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本気のファシリテーション講座<基礎編> 開催速報






2013年5月12日(日)、東京・神田のフォーラムミカサ エコ会議室で、NICe主催「本気のファシリテーション講座 基礎編」が開催された。講師は、有限会社ヒューリス代表取締役、NICe理事の小林京子氏。小林理事は、これまでNICe全国定例会や全国各地の勉強会で幾度となくファシリテーターを務めているほか、一般財団法人女性労働協会の認定講師でもあり、ファシリテーターとして公的機関や民間企業からの講演・講師依頼も多いファシリテーションの専門家。20年以上にわたり多種多様な業態業種で人材育成と研修を担当すると同時に、心理学的根拠のもとにしたモチベーションアップのワークショップも定期開催している。
その小林理事が、NICe初となるファシリテーション講座に登壇し、本物のファシリテーションのノウハウを本気で伝授するとあって、参加者は関東圏にとどまらず、長野県、福岡県からも経営者や会社員、士業、講師、団体職員、プロジェクトリーダーら14名が臨んだ。

今の時代、なぜファシリテーションスキルが求められているのか。そもそもファシリテーションとは何か。発祥地はアメリカで、背景にはさまざまな人種・宗教・職種などコミュニティの多様性にある。多様な集団の中で、いかにコンセンサスを取りながら知的相互作用を促進できるか、という生産的な考えから誕生した。このファシリテーションが今、日本で注目されている理由は、組織の変化と多様性だ。かつての日本の企業や組織はピラミッド型で、プロジェクトには指導者的なリーダーが存在していた。プロジェクトのことも、参加メンバーのことも熟知しているリーダーが、権威的にプロジェクトを運営し、最終的に意思決定を下すのもリーダーだった。だが今は、多様なメンバーで構成されるネットワーク型の組織が増えている。メンバーも流動的で、初対面も多く、従来型のリーダーでは組織はうまく機能しない。今の多様性組織のリーダーに求められるものは、個々のメンバーの資源をその場で引き出し、自発的に促し組み合わせ、コンセンサスを図りながら最終決定へと働きかける能力だ。それがファシリテーション。
このスキルは、企業内部署や組織を超えたプロジェクト、地域活動、ミーティング、初対面の複数の人が集まるセミナーなど、大人数から少人数まであらゆる集団に活用できる。

6時間に及んだ講座では、ファシリテーションスキルの役割とあり方、アイスブレイクの目的と効果、自己紹介の多様さ、集団のマイナス要素をプラスに転化するスキル、レクチャースキルとファシリテーションスキル、ミーティングファシリテーションの要点、コンテンツとプロセスのつくり方、非言語メッセージ、対人関係スキルの6つの要素、質問の種類と使い方など、必要とされる基本的なスキルの概要を実践ワークを交えて学習した。




途中で質疑応答も行われ、「議論が脱線した時の戻し方」、「ファーストアンサーの発言に場が悪影響を受けた場合の修正法」「場の集中度を高める効果的なアイスブレイク」などの具体的な質問に対し、小林理事は体験談を披露しながら回答。そして最後に今日学んだことの振り返りと次回の実践編への要望について、3グループに分かれ、ファシリテーター役、書記役、発表者を立て、実践ワークが行われた。

参加者からは、「場のつくりかたひとつで初対面でも話しやすくなることを身をもって体感した」「質問の力を感じた。質問の仕方ひとつで伝わり方がこんなに違うのかと驚いたと同時に、自分の未熟さも認識できた」「今日から意識してみたい」「スキルアップだけではなく自分の人間力アップが必須だと実感した」「次回の実践編でうまくできるか今から緊張しているが、きっと不安が払拭できると期待している」との声が寄せられた。

小林理事は、「今日はファシリテーションを通して、さまざまな地域、職種、立場の方々が参加してくださり、互いに影響し合い、いろいろ感じてくださったと思います。次回はひとり30分の持ち時間で、それぞれの立場・ニーズに合わせてファシリテーションしていただきます。より実践的な会にしますので、楽しみに参加してください」と締めくくり、次回への期待を高めてお開きとなった。



6月15日開催 本気のファシリテーション講座<実践編>の詳細はこちら
http://www.nice.or.jp/archives/14619

取材・文、撮影/岡部 恵

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