てたいと、
蔵元見学で学ぶ“大人の遠足”をはじめ、食関連のイベントも数多く実施。
後世を牽引するのも自分たちの世代の役目と、
地元の若者たちにも積極的に声をかけている。
そして、飲食店業は一次産業から資源をいただき成り立っているように、
他の産業にも有形無形の影響を及ぼす。
経済を動かしているのも「食」だと瀧波さんは言う。
敦賀は、古くから陸海の交通の要所であり、歴史も文化も色濃い。
また風光明媚な若狭湾は、何より海の幸の宝庫でもある。
美味しいものに感動する人の心がある限り、
夢食堂が展開する今後のメニューも、人のつながりも、まだまだ無限。
“食卓を前に、人はみな平等”がポシリーの夢食堂に、
定員なんてないのだから。
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「増田紀彦の視点 どうする?日本経済」
第6回
ドイツ中小メーカーの海外戦略に学べ!
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【機械もすごいが、専用サプライもすごいドイツメーカー】
私事で恐縮。4月に自宅を移したのだが、
転居先にはキッチン設備がほとんど備えつけられていなかったため、
新たにシステムキッチンを購入することにした。
ここで悩ましいのが、自動食器洗浄機の選択だ。
この間まで暮らしていたマンションで使っていたのは国産製品。
その前に使っていたのは、ドイツのバウクネヒト社製品だった。
バウクネヒトの食洗器は優れていたが、
残念ながら同社が日本から撤退してしまい、メンテができなくなった。
それで国産を使ったのだが、性能はドイツ製と比べると、劣る……。
そうやって思案しているうちに思い出したことがある。
バウクネヒトの機械の性能の素晴らしさはもちろんだが、
実は専用の洗剤やリンスも高品質だった気がする。
それらの消耗品は、国産の汎用品より高額だったから、
「高品質に違いない」と、思いたいのかもしれないが(笑)
【“隠れたチャンピオン”たちの販売戦略】
さて、ここからはビジネスの話。
モノづくりにおいて覇を争ってきた日本とドイツであるが、
その販売戦略は、大きく異なっている。
経済産業省発行の『通商白書2012』の中に、以下のような記述がある。
『経営学者ハーマン・サイモンは、ドイツの中堅企業の中の特に優良な企業を
「隠れたチャンピオン」と呼ぶ。①特定の分野で世界トップ3又は大陸欧州で
1位、②売上高40億ドル未満、③一般的にあまり知られていない、以上の三点
を満たす企業と定義。ドイツはこの隠れたチャンピオンに代表される分厚い中
堅企業群が、製造業の競争力の源泉を担っている。
隠れたチャンピオンは世界市場シェアを確保するため、製品・技術を得意分野
に特化させることに併せて、グローバル・マーケティング活動を行っている。
食器洗浄機のメーカーを例にこの戦略を考えてみる。あるメーカーが、ホテル
・レストラン用の食器洗浄機に強みがあるとわかった場合、病院、学校、企業、
各種団体を顧客にビジネスを拡大するのではなく、あくまで顧客はホテル・レ
ストランに絞る。ただし、食器洗浄機だけでなく、関連する浄水器、洗剤、サ
ービスを顧客に提供する。広く浅くではなく、狭く深く顧客に関わることでラ
イバルに真似をできない高い質の商品とサービスを提供することが可能になる』
消費者としての私の実感とも合致するレポートである。
【中小メーカーが生かしてこその、円安である】
しかし、上記のレポートで注目すべきは、
「中堅企業が……、世界市場を確保する」という記述があることだ。
日本の中小企業はどれだけ海外に打って出ているのだろう。
『中小企業白書2012』によると、海外事業展開する中小企業の割合は、
ドイツが19.2%なのに対し、日本は2.8%にとどまるという。
他国と隣接するドイツと島国日本では条件が異なるとはいえ、
この差は大きい。まずは10%突破を目安に、いずれはドイツを捉えたい。
せっかくの円安トレンドである。
日本の中小メーカーが、欧米に出てこその経済成長だ。
各支援機関は、我が国の中小メーカーに対して、
徹底したグローバル・マーケティング支援を実施してほしい。
<一般社団法人起業支援ネットワークNICe 代表理事 増田紀彦>
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「pickup! NICeな仲間の日記から」
第6回
横山岳史 さんの『ブレているように見える人』
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全国各地の異なる業種・地域・世代の人々が出会い学び合う
NICeのSNSの中から、ご本人の承諾を得て投稿記事を転載。
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「あいつ、このあいだと、言ってること違くね?」
なんて、思うこと、多々ありませんか?
