NICe福島スペシャル in 郡山 レポート(全編)
・
2013年2月11日(祝・月)、福島県郡山市でNICe福島スペシャルin郡山が開催された。ちょうど1年前の同じ2月11日、「飲んで食べて買って、福島を応援しよう!」を合言葉に開催した「NICe大宴会in福島」(詳細はこちら)。今回は、「やろうぜ福島! 売ろうぜ農産物!」を合言葉に、福島市、伊達市、喜多方市、二本松市、田村市、郡山市、須賀川市、白河市、西郷村、棚倉町、の県内をはじめ、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、長野県、大阪府からNICe内外30名が結集。NICe増田代表理事が講師を務める福島県6次化創業塾の受講生のみなさんも多数参加した。プログラムは、増田代表理事の基調講演と、NICe史上最長となる3時間の頭脳交換会の2部構成。生産者と消費者が共に知恵を交換して、“つくる農業”から“つくって売る農業”への道を探った。
■オープニング
司会のNICe福島代表・
竹内竜也氏が参加者への歓迎と感謝の意を述べ、「今日は頭をいっぱい使って有意義な会にしましょう」と挨拶。まずはグループごとに自己紹介。会場内は5つのグループに分かれて座るようレイアウトされており、農業従事者と消費者がバランス良く同席するように指定されていた。短い自己紹介タイムながらも場内の雰囲気が打ち解けところで、基調講演に登壇するNICe増田代表理事のプロフィールを竹内氏が紹介した。
■第1部 基調講演
「つながり力で、”つくって売る農業”を広めよう〜脱デフレ・雇用拡大は、私たち自身の力で!〜」をテーマに、一般社団法人起業支援ネットワークNICe増田紀彦代表理事による基調講演が行われた。
話す一方ではなく、参加者に問いかけ考えさせるおなじみの問答スタイルで行われた基調講演。政府やマスコミが謳う日本の農業、その一般的なイメージと現実との相違点、TPPの真の意図、食料自給率の計算方式のからくり、農業と工業と流通業の関係、食文化の変化に伴う加工品の販売推移、長期デフレが及ぼす影響など、日本の農業が置かれた外的内的要因と、経済の仕組みをわかりやすく解説。そのうえで、小規模農家はどのように活路を拓くのか、5つの提案を示した。そのポイントとなるのが、つながり力だ。具体的な事例を紹介し、つながり力で”つくって売る農業”の方向性を力説した。厳しい経済状況は農業だけの問題ではなく、全産業に共通する課題だ。では、異なる産業同士がどのように関わるのか? 生産物以外の農家の経営資源とは何か? どのようにすればつながれるのか? 小規模農家が売る農業を実践できるのか? 未来を拓く5つの提案とは? つながり力とは何か?
この詳細は、こちらのレポートをご覧ください。
●「NICe福島スペシャル」第1部 基調講演レポート
http://www.nice.or.jp/archives/14774
■第2部 頭脳交換会
テーマ
「教えて! なぜ買うの? なぜ買わないの?
