【イラスト】 銀杏早苗
今回のテーマのキーワードは『空撮画像』です。
いまや様々なセンサーが開発され、人工衛星に代表される気象データなどはその恩恵を受けているといえます。
でもちょっと宇宙からじゃ遠いな?。
ということで、より身近に高みの見物。
高い位置でものを見る。ということは全体を俯瞰できるということ。
東京タワーや高層ビルの展望台から東京を見てみると、意外と緑があるんだ?とか、ここの一角はビルが低いのね、もしかしたらここの土地活用はおもしろいかも、なんて気付きもあるものです。
ここに地表(道路や建物も)の温度を分析して屋上緑化や屋上菜園などの検討ができるのではないか。
もちろん樹勢診断に使えば、広い範囲で作況も調べられる。大きな公園では人の流れが把握できる。
上から見るって面白い。そんな観点で今回の情報をご検討ください。
ディスプロ 桑原 良弘
従来、園地上空から撮影した画像を利用しNDVI(正規化植生指数)を計算することは、リモートセンシングでは広く一般に用いられている手法である。その測定方法には、人工衛星や飛行機やヘリコプターやラジコン機などが使用されていたが、費用が高額であったり、高解像度の画像がえられなかったり、気象条件など撮影制約を受けやすい等の課題が存在した。
本シーズ方式では、撮影機器として小型無人飛行船を利用し比較的安価で安定的な撮影を可能にしたとともに、さまざまな光が樹勢に与える影響を画像として数値化した情報(=わかりやすい情報)で提供することを可能とした。たとえば、農村地帯における夜間照明が稲の登熟歩合に与える影響把握や、小麦の枯れ熟れ様障害の発症範囲や発病程度の把握、都市部の屋上緑化によるヒートアイランド現象の緩和効果の把握等に利用可能であることを検証した。
リモートセンシング関連全体での世界市場規模は、約70億ドル(2006年)から約99億ドル(2012年)と言われており、我が国の農業分野では約1億円(2006年)前後の市場規模と推定されている。世界に占める日本の農業は僅かなモノであるが、本シーズの有効性・有用性を日本市場でまず確立することが、その先の世界市場での展開を可能にする。
本シーズの特徴は、小型無人飛行船を有線で昇降させ上空より撮影を行うため、より安全で安定的な画像の確保が可能であり、使用する空域を限定されにくい。ゆえに、園地上空に限らず、都市部の屋上緑化・壁面緑化のヒートアイランド緩和効果の測定にも実用可能と考えられる。
ユーザー業界 | 業界キーワード | 活用アイデア タイトル / 活用アイデア ガイヨウ |
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園芸サービス業 情報処理・提供サービス業 生活関連サービス業 |
公園、街路樹、樹勢評価、 造園管理、省力化、省人化、 メンテナンス |
公園、街路樹等の樹勢把握評価システム 公園や道路沿いに植えてある植物の樹勢を定期的に観測し、その樹勢に応じた追肥・散水・伐採・枝打ち等のメンテナンスをしていく。 同時に、近くの照明による樹勢への影響を分析し最適照明量(投光量)を把握する。 |
園芸サービス業 土木建築工事業 情報処理・提供サービス業 |
屋上緑化、壁面緑化、 樹勢評価、ヒートアイランド、 診断 |
屋上緑化・壁面緑化の効果把握診断システム 東京都など大都市部では屋上緑化・壁面緑化をっ義務付けているが、その効果の把握・検証までは行っていない。形式的にただ植えただけにならない為にも、定期的に植えた植物による温度低下の効果を測定し報告するシステムに利用する。 |
情報処理・提供サービス業 精密機械器具製造業 農業サービス業 |
先物取引、作況状況、樹勢、 情報配信サービス |
樹木の樹勢配信サービス 先物取引等に使用される樹木の樹勢情報は非常に大きな価値を持つ。特に、バイオ燃料に使用されるような植生の情報は売買価格に大きな影響力を持つ。バイオ燃料となる樹木の樹勢配信サービス。 |
リモートセンシング
飛行機、ヘリコプター、人工衛星などから写真、レーザー、レーダーなど用いて地表を観測する技術。
近赤外光
およそ0.7?2.5μmの可視光(赤)にほど近い波長を持つ光。
発明の名称 | 気球空撮マルチバンドセンシングにより植生を診断する方法 |
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特許権者/出願人 | 国立大学法人山口大学 |
出願番号(出願日) | 特願2005-343163 (2005.11.29) |
公開番号(公開日) | 特開2007-143490 (2007.6.14) |
FI | A01G 7/00 |
問い合わせ先名称 | 山口大学 産学公連携・イノベーション推進機構 |
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郵便番号 | 755-8611 |
住所 | 山口県宇部市常盤台2丁目16番1号 |
電話 | 0836-85-9961 |
FAX | 0836-85-9962 |
URL | http://www.yamaguchi-u.ac.jp/index.html |