ここでは、「ブレている人」は、ひょいと脇に置いときまして、
「ブレていないのに、ブレているように見える人」
に着目したいと思います。
理念や信念、向かっている遠い遠い方向性が
仮に一緒だったとします。
だのに、ちょいちょいブレを感じる人がいます。
この人たちの特徴は・・・
1 熱く語りたがる事が多いようです
2 自分の非を認めるのが苦手なようです
3 時系列での考え方が苦手なようです
4 些細な言葉の違いが気になるようです
5 感情に流されることが多いようです
6 目的と手段が入れ替わってしまうことがまれにあるようです
7 正しさよりも弱さに目が向きます
8 総論より各論を好みます
ま、言い換えると
感情に流されて目的と手段を間違いながらも熱弁を振るい、
間違いを指摘されると、言葉尻での論争に励み、
過去の話を、あたかも今起こっているかの如く、
引き合いに出して、「自分は間違ってない!!」
と憤慨している人です(笑)
おお〜。
こう書くと、ビックリな人ですが、
その芽は、誰もが持っていたりします。
我輩もあるかも知れません ^^;
我輩が陥りやすいケースは、
7がきっかけになり、5へと流れるケースですかね(汗)
ま、まずは、「感情」に流されない。
ということと、「過去」や「未来」ではなく、
「今」をちゃんと意識することが出来れば、
ブレているようには見えないのですよね。
「感情」と「今」の乱れが、
ブレを匂わせているのだと思っています ^^;
もし身の周りの人で、
ブレて見えるなぁ〜と思う人がいたら、
どんなきっかけでブレはじめたのかを
チェックしてみては如何でしょう?
※2012年11月27日投稿
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東京都港区/NICe正会員・横山岳史(よこやま・たけふみ)さん
(株)バーティック
http://www.virtic.jp
NICe会員情報はこちら
http://www.nice.or.jp/category/members/members-tokyo
●NICeのSNSの中に投稿されている、フレンドからの紹介文
「初めてリアルで会ったのは2009年9月、東京・神田での頭脳交換会でした。
一瞬にしてバリアを解きほぐす名人であり、知識も見識も硬軟幅広く、いつも
何かを学ばせてくれるよこさん。システム開発会社の経営者さんですから、も
ちろんIT全般の専門家ですが、人間の本質・心理、コミュニケーションについ
ても、広い視野と深い智恵の持ち主。その基盤にあるのは、人間味に溢れた温
かなハート。自信を持ってみなさんへ紹介したい人です」
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NICe最新情報→
http://www.nice.or.jp/info
《report》 5月20日更新
NICe東海 実行委員会レポート
http://www.nice.or.jp/archives/15685
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《report》 5月19日更新
第5回 NICe福島 頭脳交換会レポート
http://www.nice.or.jp/archives/15586
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《news》 5月15日更新
福岡市に続き、フジサンケイビジネスアイの後援決定!
5/25開催 第18回NICe全国定例会 in 福岡
http://www.nice.or.jp/archives/14423
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《report》 5月14日更新
本気のファシリテーション講座<基礎編> 開催速報
http://www.nice.or.jp/archives/15537
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《Mr.NICe》 5月14日更新
増田通信より「ふ〜ん なるほどねえ」22
価値観を狙え!
http://www.nice.or.jp/archives/15515
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《report》 5月11日更新
第17回 NICe全国定例会 in 千葉 基調講演レポート
http://www.nice.or.jp/archives/15424
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《report》 5月11日更新
第17回 NICe全国定例会 in 千葉 全編レポート
http://www.nice.or.jp/archives/15336
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《Mr.NICe》 5月07日更新
増田通信より「ふ〜ん なるほどねえ」21
うっかり、わざと、間違えちゃいました〜(笑)
http://www.nice.or.jp/archives/15293
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《report》 5月11日更新
NICe後援 変革期における経営セミナー 開催速報
http://www.nice.or.jp/archives/15236
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NICe定例会、イベント、勉強会等のお知らせ
6月01日開催 NICe関西 頭脳交換会 & プチセミナー
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6月12日開催 第14回「講師の講師による講師のための勉強会」
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6月12日開催 1周年スペシャル 第13回たまビジネス元気塾
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6月15日開催 コミュニケーション勉強会2013 第2回
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6月15日開催 本気のファシリテーション講座 〜実践編〜
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6月15日開催 NICe東海 頭脳交換会
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6月22日開催 NICe×志成会 頭脳バトル第4弾
「発揮しようぜ!つながり力。熱くしようぜ!新宿。」
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6月29日開催 NICe関西 関西を楽しむ会
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上記はNICeユーザー(SNS登録者)を問わずどなたでも参加できます。
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活動予定・活動報告はこちら→
http://www.nice.or.jp/real
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┃ ┃ ┃ ┃ ┃編┃集┃後┃記┃ ┃
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横浜ではアジサイが少しずつ大きくなってきましたが、
5月といえば、アスパラの季節ですね。
ちょうど昨年の今頃、NICe全国定例会in十勝が開催され、
翌朝、アスパラ農家さんにお邪魔し、朝採り体験をさせていただきました。
採ったその場でいただいた、瑞々しさと甘みは格別な美味しさでした。
そして今年の5月、舞台は北海道からグンと飛んで九州です。
今週末の25日、福岡市の福岡大学にて、
第18回NICe全国定例会 in 福岡が開催されます。
今月は、NICe福島の勉強会に参加し、福井県の瀧波さんに電話取材し、
そして25日には福岡へと、まさに「福」つながり。
福岡で、どんな出会いと発見と感動があるのか、楽しみです。
まだ参加申込みは受け付けていますので、
どうぞふるってご参加ください。福岡でお会いしましょう。
http://www.nice.or.jp/archives/14423
「つながり力で起業・新規事業!」メールマガジンVol.6
いかがでしたでしょうか?
次号は2013年6月21日に配信予定です、どうぞお楽しみに。
(NICe事務局・岡部)
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■ TEL&FAX (03) 6316-9029
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■ 代表理事 増田紀彦
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