〜生産者と消費者のギャップを、みんなの知恵で埋めよう〜」
●ファシリテーター 増田紀彦代表理事、小林京子理事
休憩をはさんで第2部の頭脳交換会が始まった。頭脳交換会とは、プレゼンテーターが事業プランや課題を発表し、参加者全員が「自分だったら」という当事者意識で建設的なアイデアを出し合い、他者の意見を聞いてまた新たなアイデアを重ねていき、頭脳と頭脳のバトルで解決策を探っていくNICe流の勉強会のこと。NICe福島をはじめ全国各地で開催するNICeのリアルイベントではおなじみとなった全員参加型のワークだ。今回はパート1、パート2の2部構成で実施され、NICe史上最長時間となる3時間で実施された。だが、その長さを感じさせないほど、“みんなの知恵”が次々と飛び出すことに。パート1のプレゼンテーターは、福島県産のこだわりの農産物を販路開拓・販売代行している一般社団法人えがお福島・理事の金子幸江氏。
●プレゼンテーション
プレゼンテーター 一般社団法人えがお福島・理事 金子幸江氏
金子氏は法人説明からプレゼンをスタート。えがお福島
http://egao-fukushima.com/は、福島県内生産者の農産物の販路開拓・販売代行をすることを目的に2011年6月に設立した一般社団法人。農産物の販売には物流コストがダイレクトに価格に影響してしまうことに観点を置き、福島県本宮市にある運送会社の空きトラックを生かして事業活動している点が一番の特徴だという。
販売ルートは、インターネットによる通信販売、市内お届けサービスなどの個別販売、全国で開催されるマルシェなどでの出店(2012年実績で80日間)、郡山市内と関東の協力店での販売棚などだ。そのほか、毎月1回料理教室も開催している。契約生産者は現在36軒の農家があり、現在は会津地方の農産物が中心とのこと。
金子氏自身も各所の直売会へ精力的に出向き、売り子を務めている。特に都心での販売会では、福島弁で話しかけたほうが喜ばれるとのことで、実際にいつも愛用している割烹着も披露した。金子氏は生産者との関係が濃く、生産過程もよく知っているため、自身でも語れる売り子だと自負している。が、より多くの消費者に商品を手に取ってもらうためには、自分が語るだけでなく、商品そのものが語れる商品となるよう、パッケージ化にも注力していきたいと述べた。
震災前は関東圏の食料庫と言われ、消費する4分の1は福島県産の農産物だったが、大震災と福島第一原発事故の影響は大きく、状況は厳しいという。だが、日本には四季があり、生産時期が異なるため、福島県産品をすべて排除してしまうことは価格高騰や食料不足につながるのではないか。福島は大変だからと泣きの販売ではなく、本当にいい商品で喜んでもらいたいし、人が生きていくうえで根源である食、食卓、食の風景、農家の生産を守りたいという思いで今後も取り組んでいきたいと抱負を語った。
今日は、なぜ買うのか、なぜ買わないのかをテーマに意見をいただき、今後の活動に生かしていきたい。最後に、福島県にはフルーツラインと呼ばれる道路もあるほどの果物王国。県内でもワンランク、ツーランク上の果実ができるという福島市飯坂の
菱沼農園さんの新しい商品についても意見をいただいたいと述べ、プレゼンテーションをしめくくった。
●生産者さんの紹介タイム
次は本日参加している生産者さんの紹介タイム。
10組の農家や加工業者さんが自慢の商品を手に挨拶した。
■ふるや農園 降谷和敏さん/郡山市 http://www.wakanaya.com/
降谷さんの両親が昭和57年に創業したふるや農園は、水耕栽培の先駆者でもある。現在は、かいわれ大根、サンチュ、豆苗をメインにハウス栽培しているほか、夏に収穫できるイチゴ、養豚、きねつき餅などの加工品も製造販売。養豚はストレスフリーの放牧で、ソーセージやハムなどの加工品が人気、主に贈答用で販売している。震災後に水耕栽培の需要が激減しているので、養豚加工品に注力したいと考えている。今日はスタッフとともに参加した。
■おおたけファーム 大竹律子さん/喜多方市
大竹さんはご夫婦で参加。増田代表理事が講師を務める福島県主催の農業6次化セミナーの受講生でもある。律子さんは農家の嫁になりたくて、ご主人と出会ったという。おおたけファームは専業農家で、お米とハウス16棟&露地栽培でのアスパラを生産。アスパラは最近値崩れしているが、今年は勝負しようと、アスパラをあと4棟増やす計画。新たな販路拡大とアスパラ加工品を模索していきたいので、そのアイデアを求めているとのこと。
■パン工房MANA 料理研究家・柳沼美千子さん/須賀川市
柳沼さんは福島県主催の2012年起業セミナーで増田代表理事の講義を受講した卒業生。前職は化粧品の訪問販売だったが、食に目覚め、現在は料理研究家として活躍。自然酵母の開発・パンの予約販売、委託販売、イベントでの販売ほか料理教室での指導もしている。オリジナルの米粉パンは、『JR未来の自慢のいっぴん』に認定されたほか、『福島県JRかりんとうプロジェクト』にも採択された。古代エジプトの小麦の原種・スペルト小麦を使用したオーガニックパン、会津若松でのオリーブオイル製造、日本一美味しいイチゴ販売なども手がけている。販売ルートおよびマッチングを模索しているところだと挨拶。
■菌床栽培テイク・渡邊 広さん/田村市 http://take-japan.com/
渡邊さんは、えがお福島と契約するシイタケ農家さん。丸太を細かくしたオガコに小麦や米ぬかなどの栄養源を加えた菌床で栽培し、独特の甘みとステーキのような肉厚が自慢のシイタケ栽培をしている。直売で販売を始めたところ、とあるスーパーに選ばれ、好評だという。通年だと年明けに需要が落ちるが、年末に購入した消費者が美味しかったからまた欲しいと買いに来てくれたそうで、嬉しい再注文に。風評被害という言葉は、実際に買ってくださるお客さんに失礼な言葉ではないかと思う、と静かに語った。
■株式会社イクシードジャパン 代表・猪越吉則さん/西郷村
猪越さんも農業6次化セミナーの受講生。イワナとヤマメの養殖から、クレソン栽培にも着手し、加工製造販売も行っている。商品の中では特にイワナの薫製とクレソン味噌が人気で、この場に商品を持参すれば良かったと苦笑い。2月6日には福島県のマッチング商談会があり、5品目を出品できることが決まったばかりだと報告した。今後も勉強しながらやっていきたいと抱負を述べた。
■トレジャーやしま 代表・小田八州雄さん/棚倉町
小田さんも農業6次化セミナーの受講生。ヤーコン、ウコンの栽培・収穫・加工販売をしており、現在の主力製品はヤーコン茶だという。健康食品にも興味があるので、今後は食品化も着手したい考え。キクイモの栽培も始めているので、何かアイデアがあればいただきたいとのこと。
■にこにこバラ園株式会社 代表・伊丹雅昭さん/須賀川市
http://www.nikonikorose.com/
伊丹さんも農業6次化セミナーの受講生。大阪出身の元技術者で、バラ農家になりたいと15年前に福島へ移住。プロフィールは『財界ふくしま』2月号に掲載されたばかり
http://zaikai21.co.jp/read/date/2013/02/。移住当時は40軒あったバラ農家が今や5軒にまで減少し、その原因は厳しい国際競争だと語った。日当100円の人件費でつくられる南米産やインド産には勝てないので、販売も自分でやろうと“ひとり6次化”に励んでいるところ。何もかもひとりでやっているので、友達がいない。友達募集中とのこと。
■東和 季の子工房 武藤洋平さん/二本松市 http://namekoya.web.fc2.com/
武藤さんも農業6次化セミナーの受講生。35年前に父親がなめこ栽培を始め、武藤さんは2代目予定。いずれ食材に生かしたいと調理師免許を取得し、現在はなめこ栽培と7年前にオープンした農家レストランのシェフとしても頑張っている。なめこはウイスキーの搾りかすやオガクズなどを栄養源に栽培しており、味には自信があるものの震災後の市場価格は半分にまで減少。なめこを生かしたレシピの開発、加工品も視野に、農家レストランも発展させたいと挨拶。
■果実業 齋藤家樹さん/伊達市
伊達市霊山の果実農家で、桃、リンゴ、ぶとう、あんぽ柿などを生産している。作業行程を7年がかりで組み立て、販売先が6、7社あったのだが、震災後に取引先が減り、見直しを考えているところだという。作業工程などを精査しながら、利益が出る農業生産体系をつくっていきたい。今日は刺激を受けたいと思い、参加したと語った。
■金子氏から 菱沼農園さん/福島市 http://菱沼農園.com/juice.html
えがお福島の契約農家さん・菱沼農園さんのリンゴジュースを代理で紹介。リンゴジュースは安いものだと1本300円くらいでも販売されているが、菱沼農園さんはこれを1200円で販売したい考えだという。安いリンゴジュースは傷のあるようなものを使用するが、これは最高品質1個300円のリンゴを4個使った100%のもの。パッケージの改善などを含め意見をいただきたいと、各グループに1本ずつ配り、全員で試飲。
●頭脳交換会パート1
「なぜそれを買う?なぜ買わない? 消費者の決め手は何?」
金子氏のプレゼンと生産者さんの自己紹介をふまえ、ここからは全員が“消費者”の目線となって、5グループに分かれてのグループディスカッションが行われた。テーマは「「なぜそれを買う?なぜ買わない?」。生鮮食料品と加工品、それぞれの購買理由、購買しない理由を、思いつく限りあげていく。制限時間は20分!
●パート1 発表タイム
「なぜそれを買う?なぜ買わない? 消費者の決め手は何?」
1グループはそれぞれ6人前後。それだけの人数が20分も話し合えば、相当の数の理由が挙がる。どのグループも同じような意見かと思いきや、重複しない意見が次々と出された。他グループからの発表に、「あっ、それ、あるある!」「それじゃこれも!」と追加意見も続々。発表まとめは以下。
生鮮/買う理由
・美味しそう
・旬
・話題だから
・季節の行事で
・好き
・価格が買いやすい
・適切な量
・健康志向
・販売員の感じの良さ
・販売員がかわいい、かっこいい
・鮮度
・対面でついつい
・試食させてもらったから
・ダイエットに良さそう
・自分の好みに調理加工できる
・クチコミで
・ストーリーがある
・お勧めのレシピが書いてある
・目線に合った商品棚の位置
・(野菜の場合)泥付き、葉付き
・セットもの(お鍋セット、おでんセット)
・パッケージに料理例の写真付き
・ブランド名
・持ち帰りできる
・タイムサービス、詰め放題
生鮮/買わない理由
・知らない、何これ?
・高そう、割高
・調理方法がわからない
・(持ち帰りが)重たい
・成分
・きらい
・見た目が悪い
・中身が見えない、シールに隠れて見えないなど
・販売員の対応が悪い
・不潔な店、不潔な店員
・強引な売り込み
・ダイエットのため
・保存場所がない、保存方法がわからない
・(魚など)自分でさばけない
・宜しくないクチコミ
・流通していない(欲しいけれど買えない)
・調理道具がない
・パッケージに血が付いている
・目線に合わない、取りにくい商品棚の位置
・中国産
・ブランド名
・面倒くさい(皮を剥くのが手間な果実)
・持ち帰りできない(重い、大きい、かさばる)
・ラップに張りがない
・(野菜の場合)泥付き、葉付きは虫がついていそう
加工品/買う理由
・香りがいい、匂いにそそられて
・見た目
・美味しそう
・お洒落
・カロリーもいい感じ
・お土産にいい、ギフトに恥ずかしくない
・賞味期限が適度、保存期間が長め
・納得の食材原料、成分表示
・オリジナリティがある
・珍しい、見たことがない
・流行っている
・お店が入りやすい
・バリエーションが豊富
・クチコミ
・ストーリーがある
・手っ取り早く食べられる
・限定品、レアもの
・時短、調理の手間が省ける
・天然100%
・CMタレント
・ブランド名
・容器(ゴミが少ない、持ち帰りやすい、使いやすい)
・マズそうだけれど、どれだけマズいのか試してみたい
・商品名が面白い、ネタ、受け狙い
・NEW!の表示
・お店の紙袋がお洒落
・商品パッケージが損傷しているだけでお買い得
・セール
・間違って購入
加工品/買わない理由
・見た目がマズそう
・食べあきた
・流行終わり
・カロリーが高そう
・中身がよくわからない
・値段が高い。または安すぎると怪しい気がする
・成分表示
・バリエーションが少ない
・量が多すぎる
・持ち帰りできない(重い、大きい、かさばる)
・デザインやパッケージがださい
・時代遅れ
・販売員の対応が悪い
・お店のグレード、敷居が高い
・安そうにつくってある
・包装が凝り過ぎて、そちらに価格を載せているのではと思うもの
・産地
・宜しくないクチコミ
・流通していない(欲しいけれど買えない)
・自分でつくれるそうだから
・ブランド名
・容器、ゴミになる、分別しにくい
・オリジナリティがない。どこで買っても同じ、どこにでもある
・目線に合わない、取りにくい商品棚の位置
・缶の裏が外国語表示
▲5グループのリーダーの発表をファシリテーター役の小林京子理事がホワイトボードに書き出していった。小林氏は、「買う、買わない、両方に共通する理由も少なくないということがわかりましたね。ということは、見せ方ひとつで、どちらにも転がるといえる」と総評した。そして、ここまではパート1、次に具体策を探るパート2に行きます!と、さきほどの生産者さん自己紹介を書き留めた10枚の模造紙を広げた
●頭脳交換会パート2
「どうすれば売れる? 10組の生産者をアイデアで応援!」
パート2は、さきほど自己紹介した10組の生産者さんの商品を、どうすれば売れるか?がテーマ。増田氏が先の基調講演の締めくくりに語った“つながり”の実践編だ。つまり、“他人の目を大いに事業へ取り入れる。相手の価値を見つけてあげる”。生産者さんは自分以外の事業について話し合うよう、1グループが2生産者を選び出し、グループディスカッションがスタート! そして15分後、「○○はどうすれば売れるか?」の発表が行われた。
■Aグループの発表
【武藤さんのなめこ】
・なめこと言えばお味噌汁。それ以外の料理例を写真にしてパッケージに掲載する
・なめこと言えばお味噌汁、それを徹底して朝食の定番である納豆とセット売りをする
・なめこ専門なので、オリジナルのなめこキャラクターをつくってアピールしてもいいのでは
・パック売りだけでなく、栽培セットで販売してはどうか
・なめこ汁缶(ポタージュスープの缶商品のイメージ。最後に底を叩いてなめこが落ちる)は受けるのでは。
コンビニでおにぎりと必ずセットで販売する
【柳沼さんのパン】
・素材のこだわりが包装から感じられない。差別化を図るためにも、柳沼さん自身のキャラをもっと出す。
高品質なのでセレブ向け路線を全面にしたほうがいいのでは
・マダムパンとして、セレブ風、お姫様風のスタイルでドレスを着た柳沼さんの写真をシールにする。包装もお洒落に
・オリーブオイルを5種類くらいのセットにして販売する。
簡易ジャムやマスタードのような小サイズでパンと一緒に購入、気に入ればオリーブオイル瓶そのものの購入へつながる
■Bグループの発表
【菱沼農園さんのリンゴジュース】
・1本1200円は果たして高いか?から話し合った。そうでもないのでは?という路線で展開すればいいのでは。どこで飲むかというシチュエーションによっては妥当な価格感になる。たとえばバー。1杯1000円くらいの相場でもいい。またはトマトジュースを使用したカクテルのように、カクテル使用もあり。
・バーにツテがないのであれば、バーテンダー協会に協力を仰いではどうか。
郡山市内にフルーツカクテルで有名なバーがあるとのこと、まずは試して使用してもらっては
・オロナミンC作戦もできる。お父さんはジンで、僕はソーダで、というように、何かで割って飲むスタイルを提案しては
・パッケージの工夫は必要。この瓶の形状は
コストがいいようなので、瓶はこのままとしてもシールは改善すべき。また、少量タイプの販売も検討しては
・結婚記念日など特別な日に飲む特別なジュースというアピールもできる
【斎藤さんの果実 桃・アンポ柿】
・桃やアンポ柿はデザートとしてだけでなく、お洒落な飲食店のお通しに勧めたい
・たとえば、食事の後に立ち寄るようなバーは、お通しに乾きものが多いが、そこで出されたら喜ばれるだろうし、いいバーだなと店の印象も良くなる
・美しくカットされて提供されたら、客は「お?これ何?」となり、どこで買えるか?と質問したくなる。お土産にしたいという要望も受けるようにすればいい
・こだわりの飲食店、プライドの高い店、頑張っているバーなどへアプローチしては
■Cグループの発表
【渡邊さんのシイタケ】
・肉厚で見た目も見事なシイタケなので、栽培された状態のままだったら、なおその大きさに迫力が増す。との意見から、丸太の菌床のままの状態で販売してはどうか
・たとえば祝日や記念日のお祝い用ギフト。2つセットでいい夫婦の日、敬老の日、七五三など、おめでたい日のギフトとして提案する。見ても珍しい、収穫する楽しさも贈れて、食べて美味しい。食育にもなる
・床は丸太なので、木製のお洒落な鉢カバー的なデコレーションを施して高級感を出す。Cグループには伊達市で木工業を営むメンバーもいるので、何かコラボできるのでは
【降谷さんの水耕栽培、放牧豚加工品】
・水耕栽培の工場見学ツアーを公開し、来場者に高級路線の加工品を販売をする
↓
・降谷さん/小学生の体験見学は既にある。自分で容器に入れ、できたものを持ち帰ってもらっている
↓
・大人も体験してみたいかもしれない。大人の遊びをプラスしてもいいのでは。
体験は無料で、お土産に加工品を購入してもらう
■Dグループの発表
【大竹さんのアスパラ】
・アスパラは野菜、という固定概念を破って、果物路線で考えると加工品としての幅が広がる。
たとえば、チョコバナナならぬチョコアスパラ
・アスパラの茎はそのまま伸ばすと観葉植物のようになるので、伊丹さんのバラとセットにしては
【小田さんのお茶、キクイモ】
・お茶製品としてだけでなく、スパイスとしても活用できる。料理の材料という展開の可能性もあるのでは
・キクイモはオリゴ糖になるので、甘味製品としても使える。蔗糖を摂取できない人などに喜ばれる
・扱っているものがどれも健康、栄養成分を気にしている人に受けるはず。可能性がまだまだある
■Eグループの発表
【猪越さんのクレソン味噌 イワナの薫製】
・クレソン味噌に惹かれる。クレソン味噌の焼きおにぎりはコンビニでも受けるのでは
・そのセットでイワナの薫製も売る。野菜スティックにも合いそう
・オリジナリティがあり珍しいので、大人の味というアピールを
【伊丹さんのバラ】
・バラのアレンジメントを自動販売機で販売してはどうか。設置場所は病院や夜の街
・農園への来場者を増やすには、バラの摘み放題などのイベント開催。
バラの花びらに埋もれた、バラまみれの中での記念写真サービスなど
・エステやサロンなど、店内演出としてバラの花びらを散らしたい業界もあるのでは
【グループ発表後、フリータイムでのアイデア】
・武藤さんのなめこ:高級スープとして商品化もありでは?
お味噌汁ではなく洋風にすると高級品として展開できる
・柳沼さんのパン:セレブ路線でいくなら、オリーブオイルのパッケージも高級路線がいい
・柳沼さん&伊丹さん:柳沼さんのキャラ設定にバラは似合う!
・猪越さんのクレソン味噌:和食だけでなくパスタにも合いそう。
洋風の提案を。柳沼さんのオリーブオイルとも合うのでは。卵掛けごはんのおかずにしたい
・降屋さん&猪越さん:サンチュで焼き肉をまいてクレソン味噌で食べたら美味しそう。
組み合わせて展開できるのでは。
焼き肉チェーン店と提携して評判になれば、焼き肉店での商品販売もできる
●増田代表理事の総評
「わずか15分でよくこれだけアイデアが出ましたね!みなさん、拍手です!!自分ひとりで考えていると行き詰まってしまいますが、頭の数だけ、まさかというアイデアが出てきます。農家だけではなく、様々な業界の人と組むことで、新しいものができるし、新しいコミュニティが生まれます。ぜひ今後もこの取り組みを生かしていただきたいです」
●生産者のみなさんとプレゼンテーター金子氏から一言
猪越さん「クレソン味噌で焼き肉、やってみたいと思います」
渡邊さん「菌床での販売をやってみたいです」
齋藤さん「アンポ柿の単価を見直してみます」
武藤さん「なめこ料理の写真とレシピ、すぐにできそうなのでやってみます」
伊丹さん「バラの花びらを散らす、やってみたいです」
柳沼さん「シールでセレブ感を出してみます。瓶もお洒落にしてみたい」
大竹さん「チョコレートは意外でした!フォンデュしてみようかと思います」
降谷さん「加工品を販売する売店をやってみたい」
小田さん「スパイスとジャム加工をやってみます」
金子さん「リンゴジュースの件はさっそく提案してみます。
今日はありがとうございました。これまでもいい商品をつくっていただいていますが、
買う・買わない理由を参考に、ますますいい商品を探して提供していきたいと思います」
取材・文、撮影/岡部 恵